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ベルフラワー最初の一年:尼僧院長の憂鬱  作者: 木苺
第3章 仲間を募る♬
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第46話 飲み比べ

8月22日

(マリアの日記より)


今朝はライトと二人で乳しぼりをした。


昨日ドワーリンさんに搾り方を教えてもらったばかりだからドキドキした。


牛小屋に行くと、牛部屋と牛の首に名札がかかっていた。「ホルス」

その隣が「スタイン」


「まるでしりとりみたいな名前だな」とライトが言った。


小牛にも「ホルスの子」「スタインの子」と名札がかかっていた。


「小牛にも 名前を付けた方がいいんじゃない?」


「うーん クローバー?」ライトが花の名前を選ぶとは意外だった。


「なら ホルスの子はクローバーにして、スタインの子はカズラにしたら?」


「いいね。かずらって 牛小屋のそばに植えられたノウセンカズラからとったんだろう?」


「そうよ。」ライトは、ちゃんとわかってくれたとうれしかった。


「じゃ 朝食の時に提案してみろよ。」


ライトがホルスの頭をなでながら、話していたので、ホルスはすっかりくつろいだ様子だった。


牛の部屋は広めにとってあったので、そのまま中に入って、乳を搾った。

ドワーフ製の丸椅子は軽くて座り心地が良く、使いやすい。


 搾り終えた乳桶(ちちおけ)は、牛の部屋の横の物置き場に持って行った、


 そして新しい桶を持ってもどってくると、ライトはスタインの頭をなでていた。


「今度は 俺にしぼらせてくれるかい?」とライトが尋ねた。


 あの質問は 私になのかスタインに向かって言ったのかよくわからなかったけど

「いいわ」と私は答えた。


私がそっとスタインの頭に手を乗せたときには ライトがスタインの乳をしぼり始めていた。


乳しぼりを終えたライトは、乳桶をさげて「ありがとよ」とスタインに声をかけてから出てきた。



牛小屋の扉をしっかりと閉めたあと、二人で乳桶を食堂に運んだ。


リン様が食堂の北側にも新しい出入り口を作って、扉をあけて、手を振っていた。

 これからはそこを通って乳桶を運びこむのだ。

 リン様は 本当に気が利いている。


「マメな人だなぁ。気が付いたらすぐに動いて具合よくしてくれる。ほんとに気遣いのすごい人だ」とライトが言った。


ライトは自分が持っていた桶をリン様に手渡すと、「牛小屋の掃除に行ってきます」と出て行った。私には「うまい朝飯を頼むな」と言って。


リン様は食堂に入るとすぐに桶をおろし、いたずらっぽい笑顔で、「今日は牛乳の飲み比べをやる?」と尋ねてきた。


 そういえば、昨日は、ライトが「ホルスとスタインで乳の味が違うのかな?」とか言っていた。あの時は2頭の牛がどっちがどっちだかわからなくて、そのままだったのだけど


「今朝は 牛に名札が付いていたから、こっちがホルス そちらがスタインです」と私が答えた。


リン様は笑って「ゆうべ ドワーリンが牛小屋に名札を持って入って行くのを見たわ」と言った。そして「飲み比べができるようにと、グラスまで追加してくれたから、今から用意するね」と。


「えぇ どうやって?」と思わず聞き返してしまった。


「こうやって」と言いながら 一つのテーブルにスタインと書いた紙を置いた。


そこには新しいコップが人数分そろっていた。そのコップに、スタインの乳を注いでいく。


そして別のテーブルにはホルスと書いた紙を置き、私を手招きした。


「今からコップを持ってくるから ホルスの乳を入れてここに置いてね。

 お玉はスタインの時とは別のこれを使ってね」と差し出してきた。


そして食器棚からいつものグラスを運んでくる。


もしかしてドワーリンさんもリン様もライトと同じノリなのかしら?


飲み比べの結果は・・あまり2頭の牛の乳の味に違いがなかったような気がする。


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