第6話
出てきた少女は背伸びをしながら、なにやらお疲れのようだった。
「えっ」
「っん」
どうやら相手の方は人がいないと思って屋上に来たらしい。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
まだ状況の整理がついていないのか、固まってなにも話しかけてはこない。
仕方ない、ここは何か喋ってせめてこの場の空気をなんとかしないと。
なんとか話をしようとしたのだが。
「ちょっとあなた、いますぐここから出て行きなさい」
いきなりここから出て行けか。色々予想はしていたが、流石にそれは思い浮かばなかったな。
再び二人は見つめ合ったまま、沈黙が続いた。
「ちょっと聞いているの。そこのあなた。ここから出て行きなさいっていってるでしょ」
あー、こういうのってどっかの小説でよくいるんだよな。
だいたいの場合は話が長かったりする。なので、とりあえず無視して寝るにした。
「人が話してる前で寝るなんて。無礼にもほどが・・・」
思った通り、てか、後半からなにを喋ってるのか聞き取れない。
「それはこっちのセリフだ。出会って早々出て行けとか言われてもな。てか、あんた誰だ?」
流石にこのまま無視できそうにないので、とっとと話を聞いてかえってもらう方がはやそうだ。
「私は2年の白鳥 小夜といいます。それであんたは?」
「あー、今朝話してた編入生か」
言われてみれば、長い黒髪をしていて、他の女子と比べてみてもいいスタイルをしている。
などと一人で納得していると。
「ちょっとなに、さっきから人の体をじろじろ見て」
「あー、悪い悪い。少し考えことをしていただけだ。2年の早瀬 誠一だ。よろしく」
「そう、あなたがあの早瀬 誠一」
どうやら相手の方も俺に面識があるらしいが、もちろん知らない。
「俺がどうしたんだ」
「そりゃ朝から授業をサボってたどこかのおバカさんがいたからね」
「へぇ同じクラスか。どうりで」
「授業をさぼるなんてろくな奴じゃないわ」
「そうかよ。で、なんで俺はいきなりここから出て行かなくちゃならないんだ」
そういって、相手の方は妙に静かになって、ぎこちなくなった。
「ひ…」
「ひ?」
声が小さいせいか。全く聞こえない。
「ひとりになりたいにきまってーー」
まだ言っている途中にもかかわらず、突然強い風が吹いてきて、最後まで聞き取れなかった。
「えっ」
スカートがめくれて、白い布がみえた。
「きゃあーーー」
まさかの展開に、流石の誠一も固まってしまった。
「ーーー。あ、あんた、み、みたでしょ」
「あ、いや、これは、その、不可抗力というか、なんというかだな。と、とりあえず落ち着いて」
そんな俺の話を一切聞かずに、鋭い一撃が飛んできた。
「ったく、いってぇな」
学校の帰り道、美希たちにあった。
「そりゃ、誠一が悪いわよ」
「そうだよ、おにいちゃんはちゃんと反省しないとダメだよ」
「だな。どっかどう考えても全面的にお前が悪い。それより、どうだったのだ」
拓也がにやにやしながら、聞いてきた。
「なんでもねぇよ」
「ちぇ、つれないやつだな」
「そうかよ」
ったく、今日は最悪な1日だ。
最近書いて思うことは、完全な力不足です。
書きながらいつも誰がこんなの読んで面白いと思うんだよ、だから評価とか感想書かれないんだよと感じてます。いつか書かれるを目指して頑張りたいと思います。