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ベルフラワー最初の一年:尼僧院長の憂鬱  作者: 木苺
第一部 始まりの時  第1章 ♡勢いで宣言しちゃいました♡
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第5話 持ち運べる一人暮らしの家♫ができたよ♡

(2日目)

・早朝目が覚めたが2度寝した。


3日かけて結界をゆっくりと広げるなどという面倒なことをしているので体がだるいのだ。


 うーん 情けなどかけずに一気に結界を拡げて 鬱陶しい連中を一思いに消し去ればよかったかな? いやいや殺生は、優しかった母や祖父母の好むところではないのでやめておこう。私個人は、そんな考え甘すぎると思うのだけど。


 だって王宮で生まれ育った祖父母や母と違って、私は獣のような連中の下でたった一人身を潜め、息をすることすら気を使って生きてきたのだもの。

「人の優しさ・倫理観」とは、母の言葉と本の中にだけあるもの。私とは完全に無縁の世界のものでしかない。


母は結婚前はたぶん優しい少女だったのだろうけど、私が知っている母の姿は、父の暴力に怯えつつ、私に対しては父への憎悪をぶつけて来るだけの人であった。ただ なぜ私に暴力をふるうのかを、母の観点から事細かに説明しながら暴力ををふるい、気持ちが納まったら、自分としてはこうこうしたかったのだけどかくかくの思いゆえ暴力をふるう気持ちを抑えられなかったのだから、あなたは私を許すべきだととうとうと説明する人であった。


ゆえに 優しい人も 己の心に負ければ残酷な仕打ちを平気で行うものだと言うことはよく知っている。

そして利己的な人は、人を支配するためにも、己の憂さ晴らしのためにも、とにかく暴力をふるうことにより満足を得るのだと言うことも 父を通してこの身でしっかりと学びました。


 だから私としては、悪人は存在するだけで罪=成敗すべき という考え方であるが、それでも万人の心に善性がやどることも否定しえないから、何人にも一度は猶予なりチャンスなりをあたえるべきだという観点から、暴虐な輩にも、退避のための3日間の猶予を与えたわけ。


 そして父の一族や配下の者のふるまい=私に対する仕打ちから、愚かな悪人というものは、力で制裁を与えぬ相手は「タダの弱者=自分が暴力をふるって憂さ晴らしをしてよい相手」としか考えぬ輩だと言うこともよくよく知り抜いているからこそ、こちらの勧告に逆らった場合は情け容赦なく消す必要があるのだということもしっかりと理解したわけだ。(ほんとは そんな理解をしたくなかったけど)



・朝ごはんは マジックバックに保存していたパンとチーズにハム・レタス。

 飲み物は 昨夜熱いまま保管しておいた紅茶。


・さてと 今日はとりあえず「住処じゅうきょ」をととのえよう。


 うーん 最初から大人数が住む「修道院」の建築にかかろうか?

 それとも 私が住む 快適空間から作ろうか??


最初は国境周りの関所のようなものを作りにでかけないといけないだろうから、まずは マジックバックの中に出し入れできる「家」を作ろう。


・家に必要なものは?

  おふろ: 浴槽とシャワー 洗い場


  洗面室兼洗濯干し場:せっかくだから私専用「全自動洗濯機」を作ろう

 今までシャワーや洗濯機の設計図だけは頭の中で作ってしまっていたのだけど、完成品を外に出すといろいろ面倒ごとになりそうだからと隠していたのよねぇー。


でも これからは誰はばかることもない一人暮らし。

助けてくれる人もいない代わりに、人目を気にする必要もないなら自分の家で暮らせるから、欲しい設備は遠慮なく作っちゃえー


 動力は改良魔石でOK 

 改良魔石というのは、魔物からとれた魔石を改良して、何度でも魔力をチャージできるようにしたもの。もちろん私が独自開発した技術でほかの人には知られていない。


(えっ なんでそんなことができるって?

それはもうひらめきってやつです。

人目につかぬ場所を選んで、一人で考え事をする分には自由だからねぇ。

物心ついたときから私は、人目を避けて一人で過ごすことを第一優先として生きてきたのです。だって育った環境があれでしたから。

言い換えるなら 場所さえ選べば 考える時間はふんだんにあったわけ。形にする場所は全くなかったけど。)


・台所の燃料は・・・やはりマキですね。

炭を自作するのは手間がかかる。なにしろ炭焼きは徹夜仕事だから。

炭や練炭を買いに街に出るのはリスクが高い。

ならば 集めたマキをアイテムボックスに保管して使うのが、一番安全だろう。


何故、魔法や改良魔石を熱源としないか?

 1日3度の調理に使うエネルギー量が多いのと、魔石から電気エネルギーを取り出すのは簡単だが、

 炎を出すのは魔力を使うので、敵に囲まれた生活では、魔力を節約したいからだ。


 それに生活魔法は便利だけど 人前で使って嫉妬されるのもめんどうだから、普段からマキの扱いに慣れておきたいというのもある。

 個人的には 香りのよいマキを使って料理をするのが好きというのもある。


 気分的に余裕ができたら、IHとか電子レンジとかも作ってみたいが、今はそんなことに魔力を使いたくはない。


でも、お風呂のお湯とシャワーは、手軽さと快適さを優先して、魔法と改良魔石を使おう♡


そして日中忘れがちな寝室・寝具

 これは一段落してから、リンドの街でベッド類を買い込んでから考えよう。

 今はまだ 清潔で静かな暗い部屋があればそれでいい。寝袋使用でかまわない。



・わーい 水回りの部屋ができたぞー


  小型の洗濯機もうまく回っている。

  シーツ類を使うようになったら 拡大魔法で大型化して魔石を大きなものにとりかえよう。


・台所には、オープン付き調理用のかまどをしつらえた。

 冬には暖房も兼ねるぞ♬


 夏は窓をあけてすがすがしい風を呼び込めるように 煙突の配置もちゃんと考えた。

 煙突が低すぎたり、窓の近くだと、開けた窓から、排出した煙が再び入ってくるからね。


・とりあえず マジックバックに出し入れして運べるマイホームができた♬





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