きっと気のせい
「えーっと、笹田で合ってるよね?」
悠芽は念のため、仮面を着けた少女に聞いた。
「そうだよ。それ以外誰が居るって言うの?」
「確かにいないけど……。で、何で仮面を着けてんの?」
「あ、これ?これ着けてると、誰も近寄ってこないからねー」
仮面を外して、彼女は自慢気に見せびらかす。
…羨ましくも何ともないんだけど…。
なぜなら、その仮面は骸骨のような物がリアルに再現されていたからだ。
「何かよう?」
「相変わらず素っ気ないね、ゆうちゃんは」
「ゆうちゃんって言うな。幼稚園児じゃないんだから…」
「へー、そう言っているわりには顔がほのかに赤いんですがー?」
「…。そういえば、お前って神の事が好きなのか?」
話題転換のためにあいつを出した。
「な、ななななっ何言ってんの!?すすすす、好きなわけないじゃん!と、というか話そらすなー!」
猫のように彼女は威嚇(?)した。おお。この反応はすきなんだな。
悠芽が昔、岐阜にいた時の、数少ない(覚えている)幼馴染がこの笹田奏美だ。
奏美は、深春の大親友だ。
「話がないなら帰るけど?」
「ま、待って…。あ、あのさ…
私に付き合って下さい!!」
悠芽の脳内が、このセリフによってフリーズしそうになった。