オカルトサークル
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夢の正体とは?シャイニングヒル失踪事件の真相は?
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藍那の歓迎会に行くために佑介が津村の家に着いたとき、ちょうど藍那がやってきたところだった。
「お疲れ様です!先輩。」
元気に挨拶をする藍那におつかれ、と少しクールに返す。どれくらいの距離を保つべきなのか、先輩として難しい部分がある。もちろん仲良くはしたいのだが、変に悪い印象を与えるのも今後の生活を考えると怖い。
「あの、佑君って呼んでもいいですか...?」
あまりの衝撃に両手に抱えたお酒の入ったビニール袋を落としそうになった。どこまで積極的な女の子なんだ彼女は。
「も、もちろんだけど。一旦中に入ろっか。」
「やった!ありがとうございます!私のことは藍那って呼んでくださいね。」
走ってきた訳でもないのに、鼓動が少し速くなっているのを感じながら二人は津村の家へに入った。
中では既にサークルメンバーが全員集まっており、歓迎会の準備を進めていた。主催の津村、カップルの海翔と詩。そして後輩の秋月澪と遠藤紫音。それぞれが持ち寄ったお菓子を準備したり、食卓の片付けをしたりしながら二人の到着を待っていた。
「なんといっても今日の主役は藍那ちゃんですから。なんでも好きなもの食べて、楽しんでね。」
津村はそう言うと大きな鍋を食卓へと運んできた。今回の歓迎会は鍋パーティーだ。この会を通して少しでも後輩たちと仲良くなってくれるとありがたい。同期になるのは一年生の秋月澪と遠藤紫苑は特にだ。
「乾杯ー!」
準備が整ってそれぞれが好きなお酒を手に取り、歓迎会が始まる。最初はそれぞれの自己紹介から始まった。
「一年の山城藍那です!今回はあたたかく私を歓迎してくださり、ありがとうございます。これから宜しくお願いします!」
藍那が自分の興味のある分野や趣味について話す。きちんと話をしたことがなかった山野詩も同性の入会がよほど嬉しいのか楽しそうに会話に混ざった。春に入会した秋月や遠藤も同じように自己紹介し、少しずつお互いが打ち解け合う。佑介は盛り上がるサークルメンバーを少し外から見守っていた。そのときだった。
ーー続いてのニュースです。昨夜未明○○県××氏の大学生4人が行方不明となりました。
流れていたテレビからの突然の知らせに七人は固まる。空気ががらりと変わった。
なんとシャイニングヒルの近くで大学生が失踪したという事件だった。小さい子どもではなく、大の大人が四人も、突然に。次の瞬間、さらなる衝撃が彼らを襲った。
「え、ちょ、ちょっと待って...。美佳、嘘だよね...?!」
口を開いたのは詩だった。行方不明となった大学生の名前に見覚えがあったようだ。
「私の親友...なんで...嘘...」
先ほどまでの盛り上がりが嘘かのように辺りは静けさに包まれる。詩の親友とその友人であろうグループが遭難した事件のようである。その場所がシャイニングヒル失踪事件とかなり近い場所に位置していたことは佑介にも、そして藍那にも衝撃的だった。
「数日前までメッセージのやりとりをしていたはずなの...。大学で仲のいい友達ができたからみんなとシャイニングヒルへ出かけるって。みんなで花を見に行くって。」
シャイニングヒルのまわりは自然が豊かで、キャンプ以外の目的で訪れる人も少なくなかった。たくさんの種類の花が見つかっているが、雨に濡れると透明になるサンカヨウや白と黒のネモフィラなどレアなものも自然に咲くことがあるらしい。誰かが植えているのか、自然の奇跡なのかは分からないが、その神秘性がシャイニングヒルを特徴付ける一つの魅力でもあった。そんな素敵な場所でまたしても悲痛な出来事が起こってしまったのか。
「ごめんなさい、大丈夫。きっと美佳は大丈夫よね。気を取り直して歓迎会しましょ。」
「そういえば」藍那がぼそっとつぶやいた。
「そういえば佑君、最近夢はどうなんですか...?前の話、どうなったのかって思って。」
先輩に割り込んで話し出すくらい藍那も限界が来ていたのだろう。父が失踪した場所でまた新たに被害者が出た。このまま放置しておく訳にはいかない、という強い意志を彼女のまなざしから感じる。
「実は...」
佑介は昨晩体験した夢の話を全員に話した。無限に続く森の悪夢、リプレイス。藍那が佑君と呼んだことなどは誰も気にしていないかのように、オカルトサークルの皆は彼のファンタジックな話に釘付けになっていた。
「なあ、だから聞きたかったんだ。澪、なにか知っているんだろう。君が夢に出てきたのには何かしらの意味がある。僕にはそうとしか考えられない。」
澪は数秒黙り込んだあと、静寂を破った。
「分かりました、全てを話します。」
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