第298話 館の2階
館の東側、食料倉庫などの上に2階をしつらえた。
実質西向きのベランダになるのは夏の暑さ対策としてどうかなと思ったが
他に談話室を設置するスペースがなかったので致し方なくだ。
既にいろいろな建設が終わった修道院内の地盤に影響が及ぶような土魔法を使うのが嫌だったので、空間倉庫に保管してあった壁用素材を使って、土魔法による建て増しをした。
開き直って3階建てにした。
館全体が南向きなので コカトリスエリアが1日中日陰になる心配はなかろう。
3階建てにしたのは 将来蔵書が増えたときのことも考えて3階を書庫
2階を 南側談話スペース、北側図書室にするためである。
2階の建物部分にそって、西側にはパーゴラを設置する予定
来年は 根張りの浅いつる植物を植えるか それがむつかしいなら屋根を葺いて差し掛けのようにできればと思う。
・・・
できたての図書室で 朗読会を開いた。
選んだ作品は「ギルガメシュ物語」
異世界の神話を基にした絵本をなぜフェンが持っていたのかは問うまい。
神獣だから その辺何でもありなんだろうと思うことにした。
(要約)
神が人間達の中に送ったギルガメシュ
強く何でも持っていたが、人間達の中に居ても人間の友達だけは持っていなかったギルガメシュはやがて気難しく残酷になっていった。
そこで神は 今度は森の中にエンキドゥを送った。
彼もまた強い人間であった。
動物の中で暮らしたので人間のやさしさは知らないが、動物たちと心を通わせ優しい男に育った。
やがてエンキドゥはシャマトという美しく心の清らかな素晴らしい歌い手と出会う
シャマトはエンキドゥに人間の言葉と歌うことを教え、二人は愛し合うようになる
エンキドゥはシャマトからギルガメシュが人々を苦しめていることを聞き、ギルガメシュの命令で森の動物たちが狩人に襲われたこともあって、ギルガメシュに勝負を挑みに行った。
城壁の上で戦う二人は同じ強さなので決着がつかなかったが、とうとうギルガメシュは足を滑らせ、城壁から落ちかけたところをエンキドゥが助けた。
そのことにより ギルガメシュは人間のやさしさを知り、二人は友となった。
エンキドゥとシャマトという二人の友を得たギルガメシュは 優しさを知り良き王となった。
そこに襲ってきたのがフンババ。
フンババに襲われてシャマトは死亡
ギルガメシュはシャマトの敵討ちにフンババを討伐
その時ギルガメシュを助けたのだから自分の夫になれと言いに来たのが女神イシュタール。
友と共に我が都・我が民と共にあるのが私の幸せと言って女神の求婚を断ったギルガメシュ
イシュタールは怒ってエンキドゥを殺してしまう。
ギルガメシュがエンキドゥの墓に跪いていると、鳥になったシャマトがエンキドゥの魂を迎えにきて黄泉の国につれていってしまう。
ギルガメシュはこの世でどれほどの幸せを得ても 最後は死が奪い去っていくことを悲しみ、死を滅ぼそうと黄泉の国を求めて旅に出る
その旅はつらく 多くの者に助けられはしたが 結局失意の旅であった。
しかし最後にエンキドゥの魂に導かれ、故郷に戻り 自分の王国の豊かさと美しさを知り誇りと幸せを得る
「ギルガメシュよ ここに君の求めた永遠の命がある。君が築いたウルクの都 君が示した勇気 君がしてきた様々な良いこと。きみは 人々の心の中に永遠に生き続ける」
エンキドゥの魂がギルガメシュに告げた。
(参考)
ルドミラ・ゼーマン文・絵
松野正子訳
岩波書店
「ギルガメシュ王ものががたり」1993年初版
「ギルガメシュ王のたたかい」1994年初版
「ギルガメシュ王さいごの旅」1995年初版
(おまけ)
要約ではかなり飛ばしましたが この物語には ノアの箱舟・パンドラの箱・イザナギ・イザナミなどの原型であろうと思われる物語も含まれており 世界最古の物語とよばれるにふさわしいだけの含蓄と抒情性のある物語です
大判絵本ですので友達と一緒に寄り添って読んだリ 交互に朗読して楽しむこともできます。
小学校高学年男子にも 人気の作品でありました。(戦記物だったからかなぁ)
ページが楔形文字で縁取られ 細部まで描き込まれた絵ですので、本好きの女の子やイラストを描くのが好きな女子にも好評だったこの絵本
大人にも子供にもぜひ手に取っていただけたらと思います。




