表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双極のレクトル 〜神書の使い手〜  作者: 無刀 神情
第二章 始まりの予感
9/41

第1話

家に帰宅したあと、いつものように夕食までだらだらして、お風呂に入った。


風呂から上がりにソファーでくつろいでいたところ、理咲が隣にやってきた。


「そういえばおにいちゃん、美希さんから聞いたよ。また、授業さぼったんだって」


今さっき風呂から上がってきたらしく、可愛いパジャマをきている。


「別にいいだろ、どうせ今日はまともな授業なかったし」


「でもクラスのみんなには挨拶くらいはしないと」


「毎年クラス替えするのに、いちいち覚えてたらきりがない」


聖夜学園は大体1学年の学生が1千人にも及ぶ。


クラスは1クラス50人で20クラスもある。


聖夜学園は将来、新書を使いこなし、主にそれを必要とする企業や国の戦力となる人材を育成する教育機関と言われている。


そのため、普通の高校と比べると進学率は低いが、関東地域全体から集まっているので、1学年の人数が桁違いに多い。


「そうだけど」

どうやら反論できない様子で、黙ってしまった。


「それじゃ俺はもう寝るから。お前も早く寝ろよ」


「うん、おやすみ」


そういって、リビングから出て、自分の部屋に戻ろうとした。


すると、リビングの方から妹とおばさんの会話が聞こえた。


普段ならそのまま部屋へ戻ってしまうのだが、どうしてその場から離れることが出来なかった。



「ねぇお母さん」


「なぁに?」

台所から声が聞こえた。


「もう10年になるんだよね、おにいちゃんがこの家来てから」


「そうだね、今日でちょうど10年になるのかな」


「私、おにいちゃんの妹としてしっかりとやれてるのかな」


「そりゃもちろんよ。だって誠一はあんなにも明るくなったじゃない」


「うん」


誠一が最初にこの家に来たのが、あの日であり、両親がいなくなった時だった。


身寄りがなかった誠一を理咲の両親が引き取ったが、最初はとても暗かった。


その後、誠一の両親が行方不明ということで、捜査が打ち切られたと聞かされた時、誠一は泣きじゃくり、それっきり家から出ることはなかった。


家にいても、部屋にこもって最初の頃は食事すら取らなかった。


そんなある日、いつの間にか部屋の中に理咲が入ってきて、


「一緒に遊ぼう」


といった。


もちろん、誠一はそんな言葉には耳も貸さなかったが、それでも理咲は諦めずに毎日のように部屋に来た。


それからというものの、誠一もだんだん心を開き、今に至っている。


「だって、だってぇ、そんなのあんまりじゃない。おにいちゃんは何も悪いことなんてしてないのに」

理咲はいいながら、涙が止まらなかった。


「大丈夫、大丈夫だから」

お母さんは理咲を抱いて、頭をさすりながら何度も何度いった。



誠一はそんな話を聞いて、やるせない気持ちになった。


あんなにも自分を大切に思っている人がいることが嬉しかった。


だからこそ彼らを悲しませていけないと強く思った。

唐突ですが、久しぶりに友達にカラオケいこうに誘われて、歌えもしないのにいくといってしまったのですが、どうしたらいいのでしょうか?


ちなみに今まで人生でカラオケは1回しかありません。その1回も数時間、何も歌いませんでした。


次回も悲しい回です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ