ゆうちゃん
「え、えええええ!!!??」
僕は思わず素っ頓狂な声で叫ぶ。
「あ、ああ。貴方、何か勘違いしてるねー?付き合ってって言うのは、好きとかそう言う事じゃなくて、買い物に付き合ってって意味」
「ああ。なんだ」
「一気に対応が変わったね。まあ良いや」
「プレゼント?」
「うん。何で分かったの?」
「いやー、何となく?だって、お前に好きな人がいるってニュースになってるし」
「はあぁぁーー!?何それー!初耳なんですけど!」
「自分で言ってたじゃん。好きな人いるって」
「言ったけど、ニュースになったとは聞いてない!」
「今日の帰り、生徒会の新聞配られたよな?」
「あー、うちの先生配るのみんなのクラスより配るの1日遅いから…」
「あ、そういえば四組だったもんね」
「うん…」
二人の間に微妙に気まずそうな空気が流れた。
「じゃ、じゃあねー。あ、そうだ。スマホある?」
「ま、まあ一様…。あ、でも今持ってない」
「へ…?何で持ってないの…あ、今から家に帰るんだよねー」
ニヒヒヒっと、彼女は悪人ぽく笑った。
「家にお邪魔させてくれますかぁー?」
「…、と言うわけなんだよ…」
「へー。ふーん。なーんか怪しいわねぇ、あの女…」
「別に怪しくないよ。幼馴染だから」
「だーかーらー、その『幼馴染』ってところに漬け込んでるって言うか…なんていうか…」
「ぽりっ…ぽりっ…。ん!?どうしたの?二人とも」
「「あ、蒼莉。いつの間にそこにいたの…」」
「フォルジュールの『へー。』の所あたりから」
「そう。ま、良いんだけどぉ」
「あれ?あそこにいるのって、笹田奏美さんじゃない?」
「うん」
奏美は、玄関で両手を広げて手を振ってきた。
「ゆうちゃんーー!?まだー!?」
「今いくよ!あと、ゆうちゃんって言うなーー!!」
「「ぷっ」」
「フォルジュール!蒼莉!笑うなっー!!」
おやおや、我が孫にも春が訪れてきてるな…。ふふふっ……。