カレーは後で
二人は初登校に色々な事をやった。
一つは、理科の実験でフラスコを落とした。
二つは、ハゲを気にしている先生に蒼莉「うわー、ハゲてる(笑)」と馬鹿でかい声で言った。あとで、僕はその先生に「二人の指導はどうなってる!!」と職員室で怒鳴られた。僕が、言ったわけではないのに。
とまあこんな風に言い出したらきりがないので、ここら辺でやめにしておこう。
「ねぇ、なんで学校に来るの?家でのんびりしててよ。こっちの心臓が縮むから」
「?そんなん、私関係ないしー。自由だしー」
「かすだな」
貞子のセリフに電気神がつっこむ。
僕は、そのセリフをそっくりそのまま電気神にも言いたかったが、つっこむとさらにめんどくさそうになるので黙る。
「いやいや。お前にだけは、かすっていわれたくないわー」
「くず」
こんなやり取りを家の中で何度も繰り返す。よく飽きないなと僕は思いながら、晩御飯の準備をする。
「はーい。ふたりとも…って、あああーーーーっ!!!!」
僕は、二人にご飯ができたと言いに行こうと思ったがこの有様…。
僕の目に映っているのは、室内にある植物の植木鉢の破片。写真のガラスの破片。クッションに詰まっていたであろう羽。…などなど…。
「お、ごはんができたか。では、いただぁきまぁーす」
開いた口が塞がらない状態の僕をスルーし、電気神はカレーを食べようとした。
「おい、自称神。何があったァ?」
蒼莉は思った。悠芽さん激おこモードだわやっべと。
「ふひっ!じじじ、自称神とはなんだ!我はれっきとした、で・ん・き・が・み!」
「お前の素性を見ると、最初の紳士さはどこに言ったのかって、言いたくなる…」
「あっ、おい。次郎の孫よ。この哀れな貞子にお恵みを」
うつ伏せになっている蒼莉が、僕の足をしっかり掴みそう言った。
「え、やだよ。こんな有様になってしまった部屋を元通りにしてくれるなら別だけど」
二人のカレーを冷凍庫に入れ、ひーと叫んで買い物やら片付けをしている電気神と蒼莉をよそに僕はカレーを食べた。