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ハワイアンレストラン

いつもの駅に降りて、自分の家とは反対にしばらく海沿いに歩く。そこに、ハワイアンレストランがある。

 バイトのシフトは、16時から20時まで。そこで、週4日ウェイターのバイトをしている。

土日は、その週の都合で入るようにしている。特に夏場は、サーファーとドライブの客が多いので、ほぼ毎週のように入る。それに、いつも賄が出るので食べ盛りの自分には、もってこいのバイトだ。

 さらに、ここは昔サーファーだった師匠の旦那さんがオーナー。

いつも波乗りの動画とハワイアンミュージックが流れているご機嫌な場所だった。

それに、サーフィンの話が、存分にできるのも気に入っている。

でも、生徒会に入るとバイトができなくなるかもしれない。

どうするかな?

バイトが終わったら、オーナーに相談してみるか?、頼りないけど。

今日は、平日なのにいつまでもお客さんが引けなかった。

ふと、時計を見ると後10分ぐらいで、9時になりそうだった。

オーナーが、いつものように賄を出してくれた。もこもこ丼だった。僕の大好物。バイト時間の超過分は、これでチャラかな。

「オーナー、ちょっと相談があるんですけど?」

「何?なんでも言って。」

「今日学校から、2学期になったら、生徒会に入らないか?って言われたんです。だけど、僕、このバイト辞めたくない。でも、生徒会に入らないと、ここのバイト辞めないといけないかもしれなくて。」

「ごめん。話が見えない。それって、学校の先生に生徒会に入るよう脅されたってこと?バイト申請の許可を盾に取って」

「まあ、そんな感じ。でも生徒会に入るのも嫌じゃないんだよね。」

「今まで、あまり同級生ともかかわったことがないから、もしかしたら、もっと学生生活を楽しめるかなって。サーフィンだけやっていられれば良いって思ってたけど、最近スランプだし。」

「サーフィン、スランプなのか?」

「この辺の海だと、もう楽しむのも限界かなって、思ってる。でもそんなこと言ったら、師匠に怒られそうだけど。」

「とりあえず、生徒会やってみたら。バイトの方は、できる範囲でいいから。君のお母さんとも、そういう約束だし。」

「もしもの時は、京香に手伝わせるから。」

「でも師匠、もうすぐ赤ちゃんが生まれるんでしょ?」

「あいつが店にいるだけで、お客さんがみんな、自分で料理を運んでくれるんだよ。地元のよしみで。」

「ああ、そんな感じありますね。先日来たお客さんも、セルフと間違えて、食べ終わった食器もってきてくれましたよね。じゃ、すみません。よろしくお願いします。」

 さすが、3代目レジェンド。

 そのまま、家に帰った。曾祖父母は、すでに眠ってしまっているようなので、静かに玄関を開けてウエットスーツとボードが土間にあることを確認して(曾祖父がいつも入れてくれるのだ)2階に上がり、宿題をして眠ることにした。

 翌日、5時に起きてまた海に入ってサーフィンをした。ただ、いつもと違うのは、早めにサーフィンを切り上げ、曾祖父母と朝飯を食べて、それから2学期から生徒会に入ることを伝えた。

曾祖父からは、「そうか。」とだけ、あっけない。

もしかしたら、僕が、他人にあまり興味が持てないのは、この曾祖父の遺伝子かもしれない。

筋肉質の体格も、どことなく似ているような気がする。

さっぱりしていて、物事にこだわらない。

いつも命をかけて働いてきた男は、こうでなくっちゃ。

でも、奥さんには、めちゃくちゃ優しい。

 いつも通り授業を受けてから、職員室の担任の田中先生のところに行って、生徒会に入る旨を伝えた。

「田中先生、俺、生徒会に入るよ。」

「ありがとう。で、ごめんね、2学期からって言ったけど、ちょっと今人数が足りなくて、今日から活動してもらえないかしら。」

「今日からですか?」

「何か予定あるなら、仕方ないけど。」

「バイトは、お店が定休日だからぢ丈夫だけど、できれば、海岸のごみ拾いをしようと思ってます。」

「あそこの海岸知ってる。綺麗よね。あなたのお父さんに、お見合いを邪魔されたところよ。」

と、笑顔で遠くを見るしぐさの田中先生。

「先生、なぜか楽しそうですね。お見合いの相手、嫌だったんじゃないですか?」

「そうね、それもあるけど、あなたのお父さんに口説かれたのよ。」

「はあ、そうですかあ。まあ、そんなこともあるかもしれないですね。」

「とりあえず、生徒会の方に顔を出すようにします。」

そう言ってから、僕は、職員室の前の廊下をさらに奥に進んで、体育館の方に向かって歩いて行った。


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