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第9話 意外な申し出

魔石価格表

欠片 500~20000

傷あり10000~30000

傷なし50000~100000

黒×1倍

白×4倍

ピンク×3倍

赤×4倍

水×3倍

青×4倍

黄×4倍

茶×4倍

こんな値段で買い取ってくれます。

「冒険者はこれぐらい知っているべきです」

リックさんは覚えたらしいですが無理です。

 本来なら第二王子だったグラムを始めとしてこの場にいる貴族もグリムバルト共々処分されるのが通常である。例え小国と言えど国王に反乱した者達を許す事が在ってはならないのは当然である。


 宰相グリムバルトが少年によって打ち倒されてしまい、取り巻きの貴族は統制を失った。混乱に陥った貴族が反抗もしくは逃亡でもしていたら大惨事だっただろう。しかしながらニーナが殲滅級魔術を使う事は知られており、既に魔術を準備した状態で出口に立ち塞がっていた為全員が混乱しながらも諦めの極地のなか跪いた。



 ◆◇◆          ◆◇◆          ◆◇◆



 最終的な処分に関してはグラムからの懇願もあったためか比較的緩い処断だったと言われている。

 宰相グリムバルトに関しては幽閉。グラムは臣下となり継承権を放棄。本人の希望により通常ありえない伯爵位である。宰相派の貴族に関しては爵位の降格処分と領地の差し替えと財産の一部没収などで済まされた。


 実はリックからの要望でこのような処断になったのだが表には出されていない。


 貴族の処罰を重くすれば軍にまでその責が問われる事となり、隣国からの侵攻を危惧するなかで国力低下は出来ない事だったのである。


 勿論あくまで今回の反乱に関しての処罰であって、その他町で働いた暴行や狼藉などでの処罰は別途で裁量されたのは言うまでもない。


「さて、リックよ、この度の騒動での活躍。

 そちの知略と行動によって切り抜けた事になる。

 表には出ずとも我等は知っているわけだが…

 何か望む物は無いか」


 国王としてはこのまま王位に就かせてしまいたい程の孫なのだ。宰相でもなんでも望む地位を与えてやりたいのが本音である。


 ニーナとルークとしては完全に手放し状態だった。赤ん坊の時に別れた我が子に救出してもらったがまだ5歳の息子である。幾ら天才と思われても我が子にこの年から他の重責を課したいとは思わない。


「できましたら…」


 余りのリックの要望の奇抜さに国王はもとより、両親もそして貴族軍を率いていた者達までが口をあんぐりと開いてあっけに取られた。



 ◆◇◆          ◆◇◆          ◆◇◆



「それではいって参ります」

「気をつけてね」

「辛かったら帰ってきてもいいんだからな」

「大丈夫ですよ父上、これでもそれなりの腕前です」


 リックが願い出た内容とは、この大陸で最大の国、カロン帝国への留学であった。

 通常であれば10歳からの入学となる魔法学院への推薦を求めたのである。


 メアリーは坊ちゃまに着いていきますと申し出たのだがリックの一言で断念した。結婚する相手を見つけてこいと命令したのである。とても5歳児の命令とは思えないが実際メアリーはすでに結婚適齢期を過ぎようとしていたのだ。彼としては一番の部下でもあったメアリーの幸せを自分の行動によって潰すことなど出来ないと考えたのである。


 しかしながら、小国とはいえ貴族の、しかも王位継承権を持つ可能性まで秘めている彼を一人で送り出す事が出来ないと考えた国王の指図によって、護衛官が道中を伴う事と、どこで知ったかエリーゼが侍女見習いとして同行する事になってしまった。


 護衛付きの馬車が出発して行く光景を王族が見守っていた。大国の王族相手でも国王自らが見送るなどありえない事だが、未来を託すべき存在と認めていたジョージ三世は当然の事として出席した。そして第一王子のフランクも彼が其のうちこの国を継ぐ存在になるだろうという期待を込めて甥の出発を祝いに来たのであった。


 まさか王族がそろって王位を譲ろうとまで考えている事など露とも知らずに、リックはカロン帝国へと向かう馬車の中でエリーゼと向き合っていた。


「リック様、これからも宜しくお願い致します」

「エリーゼ、リック様は勘弁してくれないか」

「リック様はこれから私の御主人様となられるのです。

 それなのに他に呼び方なんてありませんわ」

「わかった、降参、エリー頼むよ前みたいに行こう」

「フフ、前みたいにとはどういう事でしょうか」

「僕と君とは兄妹として育ったんだから」

「エリーと呼んで頂けたことですし…

 仕方ありませんね、お兄様」

「その方が気楽でいいよ」

「しかし、この馬車は揺れませんわね」

「ああ、これは僕が設計したからね」

「やはりお兄様の手による物でしたか」

「馬車で二ヶ月以上も掛かる旅になると聞いてね。

 流石に普通の馬車だと腰が痛くなりそうだったからね」


 魔法学園への留学手続きが必要な期間にリックは様々な事をしていた。この馬車の作成などは実は一部に過ぎない。新宰相として就任する祖父や父親達と軍の編成から国防体制についての改革や王族が統治する領地における農作物や生産品の開発まで様々な物を考案していたのである。


 闇輝人(デュアルブ)族などの職人を一同に集めて講習会を開き、ついでに職人組合(ギルド)の設立などの手助けもした。もともと闇輝人(デュアルブ)は職人が多く優れた鍛冶職人や細工職人が多いのだ。そこへ鉄を鍛錬する事を伝えたリックを彼等は驚愕と尊敬をもって敬い職人組合の設立にも賛同したのである。


 他の商会などの組合(ギルド)にも召集をかけて物流の改善や郵便配達事業などを開発し、軍事関係では国境からの光通信による即応体制まで確立していった。


 そして国法も改善点を見出していたリックは多種族との共存政策を打ち出させたりもしたのである。


 冒険者などに見られる多種族が王都などに住居を構えれなかった問題や税率が高かった事を撤廃させたのだ。冒険者組合(ギルド)などからの支持もとりつけたこの改革は後に大きな意味を成すこととなるのだが、余りにも多くの改革の中でその重要性は重視されなかったので、現状としては注目すらされていなかった。


 リックの活躍によって、一部の文化レベルにおいてクルネヴィア王国は他の国々よりも300年は進んだといってよいだろう。

 それだけの事を成し遂げて出発をしたのだから、先程の出立場面も不思議な事ではないのである。


 王都を出るところでリックの世話になって人々が待ち構えていたのもリックの功績からすれば当然の事だったのかも知れない。出立を祝う為に出口に集まり口々に旅の安全を祈ってくれた。


「「「リック様、必ずやお帰りを!」」」

「「「我等がこの国を支えます!ご安心ください」」」

「「「偉大なリック様万歳!」」」


「いってきまーす!」


 子供らしく大きく手を振って旅立つリックを皆が見つめていた。

 普通にしていれば子供らしいのだが、彼の見た目とこれまでの功績が違う事を知る人々は畏敬の眼差しで見送ったのだった。


 辺境の小国から出立するリックとエリーを乗せた馬車は城門を潜り抜けて軽やかに進んでいった。

徐々にブックマークが増えていくのは見ていて嬉しいです。

ジョジョだけでは徐々ならない変換のたびにオーバードライブが走りそうです。


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