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異世界転生したら魔王でした  作者: アブラゼミ
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第一話「魔王、誕生」

 異世界転生したら魔王だった。

いや、最初から魔王というわけではなかったが。

色々あって、この転生した世界で俺は魔王になってしまった。

その色々あったこれまでの人生をざっくり3行でまとめると


①魔法使いの少年(俺)が試練に挑み失敗、闇落ちする。

②死にかけていた少年(俺)を闇の世界の王が助け、力を与える代わりに世界征服を命じる。

③少年(俺)は、魔王になった(♪てってれー)


 ・・・という感じだ。

色々すっ飛ばしている所は、これからおいおい明らかになるだろう。

魔王になった俺は大陸の端に放置されていた廃城をリフォームし、魔族やモンスターなどを仲間にして魔王軍を作り、冒険者や勇者や身内に命を狙われたりしつつ、闇の世界の王に命じられている世界征服に日々勤しんでいた。


「・・・疲れた、超疲れた」


 前世でもブラック企業の社員として、日々長時間労働と上司の無茶ブリやパワハラ、出来の悪い部下のミスのカバーに追われ毎日すり減って過労死したのに、せっかく転生した異世界でも似たような毎日を送る羽目になり、どうしてこうなった?という気分だ。何もかも投げ出したい。ていうか世界征服なんて無理ゲーだ無理ゲー!


「魔王様、失礼します」


 執務室でグデっと伏せている所に、秘書のクリスティーナが入って来る。


「なんだクリスティーナ。仕事か? トラブルか? 仕事か?」

「お仕事が2回入っています魔王様。ご安心ください。本日の魔王軍の活動は全て無事終了しました。お仕事はもうございません」

「ああ、そうか…」


 有能な秘書であるクリスティーナのお仕事終了の報告に安堵の息を吐く。

このクリスティーナはとある国の貴族の放蕩娘で、魔王城に1人でここに乗り込んできて捕まり、「くっころ!」と言っていたが色々あって俺の秘書をしている。その色々の部分は今後明らかになるだろう。

んんーっと伸びをしていると、傍らにそっと寄ったクリスティーナが何かを差し出して来る。


「お疲れのようですね、魔王様。クリスティーナ特製ドリンクなどいかがでしょうか」

「普通のハイポーションを頼む」

「クリスティーナ特製ドリンクはいかがでしょうか」

「普通のハイポーションを頼む!!!」


 怪しげな液体を差し出して来るクリスティーナから距離を取る。


「何入れてるのそれ!? どうやったらそんな禍々しい色になるの!?」

「大丈夫です、普通の果物とか野菜とかです」

「いや変な物入れてるよね!? いかがわしい匂いがするんだけど!」

「失礼ですね、媚薬なんていれてませんよ」

「・・・」

「媚薬なんて入れてませんよ?」

「・・・」


 そしてクリスティーナは、俺の貞操を狙い結婚を迫って来る危険人物である。

なぜそんな彼女を追い出せないのかというと、それはまた別のお話。


「そおおおい!」

「ちょっ!? 魔王様!? そんな、強引に・・・んぐううううっ!?」


 ガタンバタン。トクトクトク、ゴクリ、ギイ、パタン、カチン。

俺はクリスティーナを押さえつけ、その口に得体のしれない液体を流し込み、背中を押して部屋から追い出し内側から鍵を掛けた。

クリスティーナはしばらく俺の部屋の前でドアを開けようと粘っていたが、ハアハア言いながら自分の部屋へと引っ込んでいった。


その夜、クリスティーナが自室のベッドで1人遊びする物音と激しい喘ぎ声が聞こえてきたとか聞こえてこなかったとか。

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