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虹色のカケラ  作者: 桐谷瑞香
あとがき
128/140

あとがき

 まずは、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!



 勉強の合間を縫ってのんびりと練った構想二年、そして執筆二年という、約四年近くにも渡る、超長編異世界ファンタジー小説「虹色のカケラ」がようやく完結しました。


 漠然と完結する日は決めていましたが、未だにあまり実感がないです。ですが読み返し、終章を書き終えて、“了”を書いた瞬間、ほんの少しだけ寂しくなりました。おそらく完結して数日後に、じわじわと実感するのだろうなと思っています。


 まさかここまで長くなるとは、書き始めた当初は思いもしませんでした。大まかなプロットを書いて執筆をし始めたのですが、第一章が終わった後に気付きました。ああ、これは絶対に五十万字は行くだろうな、と。全部で八章前後の構成予定だったので、すぐに検討が付いたわけですが、登場人物たちに愛が注がれ、何よりストーリーに伏線を張りすぎたため長くなり、六十万字を突破してしまった次第であるわけです。もう少しすっきりとまとめられれば良かったのですが、力量不足です。精進します。


 プロットはほぼ一貫として変わりなく、一番初めに書いた簡易のメモ通りに行き、よかったです。また自分の中にあるテーマも変わることなく書き続けられたのは、きっとこの小説を書く理由がはっきりとしたいたからではないかと思っています。




 様々なテーマについては、読者によって捉え方が違うと思いますので、あまり深くは言いません。


 ただ、この小説の大元である“魔法が有限であること”は、胸に留めておいてほしいのです。

 私達の周りにも、有限でありますが、無限のように使っているものはありませんか? 私が考えていた有限のものは、少し間接的なものではありますが、今生きている人にとっては無くてはならないものであり、無くなったらおそらく今のような生活はできないと思います。それが無くなるのは、何十年後と言われており、私達が生きている間にはもしかしたら尽きないかもしれない。しかしだからと言って、そのまま今までどおりに使い続けていいのでしょうか。

 そして未来を変えるために突き付けられる、決断の時、あなたはどうしますか?


 他にも言いたいことを上げたらきりがありませんので、ここら辺で。あとは本編から何となく私が伝えたいことを感じ取っていただければ幸いです。




 内容については、とにかく入れたいシーンをたくさん入れました。シェーラとクロウスの衝撃的な出会いから、二人の関係がこじれ、最悪な方向へと向かってしまうところ。そして想い通じる瞬間など、恋愛面に関しては特にそうですが、王道でしたね。まあ、自分が書きたいことを入れるとなると、そういう展開になることは目に見えていたのですが……。

 全ての章や話に想いを込めて書きましたが、特に力を入れたのは、研究所編、過去編、孤島上陸編、そしてイリスと祈りの石シーンでした。イリスのシーンは正直言って、最後まで悩みました。始めはあの展開ではなかったのに、気付いたら愛着が物凄く湧いてきてしまい……。そのおかげか、最後は綺麗に終われました。小説くらい救いがあってもいいのではないかと思っています。




 登場人物にとっては、それぞれに思い入れがかなりありますね。イラストを描いていただいてからは更に一層。

 イラストってとても偉大だな……っとつくづく思いました。よろしければHPに飾ってある素敵イラストをご覧ください! 描いてくださった絵師様達、本当にありがとうございました!


 シェーラとクロウスの幼くも強い関係は書いていて楽しかったです。明るく活発であるが、自分を省みない行動をするシェーラ、そして割と無口であるが、とても優しい心の想いを持っているクロウス。どちらが欠けてもこの小説は進みません。

 それを言うのなら、イリスも絶対に欠けてはいけない存在。彼女がいなくては、小説自体成り立ちませんから。控えめでありながら強い少女を書くのが、昔からの夢でした。

 偉い立場を持ちつつ毅然と振る舞うレイラ、とにかく普通の少年である馬鹿みたいに一直線なアルセド。

 実はそこまで登場させる予定ではなかったのに、いつの間にか中堅どころになっていた情報屋のスタッツ、レイラが好きということに誰しも気付いているルクランシェ、陰が薄くなりつつもやっぱり頼ってしまうダニエルなども書いていて楽しかったです。

 夜の軍団側もそれなりに想いはありますが、やはり消化不良なのが否めない人達でして……。結局根本的に悪い人はいなかったというのは、読んでいてわかると思います。

 またこの小説を書く上での陰の重要人物達、エナタ・マーベルとプロメテ・ラベオツは、第六章を書く前後では思い入れが全然違いました。この二人は、きっと私の執筆人生の中でもひっそりと輝き続けてくれると思います。


 他にも細かに出した登場人物達、皆大好きです。たくさん固有名詞出しすぎて、辛かった面もありますが。

 やっぱり長編を書くと、どうしても人を出しすぎてしまうのが悪い癖です。次回は気をつけます。




 さて、タイトルにある“虹色のカケラ”。ほぼ本編でその意味合いを出しましたが、どうでしたでしょうか?

 当初はそこまで意味合いを持たせていなく、シェーラやクロウス達が持っているものの共通点であり、最終的に源までの道標として必要だったので、このタイトルにしたわけですが、気が付いたら何重もの意味合いを兼ねたタイトルに。

 虹について調べているうちに色々と深い意味があり、それが本編とも上手く合っていたので付け加えていました。そのためか、書き始めた頃と完結した今ではこのタイトルへの感じ方が全く違くなっています。





 完結するまではもっとあとがきで色々と書きたいと思っていましたが、終わっていざ書き始めてみると、何だかたいしたことは書けていません。漠然とした達成感と寂しさで溢れているからでしょうか。


 私にとって、“虹色のカケラ”は拙いですが私の人生にとって大きな小説になって、心に埋め込まれると思います。以前は、ノートに書いた小説を友達に見せる程度しかしていなかった。ですが、長かった受験期間を経て、ネットの世界に飛び込んでみると、こんなにも素敵なサイトがあり、オンラインノベルというものが発達していて衝撃を受けました。

 躊躇いつつも登録し、思い切って投稿し始めた、初めてのネット小説。それを通じて、感想や評価を頂き、イラストを描いていただいた。そして他の作家様との交流も始められた。こんなにも小説を書き、愛している人達と出会えたのは、予想しなかったことです。

 とにかくネットへの関わりを強くしてくれたきかっけを作った小説、そして私は小説を書くのが大好きだと気付かせてくれた小説。文章は稚拙、まだまだ精進すべきところはありますが、これだけの字数ですが更新速度を遅くすることなく書き続けられた。これらをひっくるめて、特別な小説としてならないはずがないでしょう。


 ……などとじんわりと思いながら、虹色のカケラに一幕下ろします。番外編の更新予定もありますが、やはりそれは別な気がして。

 番外編に関しては、人気投票(十月いっぱい受け付けていますので、お気軽にお願いします!)の結果を元にして、年内には執筆し、投稿できればいいなと考えています。





 最後になりましたが、六十万字、本にしてみれば六、七冊になるであろう物語を書き続けられたのは、読者である貴方様達のおかげです。

 始めや途中から読み続けてきた方、そして完結後に一気に読んでいただいた方。

 本当にありがとうございます!

 時折くれる感想や拍手、そして読んで頂いているということが何よりも励みになりました。放り投げそうになったり、私生活でも辛いことがあった時にはそういう声が嬉しかったです。全ての方々に感謝しっぱなしの小説でした。



 これにて“虹色のカケラ”は完結となります。

 この小説を通じて、読者様に何かを感じ取れたら、作者としてこの上ない喜びです。その声を直接お伝えしていただけたら、更に嬉しいです。


 少し寂しいですが、また番外編や他の小説等でお会いできますように――――。



 長らくのお付き合い、本当にありがとうございました。






     桐谷瑞香 (二〇〇九・〇九・二八)







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