第26話 笑顔の溢れる村へ
この時代の国家の種類は既に複数の種類が存在している。
王国、公国といった君主を持つ基本的に一つの種族を中心とした国。
皇帝が支配する多種族、多宗教を内包する帝国。
宗教を中心として支配をしている宗教国。
都市が王国等と同等の軍事力、外交能力を持った共和国。
地方都市が同盟の元に作り上げた都市国家。
この国々は明確な国境を持っていないのが普通で互いに緩衝地帯を挟んで成立していたのである。その多くは森や山、川、渓谷など自然が役割を果たしていた。
リック達はサラエノ公国からグリスフォルト共和国に向けて街道を進んでいる。本来は真っ直ぐ北に向かっての予定だったのだが輝教典教団の影響が強いケイネス共和国を避ける判断をしたのである。アリーの捕まった村がその支配下だったのが主な要因でもある。
少し旅の行程は長くなるが、此処までの旅程は既に一週間以上の余裕が生まれていたので問題ない。それよりも友人の身の安全を優先するのは当たり前の事だったのだ。
だがグリスフォルトに向かう街道に入った事によってリックは少しだけ予定にない行動を取ることになったのだった。
まず平原を走り抜ける街道から森を中心とした街道に入った事、本来であれば獣の襲撃などが増えるのである。しかしリックの音楽の効果は絶大であった。唯一襲撃を掛けてきたのは森に潜んでいた小猿鬼の群れだけである。
流石に知恵があると言っても魔獣程度なら危機感の方が有効だったのだが、小猿鬼のような人を襲う為だけに行動している猿人には効果が無かった。むしろ音に釣られた可能性すらある。
だが小猿鬼が集団で襲ってきたとしても精霊もいるこの一行にとっては脅威にはならなかった。問題があったとすればその小猿鬼を討伐しようとしていた光輝人と遭遇した方が問題だったのである。
「小猿鬼を倒したのは貴方たちか」
「うん、襲い掛かってきたからね」
「そうか、この数を…
其方の護衛の方々は優秀な冒険者なのだな」
「小猿鬼を倒したのは殆どリック様達ですよ」
「私達じゃないですよ」
「という事は、君も戦ったのか」
どうやらこの光輝人達にはまだリック達がかの精霊の件の人物であるとは知らないようであった。目を大きく見開いて驚いていた。まあ光輝人でなくても5歳児が戦闘で活躍していただなんて知ったら驚くのも当たり前である。しかも精霊は気を使って姿を隠していたのである。
「どうだろうか、よければ小さな集落だが寄っていかないか」
「お誘いは有り難いのだが…」
「もしかするとそちらのお嬢さんの事を気にしているのかな」
そう言ってフィーナの方へと顔を向けたのだが続く一言が意外であった。
「実はね、僕の妻は人族なんだ」
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
光輝人の青年、既に100歳を超していたのだが見た目が変わらないので判らなかったのだが致し方ない、セヴィはリック達を集落へと案内してくれた。人族と積極的に関わるようになった光輝人のみが暮らす村だったのである。
ハーフの光輝人も多く居た事はかなり意外だった。
「不思議かもしれないが、これが僕らの村だよ」
自慢するようにセヴィはリック達に説明をしてくれた。初めは数人のみの集団だったのが長い年月を経て集落になるまでとなった経緯などを教えてくれたのである。
そして彼が此処へリック達を案内したのはフィーナの為だったのである。
「どうかな、ここなら迫害を受ける事もなく暮らせると思うのだが」
彼が見たフィーナの扱いは奴隷でもなく、そして綺麗な衣服を着ている事からしても問題はない暮らしをしているのは判っていたのではあるが、人族の中で暮らすのは辛い事がある事もまた知っていたのである。それ故の提案だった。
「私はリック様と一緒がいいのです」
「うーん、奴隷じゃあないよね、奴隷刻印もされてないし」
「奴隷から開放してくれたのがリック様」
「なるほど、でもここは迫害もなにも心配がないんだよ」
「大丈夫、私は魔術習って強くなった、言葉も覚えている途中」
「そうか、君がそう言うなら問題は無いのだろう。
だがもしも何かあったときは僕らを頼ってくれ」
「有り難う御座います」
フィーナがこの里に居たいというのであればリックとしては引き止める心算までは無かった。寂しくなるがそれも一つの決断と思うしかないのである。
「それで、君のほうはどうなんだろう、あれ、でも君も光輝人ではないのか」
「彼女は僕の姉妹みたいなものですよ」
「そうですか、ならば問題はありませんね」
姉妹と言われたことで微妙な顔をしたアリーであったが、説明としては事前にされていた為に仕方が無いと我慢しているのである。できれば恋人なんていって欲しいとかなんとか考えているのかは不明である。
そして一晩の歓待を受ける事になったリック達なのだが、その席で意外な話がされたのだった。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
「精霊と話をした事が無いのですか」
「うーん、里にいた頃はあったけどね、
此処は光輝人の村ではないから…
お呼びして力を貸してもらう訳には行かないんだよ」
「そんな事を気にしない筈だけど」
「ハハハ、リック君の話し方だと精霊様が知り合いのようだよ」
知り合いどころか契約者である。と言っても流石に契約者の事まで話していいのかどうか判断しかねた。
(ここの村の事は知っていたのかい)
(村の存在は把握してましたが、流石に呼ばれない理由までは…)
(じゃあこの人達の勘違いなんだね)
(勿論です)
(手を貸すことに問題は)
(ありません)
(じゃあ、姿を今現せばいいタイミングかも知れないね)
(宜しいのですか)
(まあ為るようになるさ、この人達にも助けは要るだろう)
(そうですね)
「えっとセヴィさん、驚かないでね」
「何をかな」
「私からご説明しましょう」
「うわあああ、精霊様!」
ガタダダダ!と椅子が引かれる音がして室内が大慌てとなってしまった。一斉にひれ伏してしまうセヴィさん達光輝人とハーフ光輝人。そして正体がわからないけど吃驚して同じ行動をとる人族の妻や旦那さんと、混乱に陥ってしまった。
「ウィニア…早いよ」
「しょ、少々緊張していましたので」
「精霊様?」
セヴィは普通にウィニアと会話するリックに驚きもしつつそれ以上に敬意をもって接する精霊の態度で困惑が深まってしまった。
「と、いう訳ですのでこれからは必要な時に声を掛けて下さい。
才ある者なれば光輝人で無くても呼ぶ事は出来る筈です」
「普通に精霊様と会話してるだけでも驚いたが…契約者様とはな」
「様付けされても困るんだけど」
「アルヴヘイムの親父たちも困っているだろうな」
説明を終えた後にセヴィは納得してくれて今後は此村も色々と不便だった事が解消するよと喜んだのであった。そして彼が現在のアルヴヘイムの長老の一人息子にも関わらず家を飛び出した理由なども話してくれた。旅の吟遊詩人なんかが聞いたら恋愛物語として語り継ぐであろう内容であった。森に迷った娘を助けた青年光輝人と若い娘、反対する双方の両親と親戚たち。反対を押し切って村を出た青年と娘が辿り着いたのが此村が出来る前の森だったという訳である。
その話は実際にこの後村にきた旅人から吟遊詩人へと伝わって恋愛物の定番として語り継がれるのであるがそれは別の話である。
リック達は精霊も加わって音楽を演奏しだし、全員でダンスパーティーになったりと騒ぎ、夜遅くまで楽しく過ごしたのであった。
夜遅く、全員が眠りについた頃、リックは一人物思いに耽っていた。そして隣にはフィーナが一緒にいて星空を見上げていたのであった。互いに何か喋るでもなく夜は次第に更けていった。
リ「後方へと展開ですわ!」
エ「それって後書へ移動ってことですわよね」
フ「ネタも無くなったのでそろそろお終いです」
リ「私の活躍の場がなくなるなんてだめですわ!
ほら、小猿鬼とかの紹介もありますわ」
エ「代わり映えしませんしね」
フ「同じ事をやるならサクット終了がいいです」
リ「人気の無い物語の打ち切りのようですわ」
エ「そうならないように次回は考えておいて下さい」
フ「今回はアリーの紹介があります、命拾いですわ、です」
リ「ま、真似されてしまいました、ですわ」
アリソン・マクレーン
種族 :人間
性別 :女性
年齢 :6歳
婚姻 :未婚
二つ名:ブラウン家侍女見習い3号
所属 :ブラウン家
戦闘 :近接F
魔法 :Fランク 攻撃F-防御F補助F-
外見 :シルバーヘア 青と金を混ぜた瞳 透き通るような白い肌 102cm58:48:52
魔力量はかなりあるのだが魔術は習っていないため生活水準用の物しかまだ使えない
現在修行中、元々宿屋の娘であったため料理炊事洗濯に関してはエリーゼを上回る活躍
中々にスペックは秘められたものを感じさせる
リックに助けられて徐々に活発な女の子だった時の様子を取り戻している
自ら働く事を宣言したりと意外に行動派である
リ「助かりましたけど、お待ちなさい…また女性が増えてますわ」
エ「これはお兄様の偉大さです」
フ「男はモテるのは仕方ない事」
ア「以後宜しくおねがいしまーす」
リ「敵が現れました、ですわ、ですわ」
フ「恋敵と書いて親友と読む」
エ「それはありませんが、お兄様を慕うものは争ってはいけません
嫌われたくないなら仲良くシェアする事こそが肝要です」
「「「はい」」」
(おいどういうことだシェアって)
(女の子の秘密です)
(ちょっとまてえええ)
尚会話に関してはフィクションのため本編には一切関係ありません
(ホントかよ!)




