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オムニバスな短編連作集のこと
「五つのエピソード」と「人妻と猫」という要素。これを結び付けるのは、それ程難しいことではありませんでした。要するに「人妻と猫」を「ストーリーテラー」として仕立て上げればいいんだと思いましたから。必然的に、単なる「短編集」ではなくなり、五つのエピソードが繋がりを持った「連作」というカタチに自然に収まりました。
もっとも、五つのエピソードはどれも最初から『相対論と量子論』の絡みを持って創出している訳だから、放っておいても連作にはなったのかもしれません。ですが、関連性の点でどこかに何かしらのカタチであからさまにつながりがあった方が、より強固な作品になるのは間違いないので、この形式を採用したのは正解だったと思っています。