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地形

朝ご飯は大切だから、毎日キチンと朝食を食べてくるように。昔、学校で言われたそんな言葉をふと思い出した。


由香里は、身体の軽さに驚いていた。


この地に流れ着いてからまる二日経っている。死にそうな状態から、なんとか歩ける状態を経て、そろそろ元の状態近くにまで体力が回復していることを期待している。

そんな願望もあって、調子が良くなっているのかもしれないが、昨日の朝食べたセリの朝ご飯よりも、今朝のサンドイッチの方が文句なく栄養バランスのいいキチンとした朝食だ。


やっぱり食事は大切なんだな。先生もためになることを教えてくれてたのねぇ。


さぁ、今日も美味しいものを見つけるために、頑張ろう!


やる気満々の由香里は、着火の魔道具を腰に差し、ピカピカの短剣を右手に持つと、新たな餌場を開拓するために川を遡ってみることにした。


川は動物の水飲み場であることも多いので、しっかりした武器を持っていなかった由香里はなるべく近づかないようにしていた。

草原を流れている川沿いならまだ見通しもいいが、林の中は怖い。木の陰から危険な動物が飛び出してきたら、必ずパニクる。


けれど、今の由香里には怖いものなど何もない。


「フハハッ、私の右手には魔剣が降臨した。もう魔物も熊も怖くないぞぇ」


中二病全開のアホガールごっこをしていた由香里だったが、川沿いを上流に向かっている時に一つ気づいたことがあった。


この川って、北の方に真っすぐに伸びていっていると思っていたけど、微妙に西に向かって曲がっていってない?

昨日見た、湿地帯の奥にあった西の沢のことを思い出す。


ということは、テントを出した場所はまずかったかもしれない。

由香里にとってすっかり馴染んでしまった、漂着の砂浜の先にある「はじまりの草原」は、二つの川に挟まれた三角州の可能性がある。林の木々が周りの林と変わらないくらい成長していたので、全然、気づいていなかった。

気づかなかったくらいだから、すぐに洪水の危険はないのかもしれないが、なんだか落ち着かない。地面の深いところにはまだ水脈が流れているかもしれないし、湿気はテントだけでなく人の身体にも悪い。


明日のポケット枠を二つ消費してもいいから、川を渡った東側にテントを移すことにしよう。


アホではあるのだが、腐っても29歳の社会人だ。こういう経験がものを言うウンチクも少しは持っているのである。

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