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R E D  作者: 弓弦葉
第1章

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事情聴取

 

「名前と職業は?」

「……久世(くぜ)……藍丸(らんまる)。アメリカの大学で博士の助手をしてます。」


 車内で事情聴取が始まった。


 カフェでの騒動の後、関係者全員は広海の車へと集まった。

 長岡と城田は重要参考人が能力者だった場合に備えていたが、一族が2人いれば大丈夫だろうと任務へと戻って行った。久世の息子ということはまだ知らない。

 残された5人は広海の車で病院へと向かう。

 病院の駐車場には久世の車が残されており、頼人のことも気がかりだったからだ。

 博士の安否については蓮が藍丸に聞いて、無事だということがわかった。

 聖海夜達の居場所については、拓海から連絡があり名古屋にいることを知る。

 名古屋だと西宮司家の方が近い。拓海が渋々……大樹に連絡をしているはずだ。

 蓮と海星は未だに護身獣からの連絡がないことが気がかりだった。

 無事でいてくれることを祈りながら車を走らせていた。


 武田の事情聴取に藍丸は素直に従う。


 父が助手席に座っている。素性がバレた上、もう隠す必要はないだろう。


 素性を隠し、署までの連行を拒んだ理由は、警察関係者の父と兄に迷惑をかけることと、博士からの伝言を早く蓮に伝えたかったからだ。

 連行をされてしまうと、無理強いに犯人に仕立てられて出てこれなくなると思ったらしい。

 ドラマのみすぎだと久世に怒られていた。


 武田は藍丸が現場に居た理由を聞く。


 昨日の朝にアメリカから日本に着いた。

 それからタクシーに乗り、蓮の学生名簿にあった住所へと向かう。

 蓮の連絡先に電話をしても繋がらなかったからだ。

 自宅に到着するも、取り次いでもらえず門前払いをされる。

 諦めて帰ろうかと思ったが、後藤という男が出てきた。

 名刺を渡してシュナイダー博士からの伝言を伝えたいから会わせてくれとお願いをする。

 後藤は名刺と藍丸を品定めるよう見つめていた。

 今すぐ会うのは難しい。連絡をするから今日のところは帰って欲しいと言われる。

 信用していいのかはわからなかったが、なす術がない藍丸は連絡を待つことにした。

 それから近辺のホテルで宿泊し、今日の朝方に後藤から連絡をもらう。

 蓮に会わせるから伝える住所まで来て欲しいと。

 その住所が古びた建物の2階にあったBAR。捕まった場所だ。

 後藤はそこで藍丸と会った後、用事があるからと部屋に居た男に任せて出て行った。

 その時に腕時計を蓮に渡して欲しいと言われる。

 あとは一緒に居た男と話しながら時間を潰し、警察が突入したというわけだ。

 

「一緒に居た男の名前は?」

「名前は知らない。ただ話を聞いてあげてた。」


 彼には多額の負債があり、裏のサイトで能力者の仲間の募集があって応募した。

 しかし敵対行為と言っても過言ではない作戦に怖くなり、彼等の行動を阻止しようと官邸にも連絡したが、実行されてしまう。

 一味から抜け出したかったが、勇気がなくてできなかった。

 犯行グループのことは彼なら詳しく知っているかもしれない。

 

 藍丸は彼の安否を心配していた。

 もし彼ではなく自分が先に出ていたら、吹っ飛ばされていたはずだろう。


「彼なら軽い脳震盪だ。すぐに意識は取り戻すだろう。」


 それを聞いて藍丸は安心する。


 藍丸が事件に巻き込まれたのは、蓮に連絡ができなかったことも大きい。論の能力で直しておけば良かったと後悔をしていた。


「俺に取り次いでもらえなかったのは名前のせいだろうな。」

「名前? レン・ルーズヴェルトだよな?」


 蓮は藍丸に説明をする。

 その名前を知っているのは留学先の大学と裏のサイトで指名手配書を見た人だけだ。実名は天宮司蓮だと。

 藍丸が来て取り次いでもらえなかったのは、指名手配書を見てきた人だと思われたからだろう。

 藍丸は蓮の容姿をみて日本人だったことと、指名手配されていることにも驚く。

 容姿はいつものことだと蓮は気にもしなかった。

 

 後藤は腕時計の発信機に気付いていたのだろう。

 蓮はしてやられたなと悔しがる。

 約8年もの間、蓮に就いていただけのことはある。

 行動はお見通しということだろうか。


「でも、ゴウさんには博士の行方を調べて欲しいって頼んでたんだ。名刺も渡したのなら大学の関係者だとわかると思うし、会わせても良さそうなのにな。」


「SPなら慎重に行動するはずだ。もし、別の誰かが彼になりすまして屋敷に入って襲撃されたら危険だろ? 素性を調べてから会わせようとしたんじゃないか。今となっては別の理由もあったのかもしれない。」


 武田の説明に蓮は納得した。

 藍丸はふと思い出したような顔をする。


「そういえば、後藤という男にネックレスのこと聞かれたな……。」


 蓮は藍丸の言葉に首元を見る。今まで気づかなかったが、見慣れたネックレスをしていた。

 頼人や昨日の能力者達がしていたものだろうか。


「え? 藍丸って能力者なのか? 昨日の犯行グループのやつらもそのネックレスをしていた。」

「長岡と城田もそのネックレスを見て、能力者の可能性があると言っていた。それには何かあるのか?」


 まず藍丸は能力者ではない。

 これは博士との研究している段階で、公にはしていない。つまり機密情報だ。

 しかし最近これに似たようなものが裏で販売されているのを知り、それを探っているところだった。

 誰かが研究の情報を得たかもしれないが、セキュリティで厳しく管理しており、漏洩するとは考えにくかった。

 しかし、BARで一緒に居た男はパソコンを使ってセキュリティを潜り抜け、情報を得る能力があった。

 もしかしたら彼のような能力者が情報を得たのかもしれない。

 

「俺が持っているのはオリジナルで、犯行グループ達が持っていたのは類似品ってとこかな。」

「能力者じゃない人が持つとどうなるの? それって護身獣が見えなくなって、力が増すんだろ?」


 藍丸は今から話すことはここだけの話にしておいて欲しいと前置きし、説明をした。

 護身獣が見えなくなるのは合っているが、能力が増すことはない。

 おそらくは心理的なもので、そう聞かされると強くなったと思い込み、潜在意識が目覚めたのだろう。

 藍丸が持っているものは、他にも性能があった。

 能力者の能力をネックレスに封じ込めるというものだ。

 これを付けていると擬似能力者となり、能力を使うことができる。

 もしもの場合に備え、博士が自分の能力を込めて藍丸に渡していた。


「博士が能力者だったことにもビックリだけど……藍丸は能力が使えるってことか。」

「俺達が侵入した時、扉を爆破したのはその能力なのか?」

「そういうことだね。これには師匠の能力は少ししか入っていないから大したことはできないけど……ただ、これが公になってしまうともっと大変なことになる。」


 これを使えば誰もが能力者になれる。

 このことが世に広まったとすれば、能力者になりたいと欲しがる者が増え争いが始まる。そして能力者の犯罪も増えるだろう。

 

「待て、藍。すでに能力者の人がそれを持つと、能力が2つになるということか?」

「さすが、父さん。その通りだよ。」


 博士はどうしてこれを研究としていたのか蓮は疑問に思う。

 とんでもない代物だ。

 理由は藍丸なら知っているだろうが、そこまでは教えてはくれなかった。

 自分からは言えない。博士の口から聞いてくれと。

 そして、博士から預かった手紙を受け取る。

 蓮は封を開け、手紙を読んだ……。


「博士に会いに行くよ。場所を教えてくれ。」


 蓮は真剣は眼差しで藍丸を見つめていた。

 

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