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11.『面白い小説っていうのは世界設定とかじゃなくて、いちばん大切なのは登場人物の動きだって思うんですよ。』

タイトルに他意はないです。むしろどんな世界観でも面白いものは面白いってことは再確認していきたいです。「ナーロッパ世界観は全てつまらない」って意見は、書き手側じゃなくて読み手側の楽しむ力が足りてないだけじゃないですかね?


違う違う、こんな思想を話したいわけじゃないんです。

前半で「あべこべ物は別になにも入れ替わってない」って言っちゃったので、別にあべこべ物が悪いって言っているわけじゃないよって、言い訳したかっただけなんです。はい。


こんなに長く駄文を書いてしまっているのでそろそろ終わりしたほうが絶対に良いのですが、最後にちょっと検討したい項目があります。


というのも、何回か同じことを言ってしまっているのですが「あべこべ物」において、全てを逆転させると「もしも自分性別が逆だったら」というTS小説と変わらなくなり、あべこべとしての話が進まない問題です。



なおこれ別に「あべこべテンプレートはこうあるべきだ」という話ではないです。

「ここを男女で反転させたらこういうフックがあるのかな?」ってことの確認です。


1つ分かりやすいのが

「あべこべ世界において、子を生むのは女性か、男性か」です。

これに関しては、男性が妊娠をするようになってしまうと話をコメディにするのはちょっと大変かもしれませんね。


また男性が妊娠する世界であべこべさせると、つまりは現実世界の男女の外観だけが入れ替わるだけで何も変わらない世界になるのでしょうか?

そこに男女の精神的なことを含めると設定や思考実験は組みごたえがありますが、ストーリーとしての組み立ては難しいかも?



そして「男女の肉体差を逆転させるかどうか」

またこれに付随して「社会的地位の歴史を逆転させるかどうか」です。


これについては、比較的入れ替える必要があるのかな?と思っています。

ただし肉体的に女性が強い世界において、妊娠などの生物的な面でも女性が優位になってしまった場合「男性の価値」というものを非常に見出しづらくなるかと思われます。


なお上記も含めて、肉体機能でちょっとおもしろかった検討項目が、

「あべこべ世界の男性は母乳が出るか?」です。

男性だけしか母乳が出ないならば、母乳に意味をもたせれば男性の社会的役割ができます。

が、そうなると主人公が母乳を出せなくなるのかな?

どこまで入れ替えるかが鍵ですね。



「男女の口調は入れ替えたほうが良いのか?」

これに関しては、私の好みとしては「No!」と主張したいです。


昨今の小説や、リアルの女性を考えたときに、現代ではあまり男女間の口調の差というものはなくなってきているように思えます。

ただし、小説としては「誰が話しているのか」という明確なキャラ付けになるので重要な要素でもあります。

更に言えば「あべこべ物」においては色々逆転しているので、口調まで入れ替わってしまうと、私の混乱は必至です。


まぁ、それでも口調はそれだけで大きな意味を持たせられるツールなので、有効に活用するべきだとは思っています。



「主人公以外の男性は、オカマっぽいか?」

この問題は「オカマ」というものをどう捉えるかが鍵となります。

というのも、オタク文化において「オカマ」という名詞には、一種のテンプレート的要素が存在します。


オネェ語、乙女、力が強く、見た目がとても男性的で、超有能。

もちろん価値観の逆転が起こっているので、主人公以外の男性は元世界の女性的な精神要素を含んでいることになるのでしょうが、安易に「オカマ」という一言で片付けてほしくないというのが私の意見です。



「改変後女性の性癖はどうするか?」

何度も言っていますが、男はおっぱいに興奮します。

だからといって、改変後女性が男性のおっぱいに興奮する、というのは安易ではないでしょうか?

男が母乳を出す設定ならまだしも、乳も出ない、膨らまないとなったときに、はたして女性は興奮してくれますか?


とある小説で「改変後は男性の身長が女性に対するセックスアピールになる」という設定は大変興味深いものでした。


「おっぱいは大きいのと小さいの、どちらに興奮するか」という話において、

きっと大きいほうが良いという意見の方が一般的でしょう。

なぜなら、ちっぱいはロリを連想させるものであり、世の中でちっぱいに興奮することを認めるとロリコンという烙印を押されかねません。


あべこべ世界で身長というものは、ショタのうちは小さく年齢で大きくなるものであり、何より元の男性の価値観において身長というものは身近なのでガードがゆるくなります。

話のフックとしてはかなり練られている設定なんじゃないかと思います。


他にもきっと考えれば面白い設定が出てくるとは思います。

ただし忘れちゃいけないのが設定作りよりも、その設定でキャラクターの関係性がどうなるのか、どう組み込まれるのかが難しくなりそうです。



「改変後男性の性癖はどうするか?」

どうもしなくて良いんじゃないですかね?という暴論になりました。

というのもこれ、男性の社会的立ち位置をどこに収めるか考えないと検討できないかなと。


一番の原因は、肉体を入れ替えないあべこべ世界にした時、自身の性欲があることによる男性の利点ってなにもないんですよね。


快感が強い訳でもないし、妊娠のリスクがないから精神的な自己防衛も必要ないし、一人あたりの卵子の数に対して精子の数が多すぎますし、肉体的な能力も下げればホント種としての存在価値がない。あれー?どうしてこうなった?


やっぱ男子は一度絶滅させかけないとダメなんですかねぇ。

それか彼ピッピしゅきしゅきビームの発動条件みたいにしないとダメなんですか?



「その世界において、主人公が求められる理由は何?」

あべこべ世界はその性質上男性が女性の下位互換の生物となります。

そうなってくると必然的に男性を子種製造機的な「奴隷とまでは言わないけど・・・」って状態か、ペット枠か。そういう世界で頑張る男性という方向で、話にスパイスが乗るのでしょうか。


わかりやすく解決させるなら「男性数の減少」ですね。

結局現在の「あべこべ物」におけるこの設定は、こういう理由で採用されていると思います。



今回の検討だと性欲中心に色々考えてみたのですが、他にもきっと男女の性差はたくさんあると思います。

例えば女性の共感能力とか、所作全般とか。

もうざっくりと女性の所作の理由は、意中または意中外の男性の性欲対策って暴論を展開するところだったのですが、面倒になってきたのでこの辺でいいのかなって思います。


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