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過去の罪
マリアには心から愛し合う男性がいた。ただ、その人は少々身分が高く、一般人のマリアとの交際は皆に反対されていた。それでも2人の愛は変わらなかった。
子供ができれば周りも諦めるだろうと2人はまた深く愛し合った。
しかし、一向に子供はできなかった。
もしやと思ったマリアは一人病院に行った。そこで・・・自分には卵がないことを知らされた。どうやっても、自分は愛する人との子を産めないのだと。
絶望は目の前を真っ暗にさせた。
気付けば家に帰っていた。愛しい人が出迎えてくれる。酷い顔のマリアを心底心配してくれる。
嗚呼。この人が愛しい。この人がただただ大切で・・・この人の幸せが・・・私の幸せだ。
マリアは泣き崩れた。彼は理由も分からずマリアを慰め続けた。
その翌日。
マリアは何も告げず、彼の前から消えた。
その数年後だった。彼の姉がマリアを探し出した。そして、出会い頭に殴られ、地面に倒れた。
「あんたのせいよ!!」
何のことか分からず困惑するマリアに姉は続ける。