-始まりの物語-
初心者の作品になります。
僕の名前は年月 暦未、血液型はA型、好きな言葉は、結果よければ全て良し。性別は男だ。だからといって産まれもっての男ではない。僕の世界では男になりたかったら男になれ、女になりたかったら女になれる。変わった世界……なのかは知らないが、大昔の書物によると大昔は性別は決められて産まれてきた。と書いてあった。だから、僕は変わった世界だと思っている。その書物にはこう書いてあった、世界の始まりはアダムとイブの神話、アダムとイブは蛇に甘い言葉を囁かれ食べてはいけないとずっと神に教えられてきたにも関わらず、欲から林檎を手にとり食べたと書かれてあった。それでアダムとイブは羞恥心などを覚え自分等の裸を恥じて葉っぱで隠した。と書かれてあった。
というのもあり、大昔の人は皆、性別が決まってた。と考える人も多いが大昔のことなので誰も真実を知らない、あまり深く考える人もいない。自分たちが実現して住んでいる世界に疑問を抱く人なんてそうそういない。疑問を抱くことがあれば、ふとした時にどうして僕は産まれてきたんだろう?どうしてこの世界はあるんだろう?どこに存在していてどういう風に作られたのか。どうして人の心は読めないのか、どうして僕は物事を考えるのか。まぁここまで思う人は少ないとは思うし僕以外いないかもしれない。僕の生きている世界はお気楽な人が多いのもあり毎日がパーティーみたいなもんだ。でも僕は違う。これらの事を毎日考えこれ以上のことも考える。どうして人は言葉を喋れるのか、どうして人は感情があり傷つくのか、傷つけあうのか。何故こんなにも愚かなのか…。失礼、話がずれましたね。これらの感情の事は書物にも書かれているがどれも人が考えたそれぞれの意見に過ぎない。ただ、僕はその書物に書かれた意見に賛同する。なので、僕の中で書物に書かれてあることは全て真実だと思っている。その話は置いといて、どうして僕たちは自分の性別を自分で決められるようになったのかはわからない。誰も本に残していないからだ。僕たちの世界では、産まれてきてから5歳までは皆、男でも女でもなく唯一無二の存在なのだ。5歳になって初めて性別ができる。どういう風に出来るのかと言うと、簡単だ。自分の好きな物、なりたいもの、したい髪型、好きな遊び。などから自分がどっちの性別になりたいか選べるのだ。便利な世界だ。簡単な話、可愛いものが好きで可愛いに包まれたければ女になればいいし、カッコイイものが好きでカッコよくなりたいのなら男になればいい。僕はどちらかと言うと子どもの時から趣味も読書でインドア、他に好きなものも特になく男でも女でもよかったが、可愛いものは好まなかった為、男になった。ただそれだけの理由だ。こんな性別に優しい世界だから、女になりたかったのに、男になりたかったのに。と悩む人は1人もいない。そう考えるとすごく優しくいい世界の様にも思える。こんな冴えない僕にも一つだけ夢がある。その夢はこの世界のことを知ること、僕は知りたい、世界の常識が変わったこの世界の真実を、人は何故産まれもっての性じゃなく自分で選択できるようになったのか、そもそも本当に大昔は産まれもっての性別があったのか、僕は知りたい。これが僕が死ぬまでに絶対に知りたい、叶えたい唯一の夢である。
そんな僕は人と関わるのが苦手だ。だから好んで今までずっと1人で日陰の道を歩いてきた。だからと言って人が嫌いな訳では断じてない。僕は知りたいからだ。世界の常識が変わったこの世界の真実を、人は何故産まれもっての性じゃなく自分で選択できるようになったのか、そもそも本当に大昔は産まれもっての性別があったのか、そこが1番大事なのだが真実はわからない。だから僕は知りたい。これが僕の唯一の夢だ…。こんな僕の将来の夢は小説家になることだ。恋愛小説でも推理小説でもなく、この世界の真実を見つけて本という形に残して、未来栄光に語り継ぐ。それが僕の夢だ…。この世界の歴史を僕が見つけだし、僕が書く、そして僕の手で創り出す。これが僕の誰にも打ち明けたことのない夢、絶対に叶えたい夢である。書物は嘘をつかない。真実のみが書かれている、文字だけでも伝わってくるその時の風景やその人の感情、それを感じながら読み進めている、まるで時間が止まったかのようにその人の世界観に入り込める。その時間が僕の1番幸せに感じる時間である。僕もいつかこの世界の真実を見つけ、皆にその書物を読んでもらい僕が調べた真実、伝えたい言葉、感情を汲み取れる語彙力をみにつけ絶対に本を出してやる。その本を全世界に発信し、どうしてこの世界から生まれ持っての性別が消えたのか、それは良かったことなのかいけないことなのかを考えて欲しい。僕が書物を読み出したのは僕が10歳の時であるそれから9年間毎日、本を読んでいる、読みやすい本から何日かかっても読み切れない難しい本まで色んな種類の本がある。僕がそれ等の本を読むきっかけになったのは亡くなった祖父が残した書斎にある大量の書物である。最初は全く興味がなかったが祖父は書物マニアなだけあってすごい数の書物を持っていた。その数は千は余裕で越えて2.3千は余裕であるんじゃないかと思う。子どもの僕からしたらすごい迫力で感動したのを今でも賢明に覚えているし、今となってもここまで集めた祖父はすごい人だと尊敬さえしている。僕の家は他の家庭より少しお金持ちなのもありこんなに本があるのかもしれない。それに祖父は生きている全ての時間を本に捧いでいたらしくそれに対し書斎から微塵も出てこないと祖母が呆れていたと僕の母が言っていた。今となっては祖母もこの世にはいないがあっちの世界でも仲良く暮らしてくれてたらいいなと思う。そんな祖父の血を受け継いだからなのか僕も徐々に本が好きになり、今では1日を通して10冊以上読むこともあり、気づけば明け方、寝落ちしていることも多々ある。ブランケットを肩に掛けてくれる優しい母には感謝しており大好きな母親である。そんな僕が今まで読んだ何百冊の書物で1番好きな本の名前が始まりの物語。これがそう、最初に話たアダムとイブの神話である。これを書いている先生は月光花先生と言う人だ。僕はこの先生を尊敬しており、僕も将来この先生のような素晴らしい先生になりたい。しかもこのアダムとイブ童話には仮説ありと書かれてあった。その仮説は探しても見当たらなかったがもしかするとどこかに存在するのかも知れない。もしかしたらまだ読んでいない本をちゃんと読んでみるとその答えが書いてあるのかも知れない。そう信じて、僕はその話を信じている。
こんな日陰の道を歩いてきた僕が世界を変えたいと思ったきっかけになった出来事なのだが、これはまだ僕が小学生の頃学校の授業で、名前の由来をお父さんお母さんに聞いてきて下さいと言う授業があった、僕の名前は父でも母でもなく祖父が付けてくれたらしい、年月家の家系は名前の通り年月、つまり年月日の規則を決めた家系らしく。由緒ある家系である。あまり詳しいことは当時の僕には難しく今となっても聞くタイミングもないので聞いていない。ただ、覚えているのはうるう年のクラスメイトにどうして僕の誕生日は4年に1回しかこないんだ。と切れられたことがあるが、そんなこと僕が知るわけもない。話はずれたが、この由緒ある苗字とあった名前を付けたかったらしく、僕の名前は暦未になった。暦未の暦はカレンダーの暦のことで、暦未の未は未来から来ているらしい。意味は未来を生きて欲しい。という意味らしい。その時は、ふーん。としか思っていなかったが、今になってわかる気がする。祖父はもしかしたら僕がこういう風な性格になるのを見据えていて僕に未来を変えて欲しい。つまり新しい未来の世界を生きて欲しいと伝えたかったのかな。と、多少都合のいい風に僕が勝手にそう捉えている。もしかしたら祖父も生まれ持っての性別のことを考えていたのかも知れない。読書が好きな祖父の書斎にあった、始まりの物語を読んだのなら絶対に僕の祖父ならその事を考えるはずだから、僕はそう思っている。この暦未と言う名前もすごく気に入っていて、祖父には感謝しても仕切れないぐらいだ。こういう話に興味を持つ僕はSFみたいな少し不思議な誰も想像しない様なことを考えるのが好きだったというのもあり今の僕に至る。今僕が語ったことが僕の過去。僕がこの世界の真実を知りたいと思ったきっかけである。
この19歳の僕から月日が4年たち今日僕は23歳になった。23歳になった僕に母が誕生日プレゼントと1冊の古びた本をくれた。この本は母が言うには、祖父からの最後の贈り物出そうだ。本当は20歳の誕生日、つまり成人したら渡してくれ。と、祖父に頼まれていたらしいが、母は何故か渡したくなかったらしく4年経ってしまった。と申し訳なさそうに苦笑いを浮かべており、少し手が震えていた。そんな母の表情は初めて見たが、僕には1つ疑問が浮かんだ。だが、聞ける雰囲気でもなかったので、一言ありがとう。と言い書斎に入った。本を裏返し表紙を見ると、 -真実の物語-月光花 と書かれてあった。僕は驚いた、あまりに驚きすぎて思わず手から本を落としかけた。ギリギリのところで落とすのを食い止めた。この本はもしかしたら、この世界のことが書かれているのか?この世界の真実?始まりの物語を書いている月光花先生の本。真実の物語。頭の中を色々な思考でいっぱいになった。震える手を必死に抑え、本を開き少し読んでみると、僕の予感は的中したことにすぐに気づく。これは紛れもない始まりの物語の続きの真実の物語であった…。僕は愕然とした。