タイトルについて
最初に『EE』の序論から始めます。『EE』全体を俯瞰しての総論から解説をしていきます。
補助的に「アインシュタイン・エレベータ」と題していますが、それに深い意味付けはありません。ただ単に『EE』がどんな言葉を略しているのかを示しただけです。ですから『EE』を読む時は、あらかじめに『アルバート・アインシュタイン』という尊大な学者が持つ様々なモノの「枠」をその思考から外してください。それがまず第一に行うことだろうと考えています。
確かに、書かれている第一の扉から第五の扉までのエピソードにおけるSF的ガジェットのオチや大まかな理論の筋は、相対論や量子論ではあるけれども、アインシュタインを踏襲したモノではありません。ダディ風に解釈した「相対論」や「量子論」であることをまずご理解いただきたいのです。
「それは変だ、おかしい、狂ってる」
「そりゃそうかもしれない、その通りだ」
いろいろなご意見があると思います。そこは甘んじて受け入れましょう。
ただ一つ言いたいことは、この『EE』はアインシュタインのことをメインに据えて書いたのではなく、五つの小説の「風合い」に相対論と量子論の「美味しいところ」を絡ませた短編集だということです。