プロローグ
初投稿です。なのでとてつもなく拙い文章になってます。
趣味でド素人が書いたラノベとして見てください。
「ヒトは何のために生まれてくるの?」
「---それはね、お父さんやお母さんになるために生まれてくるのよ。」
町の光も徐々に消え始め、窓際に置かれたクマのぬいぐるみは月の優しい光に包まれていた。子供は寝る時間であり、この家庭でも同じだ。部屋の隅に置かれたベッドでは、女の子が毛布に包まっている。かわいらしい大きな目には、眠気というものはまったく見られない。そしてその少女の隣には、優しい笑みで女性が座っていた。
「そうなんだ。じゃあ私がお母さんになるにはどうすればいい?」
「---それはね、お父さんになるヒトに見つけてもらえばいいのよ。」
女性はそう言いながら少女の髪をそっと撫でる。くすぐったそうに目を閉じた少女は、女性の手の温もりを心地よく感じているようだ。女性はしばらく撫で続けていた。
「じゃあ・・お父さんになるヒトには、どうしたら見つけてもらえるの?」
「それはね、たくさんのヒトがいても見つけてもらえるように美しくなればいいのよ。」
少女の声はさきほどよりゆったりしていた。まぶたを重そうにしていることから、ようやく少女にも眠気が帯びてきたようだ。すると女性はまた笑みを見せ、安心を含んだ息を小さく吐いた。
「・・美しくなるには、どうすればいい・・の?」
「それはね・・・」
女性が答えようとすると、少女はすっかり寝息を立てていた。どうやら質問を終えた時点で睡魔に負けてしまったらしい。女性は少女を撫でるのを止め、毛布を首下までかける。そして女性は小さな声でささやいた。
「それはね、たくさん勉強してたくさん運動して能力を磨くの。この世界では、能力のあるものに美が与えられるのだから。」