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転生つぎはぎキメラの冒険譚  作者: ぐみうみさんば
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勝者の特権

 倒した。倒したが、俺もあまりにも瀕死だ。よく生きてるなと思うと同時に、このままではあいつの死体の横で共倒れることも確実だ。とにかくまずは止血。

 せっかく倒したんだ、あいつの核を使ってしまおう。爆散した影響で少し遠いが…這ってなんとか近くまでたどり着く。引きずられた断面がゴツゴツした洞窟の床に擦られて気絶しそうなほど痛い。

「あ゛ッ、いぎっ…ゔぅ…つ、接業(ツギ)…!!!」

 もう無理。ある程度まと近付いてそう宣言すると、腰から肉が伸びていく。割と距離があってもどうにかなるようだ。良かった。伸びた肉体が、その青くきらめく結晶を掴み、同化する。

「…よし……ッおぉ?!」

 溢れ出す青い粘液。普通のブルースライムの時とは比べ物にならない量のそれは、この広い空間の半分を埋め尽くすほどのものとなった。

「うわ…と、止まった…?これ…あいつの元のサイズまんまじゃん。」

 傷口は塞がったが、見た目はどうしようもなくなってしまった。…とりあえず確認。

鑑定(サイト)!」

 _____

 メガ・ブルースライムの心魔晶 魔力+40 筋力+40 体力+40

  追加部位技能

  [硬化] 粘液部分を硬化させる。どの程度の硬度にするかは使用者の自由。

  [同化] 1000000体吸収でギガントになる

  [圧縮] 粘体部を圧縮し、筋力と速度を上昇させる。

  [膨張] 強度を犠牲に巨大化する

  [模倣] 過去に装着したことのある部位をコピーする。ただし、メガ・ブルースライムの心魔晶より高位のものほど、コピーの精度は下がる。一度にコピーできる部位は3つ。

  [急速充填] 消耗した粘体を急速に再生させる。数十秒無防備になり、また魔力を多く消耗する

 _____

 こ、れは……だいぶ強い。苦労して倒した甲斐があるというものだ。そしてこれならもしかして…

「あ…圧縮…模倣!」

 空間を覆う粘体は、数秒でその体積を減らし、そして数瞬のうちに失っていた脚、右腕の形を構成した。

「っキタコレッ!!すご、感覚があるようなないような……ちゃんと脚が…腕がある…」

 色々試してみたところ、模倣しなくても腕から元のスライムを伸ばしたり、硬化させて剣みたいにしたり等、単純な形は作れる。そして、模倣を使えば、腕を生やしたり、大鋏を生やしたり等、細かい形を作れる上に、能力まで模倣できるようだ。

 ____

 巨蟻(ジャイ・アント)の大顎・青粘図(ブループリント)

 巨蟻の砕牙(ジャイアント・キリング)青粘図(ブループリント) 相手の強さに応じて、自身の筋力を高める。筋力を耐性値除く対象の(総ステータス-自身の総ステータス)の20%強化する

 _____

 部位による能力上昇こそないものの、技能の方はオリジナルと完璧に同じ力を持っている。

「薬草採取に来ただけなのに、こんな副産物が手に入るとはな。」

まあ、その肝心の薬草は半分以上使っちゃったんだけど。この洞窟にいっぱい生えてるから補充しておこう。

と興奮冷めやらぬまま、洞窟内で採取をしていると、ちょうどあのスライムがいた後ろに俺1人が屈めば通れるくらいの小さな穴があった。近づいてみると、髪が少し靡き、血と汗と、スライムに濡れた肌にひんやりとした感覚が訪れる。

「もしかして…!」

迷わずその穴に飛び込んで、低い天井に時々頭をぶつけながらも進んで行った。

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