アメリカ統合参謀本部設立の経緯
前回、統合軍設立の経緯をさらっとお話しましたが、
アメリカ統合参謀本部設立の経緯も大体同じです。
第二次世界大戦中は、アメリカ陸軍省とアメリカ海軍省という組織が別々にあり、
海軍は海軍作戦部長、陸軍は陸軍参謀総長がそれぞればらばらに管理していました。
前回も書きましたが、アメリカ軍最高司令官は大統領です。
戦争の大方針は大統領が決めますが、細かい範囲になればなるほど、
陸軍と海軍で意見が合わなくなります。
この陸海空軍間の調整を担う組織の原型は第二次大戦前からありましたが、
それを制度化したものが統合参謀本部です。
陸軍省、海軍省という新しい組織が出てきましたが、本編と関係ありませんので
この解説も今後機会があれば行います。
ちなみに第二次世界大戦中、アメリカ空軍は存在しません。
陸軍航空隊として活動していた部隊が、戦後空軍として独立しました。
B-29で日本を焼け野原にしたのもアメリカ陸軍航空隊です。
空母艦載機を含めた海軍機は海軍の管轄であり、この点は現在も同じです。
統合参謀本部は、あくまで大統領に軍事作戦に関する助言を行う組織です。
では実際の作戦命令はどういうルートで出されるかというと、
大統領→国防長官→前回解説した各統合軍司令官というルートになります。