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新奴隷2




 新しく奴隷として我が家に加わったリュシアにミは反発した。

 主に、僕のベッドで一緒に寝ようとしたのが不味かったらしい。



 「リュシアさん!? 貴女、奴隷なのにご主人様と一緒に寝ようだなんて」

 

 「ミーさん。貴女も分をわきまえたらどうですの?

 奴隷の分際でハーネスの孫娘たるワタクシに失礼では無くて!? 」


 「貴女も今はカイエン様の奴隷でしょう」


 「旦那様に添い寝するのは奴隷の権利ですわ」


 「だったら私だってぇ!」


 「キィ!」

 「フゥゥ!」


 リュシアとミが喧嘩し始めた。

 掛布団の一部が破れ、ベッドに羽毛が舞う。


 うーん。

 ここは彼女達の主人としてビシッと場を納める必要があるだろう。



 

 「まぁまぁ、二人とも。僕は気にしないよ。

 ベッドは広いんだ。一緒に寝ようよ」


 「まぁ、なんで心が広いんですの」

 「流石ご主人様ですっ」


 意外な事に僕のたった一言で喧嘩は収まった。



 二人とも寝間着に着替えて僕のベッドに潜り込んでくる。

 広いベッドなのに二人とも何故か僕に密着してくる。


 



 「二人とも、暑くない?」


 三人で川の字になって寝る。

 それはいいのだが、二人とも真ん中の僕に思いきり寄ってくるのでちょっと暑苦しい。

 


 「大丈夫ですわ。……い、いえ、やっぱり暑いですわ。寝間着を脱いじゃいましょう」


 リュシアは寝間着を脱いだ。

 薄い寝間着一枚しか着ていないのは外から見ても分かる。

 それを脱いでしまっては裸も同然だ。


 リュシアの肌はとても綺麗だった。

 


 「じゃ、じゃあ私も……いえ、やっぱり止めておきます」


 「ミーちゃん……」


 ミは脱ぎかけて、ためらった。

 リュシアに自分の裸を見られるのを躊躇ちゅうちょしたのだろう。

 体の傷跡を見られたくないのだ。

 前の非道な主人に付けられた一生消えない傷跡がミには残っていた。


 「ミーちゃん、気にすることは無いよ。君の肌は素敵だ」


 本心であった。

 例えミの体にどんな傷があっても美しく見える。

 つぶらな瞳に可愛らしい耳、栗色の髪は美しかった。

 全身にある多少の傷が彼女の美しさを損なっているとは思わない。


 「ご主人様……」


 僕はミの寝間着を脱がした。

 

 「ごしゅじんしゃまぁっ……」


 ミは僕に抱き着き、体を擦り付ける。

 最大の親愛の表現だ。

 




 「じゃ、じゃあワタクシも!」


 リュシアは反対側から僕に抱き着いてくる。


 ミが脱いだ。

 リュシアも脱いだ。

 そして僕も脱いだ。

 三人仲良く裸で寝ることになった。



 「ご主人様ぁ」


 ミは僕にべったりとくっつき、顔を僕の胸にうずめた。


 「旦那様、私も」


 リュシアも僕の背中にくっついた。


 

 僕は幸せだ。

 戦いの螺旋から抜け出して本当に良かった。

 今はこうして可愛い奴隷たちの頭を撫でる事が出来る。


 この二人を守っていく事が僕の新しい使命なのかもしれない。














 その後は三人で滅茶苦茶セ○クスした。


 




---リュシアside



 カイエン様、いえ、旦那様の奴隷になる事に戸惑いが無かったわけではございません。

 私はブルトン家の令嬢、私の家は商家ながら国王陛下から爵位を賜り、貴族と同等の地位を得ています。

 

 幼い頃から然るべき地位を持つ男性と結婚する、もしくは偉大な大商人ハーネスの後を継ぐべく育てられてきました。


 しかし、お爺様の決定は絶対。

 私の父に権限の大部分を委譲した今でもお爺様、つまりハーネス・ブルトンの意向は10万人以上もの従業員を有するハーネス商会に隠然たる影響力を持っていらっしゃいます。


 私の意向など本来は有ってないようなものです。


 お爺様は大変私を可愛がってくれますが、私も子供ではありません。

 当然、私の未来はお爺様の意向にそう物にしなければならないと考えておりました。


 

 そして、お爺様は出会われました。

 潜在能力の計り知れない若者、カイエン様に。


 お爺様は1代で大商会を築き上げた偉人です。

 その類まれなる商才に加え、神掛かった決断力が今日のハーネス商会を作り上げたと言います。


 お爺様の決断に間違いはありません。

 その偉人がカイエンという若者と懇意になれと言うのですから私の意義を挟む余地など本来は無いのです。



 しかし、私も年頃の娘。

 少しは反抗したい事もあります。


 私自身の目で彼を品定めしてみたかった。


 

 


 しかし結局は、お爺様の決断の凄さを思い知る事になったのです。


 カイエン様は只者ではありませんでした。

 数百年の一度、いえ、数千年に一度の大人物かもしれません。


 それぐらいのポテンシャルを感じさせてくださいました。


 今では反抗するどころか、私の方から積極的にこの方のお傍に居たいと思っております。










 「うーん。むにゃむにゃ」


 旦那様がお目ざめになられました。

 私の愛しのご主人様です。


 昨晩は一緒のベッドで寝ていたのでした。

 二人とも裸です。

 まだ少し恥ずかしい気もしますが、

 この御方と同衾出来たのですから、誇らしい気持ちも御座います。


 ちょっとした行き違いでこの御方の奴隷となってしまいましたが、今では全く後悔はありません。



 「旦那様、おはようございます」


 「ああ、おはようリュシア。今日も綺麗だね」


 「まぁ、旦那様こそ今日も凛々しいですわ」


 目覚められた旦那様の面倒を見るのは奴隷の務めです。

 私は愛しのカイエン様に口づけし、今日の仕事の準備をし始めました。

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