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R E D  作者: 弓弦葉
第1章
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追憶

 

 蓮が帰国する3日前の出来事。


 郊外にある落ち着いた雰囲気の住宅街に大きな窓が特徴のアパートメント。レンガ色の外壁にネイビー色の窓枠がアクセントになっている。

 6階建ての最上階の角部屋。1LDKの自宅でパソコンと向かい合いキーボードの打つ音が心地よく部屋に響いている。

 10月になり朝は少し肌寒い。カチッとキッチンから音が鳴る。電子ポットが沸いたのだろう。

 キッチンに行き、インスタントコーヒーを淹れる。

ブラックコーヒーを一口飲みながら、携帯に表示された時刻を見る。表示は7:05だ。


(そろそろ産まれるころか?)


 蓮は立ち合いを希望したが、メアリが1人で大丈夫と頑なに言うため自宅で産まれるのを待っている状態だ。


 メアリとは産まれてくるであろう子の母親だ。

大学でシュナイダー博士の講義で一緒になった。それから何度か会う機会があり、恋仲へと発展した。

気が弱いところもあるが、気さくで優しく頑固だ。

結婚はせず、パートナーという形で子を育てる予定だが、未だにお互いの親には会っていない。


 俺は父親には子が産まれる報告のメールだけしている。夏休みに帰国するつもりだったが、ウィルスが拡大し渡航禁止命令がでた。今は落ち着き解除されている。


 メアリの家は田舎暮らしで、父親はいるそうだが複雑な家庭環境らしく、家には2度と帰らずこっちで暮らしたいと言っている。今は出産もあり大学は休学中だ。


 俺は子が産まれると知り、起業をする準備をした。

収入源を確保するためだ。

システムツールを作成しエラーもなく実用化できたのは昨日のことだ。

 さっき、いくつかの会社にサンプルをメールで送りつけた。返信がくればまだ良いほうだろう。

一応、大企業の社長である父親にも送っておいた。

経営に関しては立派な経営者だ。父親が認めれば安堵する。

 他にも収入源はある。特許のライセンス料だ。

これは子供の頃に実験が好きだった俺が、父親に言われて開発し特許を取ったものだが、子供には金額が大きすぎるため父親が管理するようになったため、

毎月10%分だけ今でも振込されている。


 蓮の携帯に着信がくる。病院の番号だ。


 胸の高鳴りを抑えながら、急いで出掛ける準備をし、家を後にする。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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よろしくお願いします。

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