ヤークの戦術その2
次の日、ヤークはミリアと共に応急修理を行いながら別の構想を練っていた。森での戦い・市街地での戦い・川での戦い・山岳での戦いを想定した物だった。
森での戦いでは、従来であれば遭遇戦になり双方大混乱になりやすいものである。
1、遭遇戦にしないために偵察隊を複数編成し本隊との連絡を密にする。
2、敵を発見し進路などの情報からアンブッシュできる配置にする。この時車両が行動する広さが無いため車両は壁にする。
3、戦闘は、互いに援護しながら相手の敗走を待つ。
このくらいしかヤークは考え出せなかった。
市街地での戦闘では、森での戦いに似ていて偵察隊の数とある程度車両が動かせるのが違いだった。
川での戦いでは、攻撃と移動の障害になるから防御側が有利である。しかも、渡河攻撃する場合、艀を作る場合前準備が必要であり発見されやすい。そのことから、防御側は渡河中思う存分防御火力を集中できる。
攻撃側は、闇夜に紛れて準備をし静かに艀などを作り渡らないといけない。これはなるべく敵に発見されないようにしなければならない。
山岳での戦いは、大規模な部隊移動ができず小競り合いになりやすいため個々の火力が物を言う、その時装甲車両から降車して特別分隊編成で散らばり攻撃に当たる。その特別分隊編成は5人1組として22組にするものであった。
ヤークが考えた物を書き起こして数日が経ち装甲兵員輸送車の応急修理が終わった頃、別の戦線はミニア軍が徐々に優勢になり戦線を押し上げてブーフェンに投入できる兵力が増えて2個騎兵中隊が追加された。
「ブーフェンの戦力は今までにないくらい大きくなってきてるね」
「第二次攻勢が始まるんでは?」
「どうなんだろうか」
第六歩兵師団の兵士らは攻勢が近いと悟る。
物資も前線補給どんどん送り込まれ105mm榴弾、30口径機銃、弾薬がブーフェンに集められて30口径機銃は第六歩兵師団にも配られ戦力増強
「隊長 私たちはこれからどうなるんですか?」
「このまま中央の戦線で遊撃として使われるかも」
「遊撃ですか・・・」
「まぁ私たちの仕事をするだけだよ」
っと送られてきた105mm砲弾を自走砲に詰め込んでゆくのだった。