第3話 最悪の出会いとでも言うべきか。
俺は真言高校1年4組に遅刻したものの着くことができた。奇跡的に門番と言われている教頭の目を盗み学校に入ることができたが遅刻は遅刻。
「遅れてすいませーん」
俺は謝りながら教室に入る。
担任はまだいないらしく俺は誰にも怒られることなく教室に入ることができた。教室はいたって普通でみんなが思っているような教室だ。
クラスメイトは、勉強している奴・PSPでゲームしてる奴・実弾の入っているであろう拳銃を振り回している奴・朝の子供劇場見てる奴・脅迫状を書いている奴などなど。
……ちょっと待て。今朝のバスで俺に文句言ってきた奴2人もいるじゃねーか。この二人は1行しか出てないのに学校ででしゃばりやがって……。
今朝から色々ありすぎたので俺は自分の席に着いた。
「はぁっ~」
うわっ。おっさんみたいな声出してしまった。けど、みんな遊んでるぽいから聞こえなかったのはラッキーだ。
「お前おっさんか?」
前言撤回。アンラッキーだった。こいつはクラスメートの雨端海翔。俺がこっちに来てからの最初の友達である。面白いが、殺意が芽生えるぐらいうざい時がある。
なぜか1年4組は海翔の言葉に反応した。
「おっさんだって」
「まだ15歳なのに」
「おっさん=中年ではないと思う」
「脅迫状の時間に「それはいい」
となんとか脅迫状関連は抑えることができたが、このクラスは「おっさん」に反応するなんて。そんなのサザエさ〇一家だと禁句じゃないのか? まあ、冗談はよしてこの空気をどうにかしないといけない。
「いや、だから、話すと長くなるけど、今朝から筋肉痛だったり「おいみんな、すわれ。朝の
ホームルームの時間だ。」
担任がタイミングよく教室に入る。
「ちぇ」
「助かったな」
「タイミングワリィ」
「不登校生活に陥れるまでもう少しだったのに」
「言い訳しそうならライフルでパンッだったのに」
俺はここに来たことが過ちだったのか?
「出席とるぞ」
と言いながら出席を取る担任、藤峰先生が、
「の前に、今週の金曜日から1年生もMGCにでることができるからな。では出席」
先生が出席を取っている間に俺はさっそくMGCに出ることを決めていた。
MGCとは、Money get chance 日本語にすると「お金を手に入れるチャンス」になる。
これだとお金のためでいいことには思えない。だが、流石次世代高校。
高校生でのアルバイトを防ぐために学校側からお金を出し、そして金曜日は授業は午前中のみでずっと試合である。
人間には右脳と左脳があるが頭の回転力は人それぞれである。
とある研究者がキャリーという携帯ぐらいの大きさの機械を作り出した。キャリーというのはさまざまな機能があり携帯電話の機能一式と、MGCの大会のトーナメント表など。
そして自分が思ったものなら何でも変形するのだ。
だが、欠点がありそのキャリーをもらい最初に思ったもののみ変形し、以後半年は変形できないという。なので、キャリーを支給してもらったその日はみんな慎重なのだ。
そして、MGCの戦闘内容としては自分のキャリーが相手のキャリーが作ったバリアを破ることで勝利となる。
バリアの耐久性を調べるにはバリアの色が正常な方から並べると、青→緑→黄→赤の順である。
キャリーの戦闘力としては脳の細胞が主となる。キャリーが脳の回転力というか勉強の時のやる気等を勝手に人の頭の中から奪っていき、その量や質で攻撃力が決まる。生徒たちの間ではこのやる気のことをブラッドというらしい。日本語にはしたくないな。
因みに、戦闘中はブラッドが減っていくが戦闘が終わればゆっくり脳に戻ってくる。
MGCには1vs1と、2vs2の二つがある。
1vs1はその通りで、自分の力しか頼ることができず制限時間は1時間となっている。1時間を過ぎれば引き分けとなる。
2vs2はタッグを組むが友達とかでは駄目で男と女で組むことが決まっている。その制度があるため、よっぽどのことがない限りほとんどがカップルというわけだ。
こちらの制限時間は無制限だがどんどんキャリーにブラッドを奪われるので短期決戦が多いらしい。 1vs1も2vs2もトーナメントで優勝者には現金10万円が贈られる。
俺は2つとも出たいがそれはMGCで禁止されている。そして、同じ大会には1度出たらその次の週は出ることができない。なぜなら、強い奴が現れてずっと1人勝ちでは面白くなくなるからだ。その代わり、片方には出ることができる。
「佐藤いるか?」
藤峰先生が出席で俺を呼んでいる。
「はい」
「なんだ、いるなら早く返事しろ」
「すいません」
どうやら俺はMGCで頭がいっぱいらしい。いや、金のことか?
朝のホームルームが終わり1~4校時まで終わる。次は昼ごはんだ。今朝作った弁当を机の上に広げて
食べる。すると
「俺たちも混ぜろよ」
といいながら席を持ってくるのは、新田行人・多田浩二そして朝の雨端海翔だ。
「いいけどよ、お前ら弁当は?」
「ああ、購買で買ってきた」
「そうなんだ」
「にしても、輝樹はMGCに出るとしてみんな出るのか?」
と、海翔が言う。俺は出る前提なのか。まあでるけどな。
「僕は出るつもりだけど。」
といったのは新田行人だ。
「俺はまだ考えてないけど、多分でない」
こいつは多田浩二であり、
「俺は出るよ」
そういったのは俺であり、
「「「知ってるわ」」」
3者から突っ込まれる。なんで俺の時だけ……。
そんなこんなで今週は金曜日を迎えた。
MGC初デビューとなった俺は学校に8時に着き1vs1にエントリーすることになったがエントリー開始時刻は昼食後であるので授業を受けながら作戦を考えていた。
そして、昼食時。
「あれっ?」
「どうした、輝樹?」
「ああ、浩二。いや、弁当忘れたっぽくて」
「そうなんだ。じゃあ、俺と一緒に食堂行こうぜ」
「出費が~」
「まあ、堅いこと言わずに」
「分かった。じゃあ、俺トイレ行ってくるから先に行ってて」
と、浩二に言いながらトイレに行く俺。
トイレを終えて食堂に行く俺だがはじめて行くのでなにがなんだか分からない。
とりあえず食券を買う機械がどこにあるかそこの女子生徒に聞くことにしよう。
「あの~。食券ってどこで売ってますか?」
その女子生徒のご飯を見ると、うわぁ。昼ごはんにしてはすごいメニューだな。これは、学校で一番0が多い三ツ星ランチというやつか。どんな人が食べてるんだろう?そして、見てみると
「……」
結構可愛い。髪型は肩にかかるぐらいで、3サイズの内のBはちょうどいいぐらいの大きさであり……
ってエロいよ俺っ。けれど、俺の好みの人ではある。
にしても返事遅いな。この人も分からないのか?
「あの~。食券ってどこに売ってますか?」
…………スルーかよ。こんなのとあるトー〇と、とあるフレイムへ〇ズの出会いのシーンじゃねーか。
「あの~」
「アラス〇ール。こいつ殺していい?」
やっとできた会話がこれ?ほぼパクリじゃねーか。っていうか、アラストー〇いるの?
「食券はあっちにあるわ」
ちょっと不機嫌そうに言われた。なぜだ?
「ありがとう。でも、もうちょっと初対面には優しくした方がいいぜ」
「ふざけんなぁ。」
大声で叫ばれる俺。広い食堂も一気に鎮まる。これって今朝もあったよな。
「お前。そんな大声出すなよ」
案の定スルーされる俺。だが周りは
「なんだ、痴話げんかか」
「夫婦漫才ってうざいよね」
「女の子、結構可愛いじゃん」
今のこと+この女の大声=ストレス爆発。
「うっせー。俺とこいつはさっき会話しただけだ。なのに喧嘩だの漫才だの言いやがって。そういわれる奴の気持ちわかんねーのか」
痴話とか、夫婦とか抜けたけど通じるよな。そして教室ではもうイジメみたいに普通にライフルとかふるわれる気持ちが分かってほしい。
「お前ら今日のMGCで俺に文句あるやつかかってこい。全員まとめて消してやる」
消さないと、明日から全校生徒敵になるからな。でも、なんでこの女子生徒の顔赤いんだ?
しばらくすると、食堂は騒がしくなりさっきの問題も解決した。と思っていたら、
「お前、全校生徒敵に回すつもり?」
と問題の原因が聞いてきた。さっき叫んだおかげでストレスは飛び
「まあ、そうならないためにもMGCは頑張らないとな」
と思っていると、なぜかまたこいつ顔が赤くなる。施設ではそういうこと習わなかったからあんまり分からんが顔が赤い時はえ~と、怒っている時だっけ?
「なんで怒ってるんだ?」
それは魔の言葉だったらしい。
3つ星ランチのフォークで俺を刺そうとしてきた。俺はそれを必死に避けることにする。
5分ぐらい経ち、フォークの嵐が終わる。
「そういえば名前聞いてなかったな。俺は、佐藤輝樹。お前は?」
「私は長田千佳。1年4組よ。」
「え?俺も1年4組だけど、見ない顔だね」
「あっそ。まあ、せいぜい敵を増やさないようにね」
捨て台詞のように言う長田千佳。名前と面とB覚えたぞ。
さて、食堂で浩二と出会いMGCのエントリーが完了した俺はキャリーでトーナメント表を見ると、俺の相手はまだエントリーしていないため名前が表示されない。
「誰なんだろうな俺の相手」
独り言でも言っているとピコーンと音が鳴りキャリーが光る。どうやらメールのようだ。なになに……あなたの対戦相手が決まりました。それは、1年4組 長田千佳 女 です。
頼むから迷惑メールであって欲しい。