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掌編小説集5 (201話~250話)

訓練の成果

作者: 蹴沢缶九郎

命懸けで敵国の重要機関に潜入し、何重にも張り巡らされた警備網をくぐり抜けたスパイは、やっとの思いで手にした機密文書を見て呟いた。


「よし、機密文書を手に入れたぞ。あとはこいつを仲間の許に届けるだけだ」


スパイは小さなメモ用紙に、機密文書の文面を自分達にしか解けない暗号に書き換え記し、それを伝書鳩の脚にくくりつけると、鳩に言い聞かせるように言った。


「ちゃんと仲間の許に届けておくれ。頼んだぞ」


そして、伝書鳩を大空へと放った…。



訓練を受け、自分がするべき行動を理解していた賢い鳩は、さっそく最寄りの郵便局へと向かった…。

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