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白の魔女の世界救済譚  作者: 月乃彰
第七章 暁に至る時
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7−91 調査と調教

 人が集まるところでエストは聞き耳を立て、おそらくこのパーティーの主催者の会話を聞いた。内容に特筆すべきものはなかった。よくある会話しかなかったから、彼女はさっさと自分から話しかけに行く。

 ノトーリス家の現在の立場だが、中立だ。どこの派閥にも所属しておらず、なんなら自分たちが新たに派閥を作ろうとしているぐらいだ。つまりは決めかね中というわけである。


「ご機嫌よう」


 人が少なくなるタイミングを見計らい、エストはサザン家当主、ルーク・オルトナ・ゼインスターズ・サザンに声を掛けた。彼はエストの美貌に顔を赤らめることはなく、しかし一瞬動揺した後「何かな?」と優男に相応しい声色で応えた。彼は赤色の長髪を無意識に触り、糸のように細かった目を開いて青色の瞳を曝す。

 丁度頭半分ほどの身長差があるため、エストは上目遣いで笑顔を浮かべた。勿論演技である。彼女は自分の容貌を理解しているのだから。


「私は■■■・■■■■・■■・ノトーリス。覚えていますか? サザン侯」


 メリーという名前は既に学校で使っている。ここで下手に名前を使うことはできない。だからエストは名前に認識阻害の魔法を行使した。長い間使えば名前が思い出せないと違和感が現れるだろうが、この後記憶消去する予定なのだ。特に問題はない。


「これはこれは、ノトーリス侯爵令嬢⋯⋯はて──いや、()()()()()()()()。見違えるようにあの頃からは成長したようですね」


 エストの外見年齢は十八歳。対してルークの外見年齢は三十五歳ほどだ。彼の過去の記憶にエストとの出会いを詰め込んだ。少なくとも初めましての関係よりは良好に話ができるようになった。


「ええ。ここに来たのも半分ほどはあなたに挨拶をしたいと思ったからです。御義父様にはかなり無理を言いましたがね」


「ははは。侯爵も愛娘には強く出られない父親ですか。確かに護衛の一人もなしではさぞ心配したのでは?」


「私より強い護衛が居れば良いのですが、生憎、私一人であるほうが動きやすくて。心配はしても、納得はしてくださいました」


 世間話はここまでだ。エストは「ところで」と会話を続け、早速本題に入っていく。


「サザン侯、選挙の方は如何ですか?」


「もう半分の用事だね。当然、順調ですよ。投票こそまだ始まってはいませんが、民の様子を見ている限りだと半数は得られそうだ」


「なるほど」


「そしてノトーリス侯爵が我々の派閥に参加しようものなら、過半数に達するでしょう。聡明な貴女がわざわざここに来られたということは、それが狙いで?」


「ふふ。お見通しでしたか。まあ、はい。私たちとて勝ち戦の方に乗らない理由はない。自分で言うのもあれですが、いくら有能でもそれを発揮できなければ意味がないでしょう?」


 つまり、二人の会話を要約すると『ノトーリス家の名声を利用させて投票の過半数をやるから、こっちにもそれなりの権利を分けろ』ということである。さらに言えば『ノトーリス家がサザン家の敵に回ったら票を奪うぞ』と脅している所もある。我ながらに中々に性格が悪いと思うエスト。その思いに反して彼女の精神が浮かべる笑顔はいつまでも止まない。


「確かにそうですね。あなたはただの賢者ではありませんので何とかしそうなものですが、労力の大小は明白。⋯⋯ノトーリス侯にそのお話は? 貴女は少し言葉足らずな所がある。幼少期によくそれで勘違いがあったはずですから、確認しておきたい」


 エストはそのような記憶をルークに埋め込んだ覚えがない。寧ろ完璧美少女像を見せていたはずだ。にも関わらず少しおかしな記憶が彼にはあるようだ。


(⋯⋯誰かと間違っている? 全く別の人物であれば完全に別人として分けられるはずだけど、私と似ている子が居れば、混在する可能性は無きにしも非ず。過去に似たことはないから確証はできないね)


 エストは少し気になったので彼の記憶を覗き込んでみた。すると驚きの記憶を視た。彼は実際にノトーリス家と交流があったのである。そして、比較的にエストに似た少女の姿がそこにあった。ルークはその少女とよく遊んでいたようで、かつ、かなり懐かれていたらしい。それもあるが、また別の理由で彼女は驚いた。その少女にエストは見覚えがあったからだ。


(へぇ⋯⋯何だかやけに放っておけないと思っていたら、血縁者だったのね、あの子)


 このルートではまだ会っていない白髪の少女。エストと同じくアルビノで生まれた子供であり、五年以上前にどこかへ消えた女の子。名前を、エレノア。テルムの連れていたあの子供だとエストは確信した。


(で、あの子は娼婦堕ちしていたはずだ。ここから聖王国までかなり離れてるけど、まあ、そりゃそうか。この大陸で娼館なんてあるの、今あの国ぐらいだし。というか法律で殆どの国は売春行為禁じてるから、あの国でも表向きはないはずだけどね。⋯⋯適当に捨てられ、生き残ったとしても、奴隷商人に捕まりそのまま⋯⋯っていうこともあり得るかな。あの子凄い可愛かったし)


 自称も他称も超美少女のエストが褒めるぐらい可愛いエレノアの性的な需要が高まることは至極普通のことだ。奴隷商人も犯罪行為であるから、できるだけ商品は高値で売りたいものだ。ならばわざわざあんな遠方まで出向く価値があるというものである。


(やっぱ貴族嫌いだよ。あの家、滅ぼしてやろうか。善人そうだから見逃してたけど、十中八九内側はドス黒いね)


 エストの元々の計画では、さっさと黒の教団の所在地を割り出してその周辺一帯のみを焼き払うことを考えていた。それならば殺し尽くせるだろう、と。しかし計画は変更。


(ちょっとお掃除含めてこの国で大災害を起こそう。そうだそうしよう。私も完璧じゃないからね。全部焼き払わなくちゃ安心して眠れないよ)


 ならばどうするか。答えは手の平の上に最初からあった。

 セレディナたちを呼ぶのだ。幸いなことにセレディナとは通話できるように、魔法的なアドレスのようなものを交換している。つまり今回だとエストが一方的に知っているのである。そこで脅迫、大罪魔人を召喚する魔導書で釣れば、ここに来るだろう。それから大災害を引き起こす。おそらく、否、きっと大勢が死ぬ。しかし、


(それを私が解決すれば、この国を味方につけることだってできるかもしれない!)


 一国の協力はやはり大きな力となる。これから攻めるのは、あるとすれば黒の教団の本部だ。もしくは黒の魔女ただ一人であっても、一国の軍をぶつければ多少はリソースを削れるはず。別に人間がいくら死んだって良い。エストの精神に悪影響は一切ない。それに、世界を守るという崇高な目標を掲げれば、死ぬのだって喜ぶことだろう。


(いいじゃんこの案。そうさ。最初から大事にせずに解決してれば良いってもんじゃない。私何考えてたんだろ。使えるものは全部使うってのが私の流儀でしょ? ならマッチポンプでこの国を手札にしようか!)


 六割、私怨があるから。三割、面白そうだから。一割、戦術的価値故にエストはこの国を壊滅的危機に追い込むことを決定した。

 これでは最早英雄を名乗れるものではなくなったが、元々英雄になるつもりもないし、救世主にもなろうとしているわけではない。エストはただ、自分の為にしているだけ。自分の『欲望』が何より優先なのだ。


「⋯⋯えーっと、令嬢? 先程から黙ってどうしたのかな? お腹でも痛いのですか?」


「あなたデリカシーないって言われません? いえ、痛みはありません。少し考え事を。きちんと私の話が御義父様に通じていたかを思い返していました」


「そうですか。⋯⋯私としては、ノトーリス侯爵に参加して貰えるのなら、それ相応のお返しをしようと考えております。是非、お願いしますね」


「⋯⋯分かりました。では後日、返事をさせていただきますね。⋯⋯そうそう、最後に一つ」


「はい?」


「あなたの後ろ盾には気を付けておいたほうが良いですよ」


 そしてエストはルークの記憶を消去し、その場から立ち去る。その場で自分たちの会話を聞いていた人物の記憶も弄ってから、彼女はようやくパーティーから退席した。


「何か食べれば良かったかな。あの場所、食べ物だけは良かったし。紅茶美味しそうだったし」


 そんな後悔を口にするが、エストの目的は達成されたので気分は上々。


「私も幸運だね。まさか最初に参加したパーティーの主催者が当たりだったとは」


 エストはルークの記憶を読み取ったとき、黒の教団と対談していた記憶を視た。彼はそれらが黒の教団だとは知らない様子だったので最後に忠告した。これから滅ぼすのだ。この忠告は情報料と塵芥程の謝罪料である。とは言っても、記憶は残しておいてあげたのだが、おそらく意味はないだろう。いつの間にか頭の中にある忠告など、夢か何かの話だとして忘れるはずだ。

 とにもかくにもやる事は決まった。前回のルートの『王国への魔王襲撃』を、今度はより大規模に、より悲惨に行うのだ。そしてそれを解決するのは誰でもない、白の魔女、エストである。


「ふふ。最高のマッチポンプだね。⋯⋯セレディナを味方にして動かせるように変装させないと」


 エストはこの作戦を煮詰めながらノトーリス家に帰宅する。


 ◆◆◆


 黒髪の少女はスズル多種族国家のとある都市を歩いていた。彼女にこれと言った目的はなかった。強いて言うのであれば黒の魔女との取引内容、白の魔女の殺害ぐらいだ。彼女にとってのそれは悲願である。だから少女──セレディナはメーデアと協力した。


「⋯⋯⋯⋯」


 セレディナは吸血鬼であり、食事の必要がない。睡眠もだ。しかし衣服は羞恥心があるから必要だし、自分が吸血鬼だと知られると色々と面倒があるから食事も睡眠も取るフリをしなければならなかった。当然出費が出る。よって彼女は働かなくてはならなかった。

 働くと言っても人間の下で雇われる気はない。適当に魔獣でも魔物でも狩り、死体を届けるだけでそれなりの金は手に入る。

 だが、セレディナの外見はあどけない少女そのもので、そういった目的で絡まれることも少なくなかった。


「⋯⋯で? 私を尾行して何が目的だ?」


 セレディナはあえて人気のない場所に向かった。尾行者はそれに気が付かなかったようだ。また、彼女は人間を殺さない程度に痛めつけるのかと退屈に思った。が、今回はどうやら違ったようだ。


「久しぶりね」


「──っ」


 ──セレディナの前に立つのは白髪の魔女だ。忘れることはない。彼女の両親を殺した仇。彼女がこの五百年間、ずっと憎しみ続けた最悪の魔女、エストだ。

 セレディナは会話を捨て、片手に黒刀を創り出し、一直線にエストに突進する。黒刀を薙ぎ払うも、エストは左手を上げるだけでセレディナの体が宙を舞った。


「まあまあまあ、私はキミと争いに来たわけじゃないんだ。だからその刀を落としてね」


「誰がお前なんかを信用するか!」


 エストの重力操作をセレディナは意に返さず、翼を利用してもう一度距離を詰める。今度は黒刀を投げ付けた。しかしエストには刃先が掠りもせず、寸前で止められる。そしてあろうことか刀の先はセレディナの方を向いた。


「キミは私に勝てない。この重力操作を突破できないなら尚更。⋯⋯ま、話を聞いてもらえないなら聞いてもらえる体制にしてあげれば良いってね」


 セレディナの周りを囲むようにして、無数の白の魔法陣が展開される。彼女も魔法の勉強はしている。これら全て、〈次元断〉だ。こんなのに命中すれば即死するだろう。


「今から殺されて私に蘇生されるか。諦めて話を聞くか。選んでね、魔王様」


 エストは薄っすらと笑みを浮かべて質問した。対してセレディナは一瞬だけ驚き、それから顔を手で覆って天を仰いだ。


「⋯⋯くくく。はははははっ!」


 セレディナは唐突に高笑いを始める。死に直面した人間は発狂すると言うが、彼女のそれはまるで違う。苛立ち、怒りを通り越して最早笑うしかなくなった、という感情を暴露したのだ。だがこれも一時的なもの。すぐさま笑いにより消し去った憤怒は復活する。


「ふざけろ! 平和的交渉? 笑わせるな! お前が五百年前に何をしたか覚えているのか!? 突然私たちの前に現れ、私たちを襲い、両親を殺した! そのお前の話を聞けだって? そんなの、選ぶわけないだろ! 私が選ぶのは、今ここでお前を殺すことだっ!」


「なるほど。確かにそうだ。私がキミの立場なら、きっと同じことを言ったろうね」


「そうか。ならここで大人しく殺されろ!」


 同情するぐらいなら死して詫びろ。セレディナの意見は尤もだし、彼女が悪いわけではない。悪いのはエストだ。セレディナ以上にそれを理解しているのはエスト本人である。

 しかし、だ。エストは決してセレディナの言うことに納得はしない。


「それならキミの両親は私を殺すか従わせようとしたけど?」


「⋯⋯っ!」


「馬鹿で、何も考えていなかったら、突然殺されていたかもしれないのは私の方さ。でも私はキミの両親の企みに気付き、なら事前に殺しておこうとした。だから私はああしたのさ」


 エストは魔法陣を展開したままセレディナに歩いて近づく。やがて黒刀の間合いに入った。が、セレディナはエストの目を見るだけで何もしようとしなかった。喋ろうとも。否、喋ろうとしたが、エストが被せたのだ。


「ああでも、キミの両親が悪いって言いたいわけじゃない。私も私の危険性は十分承知している。殺したくなるってのも分かる話さ。でもね、勘違いをしてしまった。キミの両親も、そしてキミ自身も。それはね、」


 セレディナの顔にエストの顔が近づく。薄ら笑いは変わらない。しかし、そこに含まれる悪感情、嗜虐心、他者を貶めることで覚える快感はまるで隠しきれていなかった。彼女は精神も化物だ。


「──私に勝てると思ったこと。キミらが自分たちは強いと考えたこと。私が馬鹿だと確信したことさ」


 エストはセレディナの耳元で囁く。美しい声が彼女の脳を刺激した。一瞬、何も考えられなくなった。でもその後、これ以上にない怒りがセレディナの心を満たしたのだ。


「うあああああッ!」


 黒刀をエストの心臓目掛けて刺突。それは彼女の胸を貫き、抉り、破壊した。黒の刀身に赤色が辿って滴る。人間ならば殺せたと思ったところだ。ざまあみろと、死体を罵るところだ。だが、けれど、しかし、でも、エストは人間じゃない。


「気分はいかが? 私は最高だよ」


 セレディナの体が地面に凄まじい衝撃と共に叩きつけられる。粉塵が巻き上がる。血が流れる感触を味わう。痛みが走る。立てない。体が比喩でも何でもなく重くなっている。不味い。死ぬ。殺される。いや、死んでたまるかと、セレディナは渾身の力で立ち上がろうとした。


「何せキミを甚振れるのだから」


 両足の靭帯が切断され、踵が抉られ、力が入らず立てない。うつ伏せになりながらも両手を使って顔をあげようとした。しかし、今度は両腕の筋肉が断絶される。


「血がドバドバ出てるね。痛い? 苦しい? ねぇ?」


 エストはしゃがみ込み、セレディナの顎を手で掴んで顔を覗き込む。綺麗な顔だ、とエストは思った。このまま歪めていきたいとも。


「⋯⋯おっといけない。最近ストレス溜まってるからなぁ⋯⋯必要以上に痛めつけたら駄目だ」


 セレディナはもう何もできない。力を込めても筋肉が動かないのなら意味がないし、吸血鬼としての再生能力も阻害されているようだ。けれども死なない程度に抑えられているのは明白であった。


「⋯⋯でもまあ少しぐらい遊んでも良いでしょ。どちらにせよまだ弱りきってないし」


 エストはセレディナの胸に手を突き刺し、開いた傷の止血と痛みだけを治してから心臓を直接触る。これを潰せばアンデットの吸血鬼といえど死んでしまうだろうから、彼女は潰さないように注意しながら握り、傷をつける。ゆっくりと、じっくりと、時間を掛けて、丁寧に痛め付ける。もはや声にならない喘ぎ声のようなものをセレディナはあげるしかなかった。


「あっ⋯⋯かっ⋯⋯んあっ⋯⋯」


 痛い。苦しい。しかし気絶するほどではない。とてつもなく痛いわけでもない。弱火で燃やされ続けているかのような、耐えられる絶妙な激痛を絶え間なく味わう。だからこそ意識がそれに集中してしまう。


「⋯⋯ぐぅっ!?」


 時々、エストはセレディナの心臓を強く傷つける。こればかりは耐えられない痛みだ。苦悶の表情を浮かべるも、一瞬であるそれに縋って意識を手放すことはできなかった。


「あう⋯⋯うっ⋯⋯や⋯⋯やめ⋯⋯ッ」


「止めないよ。もっと続けないと。まだ喋る余裕があるじゃん」


 指で心臓をなぞる。エストの指の心地良い冷たさは、心臓にとって過剰だ。指だけでなく爪で軽く引掻かれることでより痛みは増した。しかし未だ、死ねる痛みでも暗闇の中に落ちて行ける痛みには達していない。


「くっ⋯⋯あっ⋯⋯んっ⋯⋯ううっ⋯⋯」


「⋯⋯ちょっとやり方変えようかな」


 エストは指でセレディナの心臓を触っていたのだが、手全体を使っていじめるようにしてみる。すると効果覿面であったようだ。


「──かはっ」


「おっ。いい感じかな。こうやって握れば⋯⋯」


 ──そうこうして心臓を弄ること十分。セレディナはついに疲労と痛みで気力がなくなった。強い刺激を与えた時に彼女の体がビクッとなるだけで声はなくなってしまった。


「もう良いでしょこれ。抵抗されないね」


 エストの両目が光る。セレディナの記憶に介入し、彼女に前回の記憶を植え付けた。ついでにこの拷問の記憶も消し去った。

 セレディナにエストへの忠誠心を持たせることもできたのだが、それではやっていることが洗脳だ。別に悪い気はしないものの、何だか違うような気がする。セレディナにも復讐の権利がある。殺される気はないが、せめてもの優しさだ。


「拷問した側が言えることじゃないけどね。まあ仕方なかったし。楽しかったからいいや」


 気絶しているセレディナをエストは叩き起こした。それから混乱している彼女を正気に戻すためにもう一度頬を叩く。これもあり、状況の説明を併せるとかなりの時間を要した。


「⋯⋯分かった。協力してやる。⋯⋯だが一つ聞きたい。なんで私、貧血気味なんだ? あと微かにだが血の臭いがするんだが」


「え? そう? キミ、生理とかあるんだ。アンデットなのに」


「ぶっ殺すぞお前」


 と、エストはここで起きたことを誤魔化した。追求を避けるために彼女はセレディナと一緒にさっさとエルティア公国に転移し戻る。

 セレディナの拷問シーン、書くの凄い楽しかったです。

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