異形バレ
日に日に文章が下手になっている気がします
…んん…
「おぅい……」
誰…
「ルシ…くーん。…ぅむ、起き…ねぇ…」
女将さん…?
「それ以上起きなきゃちゅーするぞ。」
「ッ?!」
跳ね起きた。
「おや残念、起きちゃった。」
「あ、あんまりからかわないでくださいっ!!」
この人はこう言うところがあるから良くない。
「ふふ、つい。それで、大丈夫かい?体の方は。」
「え?…あ…っと。」
そうだ、俺はあそこで牛達を倒して…それから…
「あれ…?」
「はぁ…遅くなっても帰ってこないから心配で見に行ったらこの子達と一緒に倒れてんだ、おばさんびっくり。」
ふと女将さんの後ろに目をやると、あの時俺が倒した牛が山積みになっている。
「あ…女将さんが運んでくれたんですか?ありがとうございま…す……?……ど、どうやって?」
俺はともかく牛は軽く見積もっても1匹1トンはありそうな巨体なんだが…と言うかそもそもどうやって見つけてくれたんだ…?
「まほーでチョチョイとね。昔は結構有名な魔女だったのさ、帷の魔女なんて呼ばれちゃって。うひゃー恥ずかしい…ま、今はひっそりとこんなとこで宿をしてるただのおばさんだがね。」
「へぇ…!」
知らなかった。すごい、超かっこいい。
「ふふ、なんだいその顔…まあ、憧れちゃってもいいんだぜ?…なんてね。」
「わっ。」
キラキラと見つめていたら鼻をチョンと突かれた。うひゃあ…
「さて、じゃあ今度は私の質問の番。…んっとねぇ。気になってたんだが、…なんだい?そのチャーミングなしっぽとお耳、それから角は。右腕だってそんな砕けちゃいるが蟻んこのだろ?」
「えっ」
あっ
……
わ、忘れてたッ?!
牛の脚だけ外して満足してッ…
「え、えーと…これはその…」
「…なんか事情があるんだね?…話せたらでいいから教えてくれるかい?」
「……はい。」
もうここまで見られたら逆に説明しない方が怪しい。技能と生まれ…種族くらいは話してしまおうか…。
「…えっと__」
「ふんふん…そっか。何も分かんないのにあんな森に気付いたらいて、それからねえ…。そりゃあ随分大変だったね、怖かっただろう?よしよし…」
「んっ…そ、それだけです?」
「ン?まあ…そうさね。人に仇成す魔物とかだったらそりゃ放っちゃおけないが…人の言葉話してくれて、美味い美味いって飯食ってくれるなら十分さ。可愛い可愛いルシルくんだ。」
「お、女将さん…!!」
かっこいい。なんてかっこいいんだ…惚れてしまう…
「さ、この子らどうする?お肉譲ってくれるならそれ使って飯作ってやるよ?」
「お…お願いします!!」
「うし、元気でよろしい。…せっかくだ、ちょっと手伝いな。ついでに能力を見せておくれよ。」
「はいっ!」
牛の皮剥ぎ、肉の処理等のお手伝いをしていく中で、接いで剥いでを繰り返して分かった能力がこれだ。
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銅角牛の毛皮 体力+5 靱性が高く、纏えば、身を守る防具となる。
紅角牛の毛皮 体力+20 靱性が非常に高く、火に強い。 纏えば、身を守る防具となる
銅角牛の角 筋力+10
追加部位技能
赤熱突貫 肉体をフル稼働し、身体能力を向上させ全身全霊の突進を行う。全身は熱を帯び、 赤い角は更に赤熱する。筋力、敏捷にボーナスを与える。スキル行使時、身体に大きな負担がかかる』
紅角牛の角 筋力+15 魔力+5
追加部位技能
白熱突貫 肉体と魔力をフル稼働し身体能力を向上させ、また、自身の存在を魔力で補完 しより大きなものとし全身全霊の突進を行う。全身は熱を帯び、紅い角はついに白熱する。筋力、敏捷にボーナ スを与える。スキル行使時、身体に大きな負担がかかる。
銅角牛の強脚 筋力+10敏捷+5
獲得追加技能
突進 突進を行う。筋力、敏捷にボーナスを与える。
紅角牛の剛脚 筋力+15 敏捷+15
獲得追加技能
剛力 行使時、筋力+30
突進』
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おぉ…!どれも中々強そうだぞ…これでこそ苦労して倒した甲斐があるってものだ。
「…聞いたのと見たのとじゃ、こう、感じる異様さが段違いと言うかなんというか…すごいねえ。」
牛の脚を持ち、角兎と牛の角をつけ、ウサギの耳と尻尾を持つ少年の異形を見て、女将さんは一歩引いて苦笑いしながら汗を一つ垂らす。
「…うーん、本当に誰にも見られちゃいけないね、これは…すぐに討伐されちゃう。」
「そんな……まあ、そうですよね…」
見た目があまりにもバケモンすぎる。こんなん見たら誰だって逃げるか殺すかするだろう。
「…ところで、これは好奇心なんだが。今は紅角牛の脚だけつけているだろう?その状態で更に銅角牛の脚ってつけられるのかい?ほら、その角は同時につけられているだろう?」
「え、どうでしょう…」
元々の脚が2本だから無理だろうと思っていたが…試してみるか
「接業っ!」
うぞぞ、と銅角牛の脚が動き出すのと同時、下半身が変容する異様な感覚。見ると、腰から下の肉体が広がり、牛の脚を取り込んでいた。
「…いけ、ましたね…。」
「あ、あぁ。ただ…」
キモい。あまりにも異様だ。人の皮膚が広がり、腰から下が牛の胴体のような形を形成して、その形成の中程から牛の毛皮になっている。中途半端なケンタウロスみたいな感じだ。
それに、ズボンが大変なことになってしまった。
頭が働かなくって…(言い訳)