プロローグ
視界がハッキリしない。
色はあっても何もかもがぼやけている。
しばらくすると一つの光が見えた。
その光は瞬く間に近づき僕を包んでいった。
気が付くとそこは、迷路のような入り組んだところだった。
左上にマップもある。
「ここは.....」
自分はこの場所を知っている。
あきあきするほど知っている。
ここはゲーム内のダンジョンだ。
「おいおい、うそだろ?」
自分の声がダンジョンに響く
「たしか、どうしてもクリア出来ないこのダンジョンに
嫌気がさして読んでた攻略本をゲーム機に投げつけて....」
「テレビ画面が光って...」
「吸い込まれた....」
「変なぼやけた世界に行って....」
「ここに.....」
やばい自分で何言ってるか分かんない。
「とっ、とにかくこのダンジョンから出よう!!」
現実世界で本気で攻略しようとして失敗したダンジョン。
今の自分ではあまりに危険すぎる。
「ゲーム内なら何か装備あるはずだけど....」
必死に自分のアイテムや装備を探ってみたが、武器だけがない。
「なんで肝心の武器がないんだよ!!」
自分の大声がダンジョンの奥深くまで響く。
「あっ、やばい」
この声を聞きつけてモンスター達がこちらに向って来た。
いそいで出口へ向った。
=====エンカウント=====
・スライム×3 lv10
「くそ!急いでるのに!」
スライム×3の攻撃!
1のダメージ
「ふふ、くらうか!!オリャアアアアア」
勇者の攻撃!
ぷよん(ヒット音)
しかしスライムにダメージを与えられない。
「そうだったぁぁぁぁ!武器がないんだった!!」
「畜生もうダンジョンの奥の方の連中がきやがった!
逃げるしかないな....」
勇者は逃げ出した。
どこか隠れられるような場所を探して走った。
==数分後==
「はぁ...はぁ...なんとか撒けた。ん?
あれは宝箱?このゲームでは見たことない宝箱だな。」
魔物から逃れるために入った部屋に異様な宝箱があった。
「もしかしたら武器か!?
たしか攻略本にも書いてあった!このダンジョンに、
俺の大嫌いなミミック系モンスターはいない!!!」
俺こと箱宮 優斗はミミック系モンスターが大嫌いなのだ。
っというのもこの手のゲームの宝箱が大好きで、人一倍ミミックに苦しめられてきたからだ。
「何でもいいから武器を!」
武器であってほしいと願いながら宝箱を慎重に開けた。