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転生つぎはぎキメラの冒険譚  作者: ぐみうみさんば
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試用

 突然だが、この体は無機物も接ぐことが出来る。例えば全身に石を接いで、鎧として使ったりすることも、出来ることにはできのだ。重たいからやらないだけで…

 つまり。

接業(ツギ)ッ!」

 武器も次ぐことが出来る。スライムで作っていた右腕を解き、購入した円刃武器を、接ぐ。

「っ、重ッ…」

 腕に接合されたそれは、見た目通りの圧倒的な重量。今のままでは、振ることはおろか持ち上げることさえ出来ない。…であれば。柄の部分全体に、圧縮させたスライムを纏わせる。

「っよし、上手くいった。まだ結構重いけど…振れる。」

 今できる全力で圧縮し、強化されたこのスライム体を柄全体に纏わせたならば、無理なく触れる程度にはなった。


「さて、こいつが一体どんなもんなのか…鑑定(サイト)!」

 _____

 血魔旋刃 『ペゾカトル』


 固有武技 【肉削吸血(ブルードエッジ)

 刃を回し、肉を削ぎ、出血を強いる。更に、その血を刃に纏わせ、血刃と成して、範囲を増す。

 _____

 か…カッコイイ。…しかし、相手がいないから試せない…し、何より部屋の中だし…まぁ空打ちなら大丈夫だろう。

「【肉削吸血(ブルードエッジ)】!」

 少しの魔力を使った感覚、そして勢いよく回り出す刃。破砕機のような勢いのそれは確かに、少しでも当たれば確実な出血を強いるものだとひと目でわかる。

「っと、止まれっ」

 ガキンっ、と音がなり急停止した。しかし、それによる反動などは感じない。すごいな…

「なるほどね…これは確かに、すごい…」

 そうして、一通り確認を終えたところで、スライム部の圧縮を解きペゾカトルを腕から剥ぐ。あー疲れた…

 この全力圧縮、足に使ってるスライムの密度をギリギリまで低くして、余剰分で心魔晶に貯めているスライムも全て使っている。そして、圧縮を強くすればするほど、魔力の使用量が上がっていくみたいだ。そのため、長く維持している相当疲れるのだ。普段の手足程度ならば気にならない程度なのだが、あの圧縮は持って3分と言ったところなのだ。


「そんなことは置いといて…こっちの大剣はどんなもんだろうな?」

 大剣のほうはペゾカトルと違い、圧縮をしなくても何とか持てる程度の重みだった。まともに振るには流石に少しは必要だが、それでもペゾカトルに比べると随分少ない圧縮度合いで問題なさそうだ。

「さて…接業!!そして鑑定!!」

 _____

 噴焔魔剣《残光》

 固有武技 【|俊爆閃】

 炎と風のグリフに魔力を貯め、任意のタイミングで解放させることで爆発的な推進力を生み出し相手を切り伏せる。攻撃時、ふたつの属性を刃に纏わせる。

 _____

 しゅんばくせん…こっちもかっこいい…

 さすがにこれは室内で試す訳には行かないので、エピと使ってた森近くの空き地を使おう。あそこなら人もほとんどいないし、試し斬りに使えそうな木もある。


 空き地で、少し振ってみたが、なるほど扱いやすい。普通じゃない見た目とは裏腹に、振り易さと攻撃力を両立した重心や形状は、確かに職人の技を感じる。

「それじゃ…いくぜ、【俊爆閃】ッ!!!」

 途端、体に凄まじい衝撃が走る。気づいた時には、身体は数メートル前方にあり、そして右腕が地面に思いっきり突き刺さった状態で地面に倒れ伏していた。

「 …!?!」

 何が起こったか分からず呆然としていると、後ろからスドォン、と大きな音が聞こえる。咄嗟に振り返ると、そこには直径1mはあるであろう木が、根元から"圧し切れて"いた。綺麗な切り口ではない。むしろ、千切りとったかのような粗雑な断面。

 つまり、ちゃんと刃で切れてない。それで、これだ。とんでもない威力だ…威力なんだが…

「これじゃまともに扱えやしないな…」

 使う時は、一旦普通の大剣として使おう。それでも十分に強いだろう。


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