第12話
中に入ると向かってすぐのところに受付カウンターがあった。
「おもったより中は広いな」
外から見た時はそれほど大きくはなかった。たぶんここに入る際に自動の転移エリアをくぐったから違う場所なのだろう。
周りを見渡してみると多くの学生がすわって自分の順番を待っていた。
「それじゃ」
そういうと、美希は受付の所まで行きなにやらいろいろと話している。
なのであいている席に探して、座って待った。
「お前もいかないのか」
「今はまだ必要ないかな」
「そうか、でもあれだけだと厳しいだろ」
いくら氷に変化させてもあの時みたいに防がれてしまったら、打つ手がなくなるのは目に見えている。
さすがに拓也のことだから何か手を打ってるとは思うけど、やはり心配になる。
「痛いところをつくね、そりゃお前との練習で使ってみて弱点はわかったけどさ。そんなに早くいいアイデアが思いつくとおもうか」
「そりゃまあ」
「それにある程度詳しく書かないと申請しても、許可がおりないんだよ、これが」
苦渋の表情を浮かべて、ため息をついた。
「そんなに焦るなよ。気分転換してリラックスしたら思いつくかもしれないし」
「そういうお前こそどうなんだよ、周りが上がって来たからそろそろあぶないんじゃないのか」
痛いところをついてきた。正直今のままだといつか手も足も出なくなってしまう。それまでに何とかしたいのだが、武器をつくってもらおうにもアイデアなんてこれぽっちもででこない。むしろ考えれば考えるほど何も出てこなくなる。
「なんとかするよ。まだ時間はあるし」
「そういうことにしとくよ。お前のことだから何も考えれないわけでもなさそうだからな」
そのうち美希が受付を終えて戻って来た。
「どうだった」
「なんとかなりそうかな」
「そういやどんなのを申請したんだ」
少し興味がわいて聞いてみる。表情をみるにそこまで言えないほどのものでもなさそう。
「ううん、新しいのを申請したんじゃなくて学校にあるものを借りる許可をとってたの」
「学校にあるもの?」
「《女神の涙(θεά δάκρυ)》っていうんだけど、知らない?」
風邪をひいてしまいました。原因はなんとなく日ごろの疲労ではないかと考えています。はやく回復してほしいです、はい。




