第11話
しばらく二人は美希について、校内を歩き回った。
すると、ある施設の前で立ち止まった。見てみるとあまり見覚えのない建物だった。
「二人ともきたことあるんだっけ」
「俺は要件があってきたことはある」
「いや、見覚えが全くない」
拓也がきたことがあるのに、覚えてないってことはないはずだが、記憶にないので、仕方なくそういった。
もうこの学園に入って5年目になるが、自分の記憶のなさに頭が痛くなる。
しかし、普段から授業をサボって校内をうろうろしているとはいえ、関係のないところには基本行かないようにしている。
それにそもそもこの学園の施設は100以上あると言われ、いくらなんでも多すぎる。それを名前と建物の外見を全部記憶しておくのは無理にもほどがある。
「そっか〜、誠一はこことは縁がないもんね」
「どういうことだ」
「ここはね、学園の生徒の武器についての作製依頼をおこなうところなんだよ」
そういわれても言われてもピンとこない。
「ほら、この前の授業で俺が使ったやつもここで依頼してつくってもらったんだよ」
「そうなんだ、誠一は武器とか使わないもんね」
「あまり役に立たないからな」
「まあ、誠一の場合はそもそも話をきいてたかどうかすら怪しいんだけどね」
「それは否定しにくい部分があるな」
痛いところを突かれて苦笑いしながら答えた。
「ここで話してるのもなんだし、中に入ろう」
どれくらいの難易度の文字や熟語や文章でかいたら読みやすいのか悩みます。




