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未来視(チート)で掴め!  作者: 戌井さなきち
6/8

第五話 努の現状

レポートきっつい・・・。

アルバイトきっつい・・・。


(訳)時間無いです。

放課後からスタートして能力獲得まで


キーンコンーカーンコーン・・・


気づくと一日が終わっていた。

最後の挨拶が終わるとともに教室から出ていく生徒たち。


仲のいい友達同士で口々に話しながら帰宅する者、

新入生も加わり、新年度早々忙しく部活動に励む者など

それぞれいることだろう。


そんな中、我らが努くんはというと・・・


「あぁ~つっかれたぁ~。」


こんな事言いながら両腕を上にのびーる運動。

今日も一日お疲れ様!

なんともすがすがしい気分だZE!


いつもなら授業が終わった途端にこんな感じで気分も上がる所。

だが、そこに見えるのはどんよりとした暗い影。

うつむいた顔と生気の無くなった瞳。

努の絶望しきった姿がそこにはあった。


ちなみに朝からずっとこの調子である。


他の生徒たちも気にしてはいるようだったが

あまりの落ち込み様に声をかけるものはクラスメイトはおろか、

授業にきた先生方ですら声を掛けるものは居なかった。

途中、絢香も声を掛けてはいたが、

落ち込み切った努には絢香の声でさえ全く届いていなかった。


なぜこんなにも落ち込んでいるのだろうか?


理由は単純。

朝の絢の発言である。


「歴祭かぁ・・・。」


思わずそう呟く。


何度考えても自分が歴祭に合格するビジョンが見えてこない。

いや、正確には想像すらできていない。


どうしたら合格できるのか。


何をすればいいのか。


何もわからない。


何も思いつかない。


そうなってしまうほどに努の実力と歴祭の学力には

努力ではどうしようもないくらいに

大きな、とてつもなく大きな差があった。


あまりにも遠すぎる「学力」という名の高い壁。


自分がいくら努力しても届かないであろうという事実。


そしてその上の領域にある歴祭学院を目指すと言った絢。


自分から離れると言ったようにもとれるその言葉に

幼馴染が、好きな人が離れて行ってしまうという事実と

そこに共に行けない自分の実力の無さという無力さに

努の気分も表情もさらに落ち込んでいくばかりだった。


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