第二の扉◇ルドルフとヨーゼフ
量子論ではお馴染みの「シュレーディンガーの猫」ですが、主だった事柄は「表設定」にてご説明しました。残っているのは、ゲストキャラの「裏設定」だけではないでしょうか。では、早々にゲストキャラの裏設定をご披露することにしましょう。
この扉で出てくるのは、二匹の猫です。一匹は、毛が長くて上品そうな風体だったが、顔付き、特に目付きがいやらしく、口元に締りが無い感じの真っ白な猫。それが「ルドルフ」です。もう一匹は、鮮やかな山吹色の短い毛に覆われた、風変わりな言動をする猫。それが「ヨーゼフ」です。
えーと。
ダディの創作メモ帳によると、ルドルフのキャラ設定はこう書かれています。
『姿カタチは長くて真っ白な毛の猫だが、中身は得体の知れないエロおっさん。ネコにゃん語を話す』
そして、ヨーゼフのキャラ設定はこうです。
『姿カタチは鮮やかな山吹色の猫だが、中身は紳士のフリをした巨乳好きのエロ兄貴。ネコにゃん語は話さない』
ここまで書けば、ご存知の方も多いと思いますが、例のごとくキッチリと解説させていただきます。
ルドルフは、空想科学祭だけでなく「小説家になろう」でも有名な作家である「閉伊卓司」様をモデルに、またヨーゼフは、ネット小説界でもご存知の方が多く、空想科学祭においてはFIANLで初参加された「茶林小一」様をモデルにさせていただきました。
えぇ、ただ単に『キャラ』をお借りしただけですよ。お二人のお人柄をそのまま使わせていただいたなんてことは決してありませんから。もちろん、キャラには相当な演出がされていますですよ、はい! ですから、苦情等は一切却下ですのでご了承くださいませ。
何と言っても、この扉のテーマは「コメディ」です。シュレーディンガーというありふれた量子論の思考実験をどうやったら面白い話に出来るかと考えた時に、残された選択肢は既に「エロス」しか残ってない訳で。そのエロスをハチャメチャに発揮させられると言えば、自ずと方向性が決まってきます。ダディは、この「ルドルフ」と「ヨーゼフ」に賭けたのです。果せるかな、その賭けは成功した……と思いたいです。
執筆に際して一番難しかったのは、彼らの登場と退場のシーンでした。この二匹は「シュレーディンガーの箱」を伴って出現しなければなりませんから。箱と共に現れ、箱と共に消えていくにはどうしたらいいか。
結局、ロールプレイングゲームの宝箱が出現するように、またロールプレイングゲームの障害物が消えていくような、そんな演出しか思い付かなかったのでした。でも、この方法で充分ではなかったかと思っています。二匹の猫も大事ですけど、このシュレーディンガーの箱自体もこの扉のストーリーには必要なアイテムなのですから。
裏設定として一つだけ、訂正しなければなりません。
ドドさんとルドルフにヨーゼフの三人、蓋を開けてみれば「戯独堂」様と「閉伊卓司」様に「茶林小一」様ということになり、本編でもまた表設定でも『無関係』と記述しましたが、それはストーリー上のことでありまして、実際のお三人様は、仲良くツイッターでも絡んでおられたりします。ですが、結局のところは三人三様の独立独歩であろうと、ダディは固唾を呑んで見守っている最中でございます。