初めまして、悠芽くん
「フォルジュール、もう帰れ。姿を見たくない。消えろ」
そっと、ドアを開けてみる。
リビングの中の一部が見えた。
電気神が何かすると、電気のようなものがビリリリっとリビングに走る。
「「ぎゃあぁーー!!」」
蒼莉とフォルジュールの叫びが家中に響く。
「ちょっ、何やってんの?ばかなの?ばかなの?蒼莉まで、それを受けると死ぬんだよ!?フォルジュールは、別に良いけど」
ジャミファンが部屋から出て、怒りに満ちている電気神に言う。
「別に、我はやりたいことをやるのみだ。だから、我はばかではない!」
「「くっ。くそやろぉー!」」
ドス黒いオーラを放っている蒼莉とフォルジュールは電気神を睨んだ。
その形相は…。
その形相は…、電気神にビリビリにされ、髪の毛が逆さまになり、目がつり上がっていた。口は、への字に曲がり、体は倒れたままである。
「フォルジュール、我を倒しに来たわけではないだろ?悠芽と蒼莉に会いに来たのだろ?」
「あ、そうだったぁ。すっかり、忘れてたぁ」
((忘れんなよ))
電気神と蒼莉とジャミファンと悠芽の気持ちが見事に一致した。
「おやぁ。あの、ドアからこっそり見ている男の子が悠芽かなぁ?次郎くんにそっくりぃ」
見つかってしまったか…。仕方がない。
彼はそう思い、部屋から出てリビングに向かう。
「初めまして、悠芽くん。フォルジュール・ルシファ」
「…。ルシファって、元はルシファーじゃない?」
「んー。まあそうねぇ。でも、その事を軽々しく言ってはいけないよぉ。呪いが、かかってしまうかもしれないからぁ」
「ふん。悪魔の呪いなどこの我が取り除く」
「あたい達の呪いではないわよぉ。神たちの呪いよぉ」
「は?神たちが?なぜだ?もう、あれは死んだのに?」
「んー。そうねぇ。なぜか分からないけど、呪われちゃうんだよねぇ」
「ふーん。そうか。じゃあ、フォルジュールさんって呼ばせてもらうよ」
「フォルジュールは長いから、フォルって呼んで!これからよろしくね」
「これから?」
「うん。ここに住むって、言わなかったっけ?」
あ、忘れてた…。