第5話
「あ、誠一こっちこっち」
美希が呼んでいる方に向かった。
「よかった〜。来ないかと思っちゃったよ」
「お前やけにおそいな」
さっきまでいなかった拓也が仕事を終えたらしくこっちへやってきた。
「わるいわるい」
「まあ間に合ったんだからなによりだよ」
「それもそうだな。っとそろそろ始まるぞ」
周りが暗くなり、それぞれが席についた。
そして、壇上が明るく照らされて視線が集まる。
「みなさん、こんにちは。今日はお集まりいただき誠にありがとうございます」
壇上に立っているのはこの学校の生徒会を取り締まっている生徒会長の椎奈弥生で、学園の顔とも言われている。
「おぉ、いつにもなく椎名先輩はきれいだよな」
「いや、俺に返事を求められてもな」
「お前、本当に女子に興味ねぇよな」
「でも椎名先輩って強いし、きれいだし憧れちゃうよ」
美希がきらきらした眼差しを送っていた。
「そうだろ。あのスタイルといい、胸といい、どれをとっても完璧なんだよな。それに比べて誠一は興味ないとか」
「なんで俺が悪いみたいになってんだよ」
「いや、どう見てもお前が悪い」
「まあまあ、二人とも落ち着いて椎名先輩の話を聞こう」
「ん、まぁ、そうするか」
「ここで言い争ってもしょうがないしな」
そして三人とも視線を壇上に移した。
「えー、それでは時間も限られておりますので、さっそく学園対抗戦についての説明に移させていただきますね」
生徒会長の名前に困りました。なかなかいいのが出ない。思いついても同じような名前があったなと思ってしまうのはなぜだろうか。




