2.『一般人にあべこべ小説が通じなかったので、説明してもいい?』
現代・FS・転生・転移・TS、なろうには様々なジャンルが存在している中で、私はあべこべジャンルがとても好きだったりします。
あべこべ物っていうのは簡単に言うと、男女の様々なことが入れ替わってしまった世界のお話です。
あべこべ物の醍醐味はもちろん、周囲の性差が入れ替わってしまったことによるアレやコレやなんですが、そもそも男女の差って一体何なのでしょうか?
一番わかりやすいのは肉体的・物理的な面における差だと思います。
遺伝子的XYやXXなどと硬いことを言うつもりはありません。
性同一性障害や性転換手術等の特殊事例を除き、一般的に、精巣がついているのが男性、子宮がついているのを女性とします。
もっと簡単な表現はいろいろ危険があるのでしませんが、あとの話でガッツリと出てくると思います。
しかし、私が最近読んだ「あべこべ」物においては、この物理的な性差は逆転していません。
この肉体的な性差が入れ替わってしまうのは「あべこべ物」ではなく、いわゆる「TS物」と呼ばれるジャンルに多いと感じています。
そもそも「あべこべ物」は主人公が普通で、周囲の価値観が入れ替わっているものをさすので、肉体が入れ替わってしまうともう何がなんだかわからなくなります。
また、「女性が男性になるTS小説は、女性市場で受け入れられているのか?」と
「バ美肉」について、男女の入れ替わりとしては色々気になる要素が多いのですが、話が飛びすぎてしまいそうなので考えないでおきます。
では何が入れ替わっているかと言うと、まずわかりやすく逆転しているのは「社会的立場」です。
例えば中世ファンタジーであれば、騎士になるのが女性であり、オークにくっころするのが男性です。
現代もので考えるならば、「大黒柱」が女性であり、男性は「大和撫男」がモテるとされるとされた古い時代を乗り越えてきた世界設定となっています。
もちろん、この世界設定だけでは話を盛り上げることは不可能です。
だってこれ、「男性」と「女性」という名詞を逆転させているだけなので。
そのため「あべこべ物」では、今の私達に近い価値観を持っている主人公の存在が書かせません。
主人公が、男性がくっころする世界でどのように過ごしていくのか。
様々な作品の作者様たちは、ここに色々な創意工夫を残してくれました。