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フラれて自暴自棄になっていたところを異世界召喚された結果がコレだよ!  作者: 荒薙裕也
第一章、調子に乗って闇魔法使っていたら、知らない所で恨みを買っちゃった結果がコレだよ!
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4、説明猫

================================================================

 名前:有馬浩助

 種族:人間(人間界)

 年齢:18歳

 職業:学生

 状態:通常

 レベル:3

 HP:4129/4129(+4060)

 MP:3335/3335(+3320)

 攻撃力:13666(+13645)

 防御力:0

 魔法攻撃力:6652(+6640)

 魔法防御力:0

 速度:9491(+9475)

 幸運:0

 

【スキル】

 天剣六撰Lv1 New!/修羅LvMAX/悪鬼LvMAX/羅刹LvMAX/捷疾鬼Lv1/剣鬼LvMAX/妖刀LvMAX/魔剣LvMAX/暗黒魔法LvMAX/闇魔法LvMAX/混沌魔法LvMAX/呪術LvMAX/毒殺LvMAX/狂犬LvMAX/暗殺LvMAX/狂気LvMAX/憤怒LvMAX/憎悪LvMAX/決死LvMAX/聖剣LvMAX New!/魔法剣LvMAX New!/剣術LvMAX New!/二刀流LvMAX New!/抜刀術LvMAX New!/剣聖LvMAX New!


【耐性】

 毒耐性(極)/闇耐性(極)/暗黒耐性(極)/混沌耐性(極)/呪術耐性(極)


【称号】

 救世主(全パラ+3000)

================================================================


「うっお!? 何か、いっぱい出たぞ!? 何だこれ!?」

「どれどれ、妾が解説でもしてやろうか……」


 一瞬、寒気のようなものが浩助の背を通り過ぎる。


 鎖那が舐めるように浩助の方を見ているところをみると、浩助のステータスを確認しているのか。


 そして、ぶるりと背を振るわせる浩助よりも先に、顔面蒼白にした鎖那が思わず浩助を二度見する。


「なんじゃ、これは!?」


 呆然、という表現が一番正しいのだろうか。


 管理者にあるまじき奇声を鎖那は吐き出す。


 だが、浩助は何だと言われても答えることができない。


 そこに書いてある言葉の殆どを理解していないからだ。


「スキルが完全にダークサイドに落ちておるではないか!? しかも、ほとんどカンストじゃと!? 一体、何処まで世の中を憎めば、こんな風にスキルが開眼する!? いや、そもそも御主の頭は大丈夫なのか!? 狂気に囚われていたりとかしないのか!?」

「えらい言われようだな、オイ!?」

「いや、普通、これだけ負のスキルを揃えると大概は狂人になるか、廃人になるんじゃぞ? 妾の小細工のせいか? 正常な思考回路を持ったまま、このようなスキルを揃えてみせるとは完全に予想外じゃ……。…………。ちなみに、御主、異世界に飛ばされる前まで一体何を考えておった……?」


 ジト目で鎖那が睨みつけてくるので、浩助は頭を掻きながら、つい先程まで考えていたことを告げる。


「人類みんな滅亡して、俺も死にてーって考えてた。もう全部、なんつーか終われって」

「だからといって、カンストになるほど強く思うか!? 普通!?」

「うっせーな! フラれた直後だったんだよ! しかも、フッた性格ブスの女がそれを笑い話にして周囲に流しやがるし! 世の中全てを憎んで死にたくなるのが普通だろうが! っていうか、頭おかしくなる寸前だったつーの!」

「何という……。いやしかし、拙いのう。カース系スキルばかりのオンパレードか……」

「カース系スキル?」


 浩助が疑問の声を上げると、鎖那はコクリと頷く。


「防御力、魔法防御力、幸運が0じゃろ? あれは、カース系スキルのせいじゃ。どれだけ、強い装備をしても、レベルアップをしても絶対に上がらん。その代わりに、馬鹿みたいに攻撃力や魔法攻撃力に対して補正が掛かるんじゃがな……。回避がスキル補正で割と高いのが唯一の救いか……?」

「攻撃力高いし、回避も高いなら、別に問題ねーんじゃねーの? 避けて殴れば良いんだろ?」

「個対個で、魔法も使わないというのなら御主に勝てるものは稀じゃろう。じゃが、広範囲魔法、不意打ち攻撃――、避けられないものに関しては別じゃ。救世主の称号でHPは若干あるとはいえ、決して打たれ強いとは言えんからのう。避けきれん、逃げ切れん、の状況を作られたら終わりじゃぞ」

「そんでも、何とか切り開くしかねーだろ。つか、今更スキル変更も出来ないんだろ?」

「流石に、こればかりはのう……。ふむ」


 鎖那は少しだけ考えた後、自身の袂をゴソゴソと漁る。


 何が出て来るのかと身構える浩助であったが、その彼の目の前に取り出されたのは、なんとも可愛らしい黒猫のぬいぐるみであった。


「致し方あるまい。本来であれば、敵に勘付かれる恐れがある故、干渉するのは控えたいところなのじゃが、御主に死なれても困るからのう。此奴を連れていくが良い」

「連れていくって、ぬいぐるみじゃねーか」


 だが、そのぬいぐるみは目をパチクリと動かすと、浩助を見て人懐っこそうにニャーと鳴く。


「ぬいぐるみが鳴いた!?」

「ただのぬいぐるみではない。妾の分身のようなものじゃ。名をねこしぇと言う」

「ほ、ほう……」


 ちょっと興味本位で、ねこしぇの背を撫でる。


 ゴロゴロとは言わなかったが、ねこしぇは嬉しそうにパッチで出来ているであろう目を==にして、気持ちよさそうにしている。


「とりあえず、ねこしぇにパーティー申請をしてみよ」

「猫に!? っていうか、パーティーとかいう概念があんのかよ!?」

「基本は御主らにわかりやすいように、人間界のゲームを参考にして、基本機能を組み込んでおる。大体のことはゲーム同様にできると思って良い」

「テキトーだな、おい……。で、パーティー申請ってのはどうやるんだ?」

「視界の片隅にちらついておる文字があるじゃろ」


 浩助は視界の片隅に意識を集中させる。


「それに、パーティー申請と念じれば、表示されるぞ」


 パーティー申請しますか?

 ▼ねこしぇ(申請可)


「……本当だ。出てきた。っていうか、アンタには送れないのか?」

「妾はシステムの対象外じゃ。というか、同じシステムに組み込まれては管理の仕事ができなくなるからのう。その辺は勘弁してくれ」

「そんなもんか。そんじゃ、申請して……、おぉ、申請が通ったぞ」


 申請が完了しましたという文字が出ると共に、ねこしぇが浩助の肩に駆け上がる。


 そして、彼が自分のものであることを主張するかのようにニャーと鳴いた。


「これで、パーティー申請完了じゃな。後は、ねこしぇの能力を見せておこう」


 そう言った鎖那の言葉に、浩助の視界が一瞬砂嵐に襲われる。


 網膜に無理矢理映し出されているのか、目を瞑っていてもその砂嵐が見えなくなることはない。


 やがて、浩助の視界の中に、ねこしぇの能力が映し出される。


================================================================

 名前:ねこしぇ

 種族:管理人の分身(秘匿)/ぬいぐるみ(偽装表示)

 年齢:1歳

 職業:ねこ

 状態:通常

 レベル:1

 HP:23/23

 MP:10/10

 攻撃:3

 防御力:4

 魔法攻撃力:1

 魔法防御力:2

 速度:25

 幸運:7

 

【スキル】

 鑑定LvMAX(秘匿)/収納LvMAX(秘匿)/危険感知LvMAX(秘匿)/言語翻訳LvMAX(秘匿)/言語読み書きLvMAX(秘匿)/念話LvMAX(秘匿)/隠蔽LvMAX(秘匿)


【ユニークスキル】

 経験値取得二倍(秘匿)/スキル成長二倍(秘匿)


【耐性】

 完全属性耐性(秘匿)


【称号】

 ヤクシャーサの加護(秘匿:経験値、スキル成長二倍)

================================================================


「ステータスが弱いんだが……」

「その分、スキルとユニークスキルを強くしておる。ねこしぇよ、御主のスキルを有馬浩助に説明するのじゃ」

《ニャー。ご主人様に頑張って説明しますニャー》


 唐突に頭の中に響く声に驚いて、浩助は思わずねこしぇに視線を向ける。


「喋れんのかよ!?」

《言葉は喋れないですニャ。念話というスキルで、精神同士を繋げて会話出来ますニャ》

「そういえば、水原もそんなことやっていたか……」


 刀が喋り出した時のことを思い出し、浩助は少しだけ落ち着く。


 それも十分異常な光景であったことには、まだ気付いていないようだ。


《それで、ご主人様にスキルの説明をしたいと思うのですが、宜しいですかニャ?》

「あー、頼む」

《ニャー。それでは、端からいきますニャ。まずは、鑑定ですニャ。これは、相手のステータスやスキルをご主人様にお伝えすることができますニャ。ただし、鑑定を使われた相手は不快感を覚えるのですニャ。ですから、見たことを気付かれる恐れがありますニャ》


 浩助は先程、鎖那に見られて寒気を覚えたことを思い出す。


 あれが、鑑定スキル、ということなのだろうか。


 確かに、あんなものを不躾(ぶしつけ)にやられたら、相手は不快に思うかも知れない。


 使い所はちゃんと考えないといけないな、と浩助は心に刻む。


《続いて、収納スキルですニャ。これは、持ち物を異次元空間に収納して、荷物を収納することができますニャ。異次元空間では、時間経過がないので食べ物とかでも腐らないですニャ》

「収納……、どれぐらいの数入れられるんだ?」

《無限ですニャ》

「とんでもねースキルだな。強スキルに偽りなしか……」


 無茶苦茶な内容に、浩助も渋面を作り出すしかない。


《後は、危険感知はご主人様に敵意を持った相手が近付いた場合に、その存在を知らせますニャ。魔物の位置や敵の位置もある程度は察知できますニャ》

「敵意がある相手だけなのか? 普通の人とかは探せないのか?」

《そちらは、別スキルの『察知』というスキルになりますニャ。鍛えれば、ご主人様も使えるようになるかもしれないですニャ》

「スキルを……、鍛える?」

「練習して、その技能に見合うだけの力が付くと、スキルを取得するのじゃ。察知を鍛えるには、色んな人間の気配を常に感じ取ろうとしておれば、覚えられるであろうな」


 鎖那が横から説明してくれる。


《あと、言語翻訳、言語読み書きは、多種族の言葉を訳すことができますニャ。八世界もあるので、この技能はとても役に立つと思いますニャ》

「ロボとか、さっき言っていた気がするが、そいつらとも話せるのか?」

「うむ、問題なく、意志疎通ができるぞ」

「ねこしぇ、優秀なんだな……」

《そ、そんなこと言われると照れちゃいますニャー……》


 ニャーとご機嫌そうに、ねこしぇが鳴く。


《後は、隠蔽スキルですニャ。こちらは、秘匿することでステータス鑑定を欺けますニャ》

「妾の分身というのを、敵に勘付かれるわけにもいかんからのう。少しばかり、普通の猫のぬいぐるみっぽく誤魔化してみたぞ」

「いや、猫のぬいぐるみはこんなアクティブじゃねーから……」


 ねこしぇの背を撫でてやりながら、浩助は最後に残っている良く分からないスキルについて尋ねる。


「このユニークスキルっていうのは何だ?」

《通常の訓練や修練では取れないスキルですニャ。ねこしぇは、八界様の御加護を受けていますので、これだけのユニークスキルが付いていますニャ》

「何か、色々と強いスキルっぽいな。これって、ねこしぇ個人についているもんなのか?」

「パーティーを組んでおれば、パーティー全員に恩恵が入る。いわゆるチートスキルじゃな。まぁ、こんなものでもなければ、他の世界の住人には敵わぬだろうからな。問題ないじゃろ」


 これだけのスキルやステータスを持っていても、他の世界の住人には遠く及ばないというのか。


 不安を覚え、浩助は他の世界の住人に対して質問を行う。


「スキルのことは大体判った。あと、他の世界についても、少し教えてくれねーか?」

「そうじゃな。その辺も少し語っておくかのう」


 そうして、鎖那が語った人間界以外の世界の特徴は次の通りである。


 魔界……魔力、魔法を基軸として、魔物や悪魔が住む世界。智謀策謀を好み、他人の不幸を笑う性格の者が多い。貴族社会で、魔王と呼ばれる存在を頂点に、組織立って行動する。


 冥界……霊力、霊感などが基軸となる世界で、幽霊や鬼などと呼ばれる種族が住んでいる。基本的に不死性が高く、耐性と弱点が極端で倒すのに苦労する。知能はあまり高くない。


 仙界……仙術や宝貝などが存在する世界。見た目は人間にそっくりだが、不可思議な術や道具を使う。寿命も人間より圧倒的に長く、知識や知能も圧倒的に高い。性格は温厚な人物が多いが、邪仙と呼ばれる存在には気を付けた方が良い。


 天界……神や天使が住まう世界。ステータスが図抜けて高く、更に輪をかけて高い性能を持つ武器防具を保有している。聖属性と呼ばれる属性持ちが多々おり、暗黒系のスキル持ちは相性が悪い。知能は非常に高い。


 妖精界……精霊や精霊魔法と呼ばれるものが基軸となっている。エルフやドワーフやハーフリングなどが存在しており、六大精霊と呼ばれるものが世界を統治している。基本的に知能はそれなりにあるが、排他的である。


 幻獣界……いわゆる魔物と呼ばれるものが住んでいる世界。今回の八世界融合により、一番多くの土地が巻き込まれた。知能は低いものが多いが、一部ドラゴンなどの高位存在は、圧倒的な知能と力を備えているという。


 機甲界……科学や機械学が基軸となる世界。方向性は人間に近いのだが、人を排他し、機械が世界を支配しているらしい。知能は高いが、人に敵対的で問答無用で戦闘になる恐れもあるため、なるべくなら関わらない方が良い。


「――と、いったところじゃな」

「なるほどな。アンタが俺の心配をする理由がわかった」


 幾ら攻撃力が高いといっても、ドラゴンと真正面から戦って勝てる自信は浩助にはない。


「まぁ、御主の攻撃力もかなり壊れている部類じゃろうが、それでも気を引き締めていかないと難しいじゃろうな」

「あぁ、そうだな。あとひとつ聞きたいんだがいいか?」

「なんじゃ?」

「アンタ、猫の神様か何かなのか?」


 ちらりと、ねこしぇを見て、浩助が尋ねると鎖那は「いんや」と首を横に振る。


「妾は蜘蛛のバケモノじゃよ。じゃから、八世界を同時に監視できるのじゃ」

「複眼って奴か? ……じゃ、このねこしぇは何なんだ?」

「趣味じゃが? 駄目だったかのう?」

「…………。いや、良いんじゃないか」


 割と可愛い趣味を持っている――、とは言えず、浩助はわざとらしく視線を逸らす。


「何故、目を逸らすのじゃ……」

「おっと、それじゃ、そろそろ行くわ!」

「甚だ納得がいかぬが、引き留めてばかりもいられまい……。あぁ、そうじゃ、ひとつ伝え忘れておった」

「……ぁん?」

「御主の巻き込まれた世界の名前じゃよ」


 徐々に浩助の目の前に白い光が集まっていく。


 それは、彼が最初に異世界に飛ばされた時の白い光に似ていた。


 涙が出て来るほどに眩しく、そして視力が吹き飛ぶ程に光が痛い。


「アグリティア――、世界の可能性という名を付けた。御主の健闘を祈っておるぞ」


 かくして、有馬浩助の意識は再び混濁の中へと導かれていくのであった。

※有馬浩助、レベル1時ステータス振り分け

HP:53 MP:9

修羅LvMAX:攻撃力+980

悪鬼LvMAX:攻撃力+980

羅刹LvMAX:攻撃力+980

捷疾鬼Lv1:速度+200

剣鬼LvMAX:攻撃力+980、速度+545

妖刀LvMAX:攻撃力+545、魔法攻撃力+980

魔剣LvMAX:魔法攻撃力+540

暗黒魔法LvMAX:魔法攻撃力+540

闇魔法LvMAX:魔法攻撃力+320

混沌魔法LvMAX:魔法攻撃力+980

呪術LvMAX:魔法攻撃力+540

毒殺LvMAX:魔法攻撃力+320

狂犬LvMAX:攻撃力+545、速度+545

暗殺LvMAX:攻撃力+545、速度+980

狂気LvMAX:魔法攻撃力+980

憤怒LvMAX:攻撃力+980

憎悪LvMAX:魔法攻撃力+980

決死LvMAX:ステータス上昇無し


見事にHP、MPの変動がないのでした……。

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