第12話 lost memory3
ほんっっっとうに何の報告もなしに更新をとめてしまい申し訳ございません。
せっかく読んでくれた皆様も、この話を忘れていると思います。ですので、適当でいいので最初から見直してくれたら私は歓喜に満ちます。
ではっ、半年ぶりの更新です。どうか、さいごまで見てください。
俺は、施設のみんなと中学校の卒業式をやっていた。まあ、本当の中学ではないのだが。
「いやー。今までいろいろあったけどお互いがんばろうな」
「お前はすぐ調子乗るんだから」
ハハハ、と総勢20人弱の卒業生が笑っている。俺もその内の一人だ。
「しっかし、いざさよならとなったら案外悲しいものだな」
「ああ。そうだな」
「あれ? 佐藤はどこ進学するんだっけ?」
そう。俺は、この3ヶ月前ぐらいに真言高校からスカウトがきたのだ。俺はその話に乗り、見事進学先を確保したのだ。
「真言高校だよ。お前には前言わなかったか?」
「ああ。そういえばそんなこと聞いたな。悪い、最近物忘れが激しくてな」
「てめえは、『空を飛ぶ』とかのひでんワザを忘れさせてくれる爺さんか」
また、笑いがおこる。
「しかし、誰か忘れているような……なあ、佐藤。誰かもう一人いなかったか? お前と親しかった女子とか」
「知らねーな。大体、俺には覚えていてもいなくてもここの施設にしかいないんだ。だから、忘れるなんてないと……思うが」
一瞬、同じ部屋で隣で色々した女の子が目の前に出てきたが、すぐに消えた。なんだったんだ? 今のは。まあ、気にすることはないよな。とても、懐かしく楽しく切ない思いになったが。
その思いは決して間違いではなかった。むしろ正解だ。輝樹は、頭の中では思い人……桜花のことを思い出していた。しかし、記憶が失われていたのだ。それも、桜花の記憶だけ。その謎は3年前に遡ることになる。桜花が輝樹に別れを伝えるところだ。
「私、もう少しで遠いところに行くの」
俺は、血の気が引くのを実感した。分けがわからなかった、桜花と別々になることが。
「え? でも、そんな……」
「ゴメン。急な話ということは分かっているわ。でも、輝樹には言っておかないとと思って」
「……」
俺がしばらく黙って考えをまとめていると、
「……な、なんちゃって。ウソだよ、輝樹。焦り過ぎだよ」
「……へ? ウソ?」
「うん。エイプリルフールは過ぎちゃったけど、まだ輝樹にウソついたこと一度もなかったからやってみたかったんだ。ゴメンね、驚かせちゃった?」
「そりゃ、もう。だって、桜花がいきなり真剣な目つきにして言うんだもん。演劇とか向いてるんじゃないの?」
「そうかもね。さて、暗くなってきたし寝ましょう、そろそろ」
「ああ、そうだな。おやすみ」
といい俺は部屋の明かりを消す。桜花がウソついたとき本当に焦ったけど、桜花もウソがつきたかったのかな? と思い敢えてその不可思議な部分には触れなかった。
そんな不思議なことがあった1週間後、たまたま1泊2日で近畿地方に行くというツアー券が施設のポストの中に入っていたらしい。まあ、危険物でもなさそうだし先生の何かの懸賞が当たったのだろうと思いみんなで行くことになった。
近畿旅行も明日となり、俺は少々の不安を感じながらもなぜかかなり楽しみだった。
「でも、近畿か。桜花はどんなところか知ってる?」
「ううん。あんまり。なにが有名なんだろうね」
「うん。楽しみに待っておこう」
「そうだね。もう夜遅いし寝ましょうか」
「お休み。桜花」
「お休み、輝樹。それと、この部屋さん。お世話になったね」
なんで、部屋にお休みを言うのか理解できなかったが、1日あけるからそれによるものなのかと思った。
1日目は、神戸や京都など観光メインだった。金閣を初めて見て感動したりした。
「確か、金閣は足利義満が建てたんだよな。歴史を感じるってこういうことなのかもな」
「うん。輝樹、あそこで抹茶の体験ができるらしいよ。やってみようよ」
「ああ。それもいい思い出になるな」
そう。すべては、桜花との思い出作りのためだ。どんな困難だって乗り越えてやるさ。桜花との思い出のためならな。
前言撤回。なんだこれは。闘牛するのか、俺は。
「輝樹ー。ガンバレー」
「いやいや、無理だから。死ぬよ。きっと悪い思い出しか残らないと思うよ?」
「そのエスケープの仕方があったか。なるほど」
昔に比べて割と大きくなった胸を上下させ観客席からうなずいている。ってか、俺。どこみてるんだ。
なんとか、闘牛との殺し合いは避けられ(一方的なイジメの間違えか?)、今は宿で寝ているところだった。今回は男女に分かれているので、いつも隣が桜花だったため、男臭く寝付けなかった。
ちょっと、風に当たろうかと思い外に出てみると桜花がいた。まるで、俺と来ることを予感していたように。
「どうしたの? もうみんな寝ているけど?」
「いや、あまりの男臭さで寝れなくて風にあたりに来たんだよ。桜花の方こそどうしたんだ?」
「私も同じ感じなんだ……」
その声はどことなく、悲しく聞いているだけで辛くなりそうだった。
俺は、その声を聞いて絶対に死ぬまで守ってやろうと誓った。そして、同時に告白しようと思った。
「桜花。俺とつ、付き合っ……」
俺の発言を、桜花は口を重ね邪魔をした。
俺たちは、三日月の下でキスをした。
キスが終わり、次第に沈黙の空気が流れる。正直に言うが過去に何度かキスをしているが一番、味がなかったというかなんというか……。とにかく、好きな人にキスされたのになぜか嫌だったのだ。理由は分からないが。
それは、置いて完全に告白の機会を失った俺は明日再チャレンジをしようと思い桜花に、お休みといった。桜花もどこか浮かない顔で、でもしっかりとさいた日輪の花のような顔でお休みといってくれた。
2日目となり俺たちは、ウッドペッ〇ーや、ス〇ーピーがいる遊園地に来た。
初めて見るせいか、はたまた昨日観光メインでその不満を晴らすためなのかは知らないがテンションが上がりすぎて
「うわぁ。〇ヌーピーだ。でも、なんでミッ〇ーいないの?」
と、馬鹿なことを言うやつもいた。
「しかし、大きいな。ゲートの時点でヤベエとは思ったが、想像を超えるぜ、これは」
「うん。そうだね。私たち何に乗る? やっぱり恐竜が出るやつ? それとも、サメのやつとかは?」
「お……桜花。そうだな。とりあえず手当たり次第に乗ろう」
「うん」
正直、昨日のキ……キスを思い出したのだが向こうは気にしていないようだった。なら、男の俺も気にせずにしよう。
俺たちは、サメの出るやつや、クモの糸を出すやつおまけに、恐竜のやつまで乗った。どれも人気だったためもう、夕方ごろになり遊園地もライトアップされてきた。でも、この景色きれいだな。その景色というのは桜花と二人きりのベンチで周りに誰もいなく海に向かって座っている、この景色のことだ。
昨日の告白のリベンジなら、今しかない、と思った。
「初めて会った日、覚えてる? 正直、桜花はその頃からあまり変わってないよね。性格の部分とか。いつも、活発的で俺の背中を押してくれた。絶対にこの経験はこれからの人生で役立たせてもらうよ」
「ふふっ。いきなりどうしたの? 輝樹らしくないね」
そうかもしれない。告白前にして少々あがっているのかもしれない。でも、絶対に告白してみせる。昨日はあんな結果だったんだ。そう思うと、若干たてていたプランを変更し、告白する気になった。
「桜花。真剣に聞いてくれ。俺は、お前のことが好きだ。お前が心から守りたい。お前が今地獄にいるなら俺も地獄に行ってお前を救い出す勇気だってある。俺は、お前と一生を歩みたい。付き合ってくれ、桜花」
「……」
桜花は、ゆっくりとうつむいた。
「あの、桜花さん? 返事は今すぐってわけじゃないんでそう悩まなくても……」
「ううん、私ねもう答えはずっと前から決まってるんだ。あなたは私が地獄にいても本当に助けてくれそうな――いいえ、本当に助けてくれたわ。あなたといる毎日、本当に楽しかった。でも、私はもう答えを決めているの」
少し間を置いてから、桜花はうつむきながら答えを言った。
「ごめんなさい」
「え?」
俺は、まさか振られるとは思わなかった。多少の自信はあったつもりだったのだ。だって、キスをしているのに……。桜花は俯きながら続けた。
「でも、でもね。私も輝樹――あなたのことが大好きでしょうがないのよ。これは本当」
「なら、別に付き合ってくれても」
「でも、私はあなたと付き合うために来たわけじゃないの。むしろあなたの敵なの」
「俺は、桜花が敵でもいいよ。君のことが好――」
「私だって本当は付き合いたいわよっ」
俺に怒鳴り散らした桜花の顔は涙でいっぱいであった。
「え?」
「私だって、あなたは最高のパートナーだと思うわよっ。一緒にパフェ食べたり、映画見たりしたかったわよっ。でも、私の仕事はあなたを観察することだったのよ……」
そこまでいい、桜花は泣き始めた。
「え? 俺を観察? どういうこと?」
「それは、言えないわ。でも、あなたは、これから危険な目にあう。だから、私たちが最初に目をつけたの。でも、私はあなたという人に会えて本当によかったと思ってるわ。そして、これからは私のことは忘れて」
「え? 何言ってるんだよ。そんなことできるわけないだろ」
「分かった。なら、記憶麻酔を打ち込むわ」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ。桜花。そんな別れ方でいいのか? お前はそれで満足なのか?」
「ぜっんぜん満足じゃないわ。でも、仕方ないのよ。こういう別れ方しかできないの。なら、私は満足だわ」
その直後、桜花からキスをされる。このキスはいままでで一番良かった。そして、キス終了後俺は、声をかける。
「こんな別れ方って――――」
バンッ。という音が鳴り俺に針のようなものが刺さった。遠のく意識の中はっきりと桜花のこの声は聞こえた。
「いままでありがとう。そして、さようなら、私の最初で最後の最高のパートナー」
私は、輝樹に記憶麻酔ではなくただの睡眠針を打ち込んだ。
そして、彼にかける最後の言葉を言った。
その直後、私の仲間がやってきた。
「お前、こんな別れ方でいいのか?」
「うん。これが最良の道だと思ったから」
「まあ、桜花ちゃんが言うならそれでいいじゃない。で、ボスの命令どおりこの子を3年間だけ無力化させるわ。まあ、これは敵に狙われるのを防ぐためというのは知ってるわよね。その後、桜花ちゃんにこの子を送ってもらうって作戦で」
「はい。分かりました。では、始めてください」
新米の私には分からないことを私の仲間2人はやっている。
「はい。終わったわよ、桜花ちゃん。この子は三年間敵に絶対狙われないからね。さて、この子を先生のところに送ってあげなさい」
「はい」
私は輝樹を運びながら涙を流していることに気がついた。
「私だって、一生輝樹に守ってほしいよ。でも、これ以上あなたを巻き込むわけにはいかない。だから、もうお願いだから私のことは忘れてください」
そして、私は記憶麻酔で輝樹のことを打った。
しばらく遊園地を歩くと、施設のみんなが集まっていた。昨日の晩みんなに記憶麻酔をうったせいか私のことは赤の他人のような目線で見てくる。それは、承知だ。
「あの、この子ベンチで寝てましたよ」
「あら。ありがとね。あなた名前は?」
私は3年前の自己紹介を思い出し、ちょっと笑いながら言ってみた。それは、ただ――我慢をしたかっただけなのかもしれない。強がりだ、といってくれてかまわない。実際そうだから。でも、これが最良の道。そして、これが、彼との最後のあいさつとなるのだから。
「私は、藍神桜花です」
私は、その言葉を3年間お世話になったみんなと彼――――輝樹に言い残して仲間の元に帰って行った……。
すいません。書き終えて分かったのですがストーリーぼろぼろですね。今、メンタル的にもぼろぼろなんで、ちょっとマジでやってみたんですが伏線はぜんぜん回収できないわ、パソコンは壊れるわでもう小学校の感想文レベルですね(え?それ以下?それは勘弁願います)。
さて、今回は別れをメインに色んな手法を使って表現してみました。まあ、僕自身もこの前別れを体験したばかりなんですが、(卒業式というイベントです)やっぱ辛いですね。別れは。あ、これのせいでメンタル崩壊ではないです。
いつもいつも、お世話になっているパクリネタですが、今回も炸裂いたしました。何かもう、私の代名詞がパクリになってきているような……。
今回のテーマである「別れ」は、輝樹と桜花の切ない別れです。
あなたには、こういった別れがあるでしょうか?
もし、それがあなたにとって大切な「思い出」であり、その思い出の片隅にでもこの小説が思い出せてもらえば私としてはこれ以上ないくらい嬉しい限りです。