第7話 領地の見回り
(4日目)
3日目は ドラ君とおしゃべりしているうちにすぎた。
そして本日4日目、いよいよ我が領地の見回りである。
広域探査魔法で領地内に人がいないのは確認済みだが、死体その他の処理が必要だから。
ドラ君の背に載っていざ出発!
まずは リンド国方面:領地西部
待避期間に余裕を持たせておいたので誰もいなかった。
ドラ君によると、北部森林方面にも昨日の段階で人はいなかったということ。
念のため北方を警戒しつつ東方デッド方面の境界の視察に赴く。
ドラゴンに乗り高速で移動しながら、深部探査魔法と視界拡張を使って地表及び地中を確認するのは神経を使う。
案の定、東部草原に死体を発見。
我が領地にこっそりと作ってあった隠れ家の前で死んでいました。強欲父とその兄弟達が。
実は彼らが、我が領土内に潜んで我が屋敷に襲撃をかけるであろうことを予測し、修道院設立宣言をした直後に、私が生まれる前に作られていた彼らの隠れ家を探し出し、封鎖しておいたのです。
それゆえ 当ての外れた強欲男たちは 待避期限切れと同時に昇天することに。
以前述べたように、我が領土から3日以内に退避するなら、館の西側リンド国に行く以外の選択肢はなかったのです。たとえ全員が馬に乗っていたとしても。
それ以外の方角に進路をとる者は皆、我が領土に潜みて我を害する意図を持つ者なり。なーんてね。
とりあえず野蛮なふるまいとは重々承知で、不埒な強欲男達の成れの果ては、我が領土の東の境界線に 逆さづりにしてぶら下げておくことにした。
古典的警告です。結界の中に入るべからずと。
馬達はドラゴンに怯えて逃げ出したが、念話で呼び寄せ ベルフラワー内で草を食べながら待っているように言い聞かせた。
さて 南側:海辺も確認しなくては。
こちらは、植物の生育もよいので、空からの視認が少しむつかしい。
「ドラちゃん ここまでありがとう。これから私は騎馬での旅です。」
「そのことなんだけどね、北の森のフェンリルの中から君を手伝ってくれる人を見つけたんだ。
フェンリルの方が馬より速いよ。」
「いつの間に。よくみつかったわね。 すごい!」
「あらゆるつてをたどって念話をとばしまくってね、南の海で遊びたいってやつを見つけたんだ。今から呼ぶね」