第三話 ちょっと長い過去編になりそう
引っ越し終わったと思ったら大量の変更書類と
顔出しという地獄ガガガ………。
なかなか忙しいとです。
それはそうと、初めての感想いただきました!
ありがとうございます。
こんなに嬉しいものなんですねー……。
これを励みに、もっと頑張ろうと思います!
ー
2年前、中2の春。
まぁ、要するに回想編です。
中学校に向かうため、いつものように
努と絢香は並んで通学路を歩いていた。
まだ少し肌寒いが桜がひらひらと舞い散る
家から中学校までの長い一本道。
幼稚園からと付き合いも長く、家が隣なので一緒に登校するのも
努と絢香にとってはいつも通りの日常になっていた。
そして、その横や道路向かいを通り過ぎる通行人達は
男女関係なく揃って足を止め
皆惚けるようにして絢香を目で追いかけていく。
そんな周りを気にもせずに舞い散る桜の花びらの中を
機嫌がいいのか絢香は弾むように歩いていく。
まるで絵に描いたような美しい光景と
それを可能にする絢香の美しいながらも
中学生としてのあどけなさを残すその表情に
隣を歩く努も見惚れそうになる。
それなりの時間を一緒に過ごしているので
ある程度耐性は付いているつもりではあったが
やはり惚れた女性の顔というのはいつ見ても
綺麗なんだなぁと思う。
機嫌が良さそうな理由は全くわからないが。
それと同時に周りの人々からの絢に向けた
視線も感じている努は
(いいだろ、これも幼馴染の特権だ。)
皆様すみませんねとドヤ顔全開で言いまわりたくなる気持ちをグッと堪えて
あやの隣を歩く努。
いくつか恨めしそうな視線が
色々な方向から努にも突き刺さっている。
作者からの視線も突き刺さっている。
((うらやましい……))
そんな嫉妬の声が聞こえるようだった。
「ねぇ、どうしたの?」
ふいに聞こえたその呼びかけで意識が戻る。
見ると絢が不思議そうな心配したような顔で
横からこちらの顔を覗き込んでいた。
「いや、なんでも。」
急に近づいた絢の顔にドギマギしながらも
落ち着いて返事を返す。
あぁ近づいたせいで絢のシャンプーだろうか。
いい香りがふわっと香ってきて何とも言えない気分・・・
( ゜д゜)ハッ!
危ない危ない・・・
一瞬トリップしてたぜ・・・。
まあいい、視線なんて気にしない。
なぜなら俺の隣にはその羨望の的である
超絶美少女が一緒に歩いているんだからな!
「そう…ならいいんだけど。」
納得がいかないような顔をしながらも
そう言って視線を前を戻して絢は歩いていく。
俺も同じようにしてその隣を歩く。
そうして少し歩いたところで
「そういえば、絢は進路どうするんだ?」
ふと、思いついたので訪ねてみた。
原因は昨日配られた進路調査票。
周りがそれぞれ話しながら書いていく中、
努は真剣に用紙に向かい…………そのまま書けないままでいた。
自分の将来の想像ができないというのもあったが
一番は絢と同じ学校に行けたらなぁとか
そんなことを思い、さりげなく聞いてから
同じところにしようとしていた。
どこだろうがまぁ、絢香の頭脳をもってすれば
大抵どの学校でも問題なく入れそうではあるのだが。
チラッと聞いて
「あー、実は俺もそこにしようと思ってたんだ。」
とかいえば不思議でもないだろうし?
うん別に?絢が行くから行きたいとか行くんじゃないし?
そんなこと思ってないぞ?ほんとに。
でも同じとこに行けたらなぁとか少しは……
「んーとね、実は歴祭にしようかなって」
ピキ。
その一言で努の先ほどまでの考えが頭の中から宇宙の彼方へ
時速一万光年の速度で弾け飛んでいくのを感じていた。