本当にあるかも知れない?怖い話【公臭電話】
とある人との会話より、生まれた短編小説です。
またもや突貫です、はい。
(いや、もうちょっと練る事が出来るんですが、本編じゃないんで……(言い訳))
初めてのホラー路線……難しい……
温かい目で見てください。
それではどうぞ。
上野つかさは、とある会社に勤めている普通の会社員。
ある日の夜、同僚達と一緒に居酒屋で呑んでいた。
「そうだ、つかさ。お前、『公臭電話』っての知ってるか。」
同僚の一人が言う。
「………公臭電話?知らんなぁ。」
「どうしてそんな話を?」
他の同僚が口を挟む。
「知らない誰かの匂いを嗅げるっていうの、一定の需要があるみたいなんだ。それを見込んで作った、と記事で見たことあるぞ。」
「へぇ……。」
▪▪▪
それから1週間後。
つかさは、市街を離れ郊外へと赴いていた。
「ここか……?公臭電話……。」
あの話を聞いてから、ずっと気になっていて……探し回ってやっと見つけた。
「と、とりあえず中に入ろう……。」
中は公衆電話のボックスより、少し広いかな。
電話……?かな。あと、ボタンが幾つかある。
性別、年齢層とか書いている。
どうやら、実際の人物の匂いが嗅げるみたいだが……
「………まずは、これと……これ。」
恐る恐る、ボタンを押し、お金を入れて、受話器を模したものを持つ。
「……あ、少し好きかも。他のも試そうかな。」
そこから、もう手は止まらなかった。
(………あれ、俺、いつの間に……)
どれくらいの時間が経ったのだろう。
意識が遠退いていく。
(分からないな……でも、手が止まらない……)
▪▪▪
『………こちら、◦◦市◦◦町のNo.12のボックスです。』
「人、居ましたかね。」
『……ええ。こらぁ、今回のは厄介ですな。』
「分かった。もう何人かそちらへ向かわせるから、そのままにしといてくれ。」
『了解。』
▪▪▪
………あそこの廃墟の一角にあるボックス、また人が倒れたみたいよ。
ええ?また?
誰がなんの為に置いたのか分からないけど、撤去して貰いたいわ。傍迷惑よ。
確かにねぇ。
誰かの匂いだなんて、そんなもの、嗅ぎたく無いわよ……
そうよねぇ、本当にそう。
▪▪▪
気が失う位の匂い……貴方は嗅いでみたいとは……?