表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら魔王でした  作者: アブラゼミ
42/65

第四十二話「東の王国」

魔王の秘書になった娘が帰ってきた。


「初めまして。魔王国魔王と申します」


 魔王を連れて。

私は目の前の男を見て思う。

これが魔王? どう見ても普通の、それも並の人間にしか見えない。

妙な力は感じるが、とても人の上に立つタイプの人間には見えない。人の下で働くのには向いていそうだが…


「父上」


 私の思惑を見抜いたのか、クリスティーナがコホンと咳をする。

イカンイカン、今日は頼みがあってこの魔王を呼んだのだった。


「この度は我が所領にご足労いただき誠にありがとうございます魔王様」

「いえいえ、空飛ぶ船ですぐでしたから」


 魔王に言われ後ろに空飛ぶ船とやらを改めて見る。

大砲がついた巨大な戦艦が空を飛んで来た時は、この世の終わりかと思ったがクリスティーナが窓から顔を出して手を振っているのを見て魔王が来たのだと分かった。


「それで、ドラゴンの事ですが…」

「ええ、我が所領にドラゴンが現れたのは1週間前の事です」


 人前に滅多に現れないドラゴンが我が所領に現れたのは1週間前の事。

ドラゴンは畑を火の海に変え、作物を食い荒らし、我々に宝と金と生け贄を要求した。

その期限が今日だ。


「強欲なドラゴンらしいといえばドラゴンらしいのですが…ほとほと困りまして、魔王様にご連絡差し上げたという訳です」

「お任せください。ウチにドラゴン退治をした事ある者がいたので連れて参りました」

「お初にお目にかかります。我が名はミノタウロス・ミノケンティヌス・ハーゲンクロイツ・ボーデン。普段は大工をしておりまする。ミノさんとお呼び下され」


 魔王の後ろに控えていた、大きなマサカリを担いだミノタウロスが私の前に出てくる。

え? これが大工? むしろこっちが魔王なんじゃないの?

このミノタウロス、多分クリスティーナより強いよ?

ウチの娘も大概化け物だけど、こっちは相当な化け物だよ?


「早速ですがドラゴン退治に参りましょう。どこにいるんですか?」

「は、はい。こちらの畑があった場所に…」


私は魔王に言われ、地図を指さした。




******************************




「なんだ彼奴ですか」


ドラゴンを確認した途端、ミノタウロスがつまらなそうに言い捨てた。


「ミノさん、あのドラゴン知ってるの?」

「知ってるも何も、以前ミノタウロスの里に現れた奴ですな。我がコテンパンにして追い払いましたが」

「さっすがミノさん!」


 ミノタウロスの言葉に私は本当かよと思ったが、ミノタウロスの姿を確認した途端ドラゴンがビクッ!っと怯えた表情になったので本当らしい。

ドラゴンは翼を羽ばたかせ…


「『グラビティ』」


…逃げようとしたが魔王の重力の魔法により空を飛ぶ事ができなくなった。


「お主、以前ミノタウロスの里を荒らしたドラゴンだな」

「ひ、人違い……いえ、ドラゴン違いです」

「ウソを吐くでない!!!」

「ひいっ!? 申し訳ございません!!!」

「以前申したはずだぞ。もう悪さをするでないと」

「は、はい…」

「ならば何故人の里を荒らしておる!!!」

「ひいっ!? 申し訳ございません!!!」


 戦わずしてミノタウロスがドラゴンを屈服させる。

…どんだけ強いの、あのミノタウロス。

ドラゴンがまるで借りてきた猫みたいになっている。ここに来た時にはあんなに偉そうだったのに。


「魔王様、こやつは魔王国へ連れ帰りましょう」

「ひいっ!? ご勘弁を!!! これからは大人しくしますので!」

「お主に選ぶ権利はない!!!」

「ひいっ!? 申し訳ございません!!!」

「でもさミノさん、こいつ連れて帰るの大変じゃない? 空飛ぶ船にも入らないだろうし」

「小さくする魔法があるではないですか」

「ああ、そうだね。『ミニマム』!」


 魔王の魔法で、ドラゴンが手のひらサイズまで小さくなる。

哀れドラゴンは、鳥籠に入れられ小さくなった身体を更に小さくした。


「父上、一件落着ですな」

「あ、ああ…」


 クリスティーナに言われ、確かに一件落着だと安堵する。

そうだ、一件落着だ。すぐにこの里の住人に連絡し、焼けた畑で減った分の収入の補償をし、王国に報告もしないといけない。頭の中をこれからやる事が駆け巡る。

まさかこんなあっさり終わると思ってなかったから…


「父上」

「なんだいクリスティーナ?」

「魔王様にお礼を」

「あ、ああ……そうだな」

「300万ペトラほどでいいので」

「…お金取るの?」

「無償でやってもらえると思ったんですか?」

「いや、一応用意してたけどそんな額になるとは…」

「後払いでもいいので。それと手紙にも書いていた商売の取引についてもお話が」

「…」


 そしていつの間にか商魂たくましくなった娘の姿にめまいを覚える。

まあ、魔王に手籠めにされたいなんて夢を抱いているよりはマシ…


「それから今夜私と魔王様2人で泊まれる部屋を! 媚薬は用意してあるのでお酒を置いておいてください! テレポート防止の結界も館に張って!」


 …前言撤回。どうやらまだ諦めていないようだ。

ミノタウロスと何やら談笑している魔王を見る。

どう見てもただのいい人そうだ。手紙でやりとりしてた通りの人だ。

娘にかなり苦労させられてそうだけど…

さらに苦労をかけてしまいそうで申し訳ないけど、娘をもらってくれませんかね?

魔王軍幹部 特技


魔王 テレポート・柔道・お菓子作り

クリスティーナ 剣・楽器の演奏・ダンス・乗馬・利きワイン・商売

ミノさん 木彫り

マキシム 剣・水泳

ティル 魔法

ガーさん 石像のフリをする事

エリザベス 手先の器用さが求められる事・えっちな事

ハカセ 力仕事

クロカゲ 誰かに化ける事

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ