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弱虫の剣  作者: 望月 まーゆ
第2章: 黒い森の蟲王
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初恋

「エルは何でそんなに頑張るの?」


少女は、一生懸命剣を振る白銀の髪の少年に声をかける。


「いつか父さんのように、勇者さまのパーティーに入って、魔王をたおすんだ!それが、僕の夢なんだ!」


目をキラキラさせて夢を語る少年に見惚れる少女。


「ねえ、エル。その時はボクも一緒に勇者さまのパーティーに入れてよ。ボクもエルと一緒がいい」


自分のことを「ボク」と呼ぶのがお似合いの短いショートカットの少女は、すがるような瞳で、白銀の髪の少年を見つめる。


白銀の髪の少年は剣を置き、少女の手を握る。


「・・・える?」


目をぱちくりさせる少女。


「父さんが亡くなる前に言ってたんだ。これを大切な人にあげると、ずっとずっと一緒にいられるって」


白銀の髪の少年は、ポケットから小さな銀の指輪を取り出すと、少女の細い左手の薬指にはめた。


「える・・・コレ・・・」


少女は頬を紅く染めながら、はめられた指輪をじっと見つめる。


「こ、これ。ぼ、ぼくが削って作ったから、不恰好だけど・・・」


顔を真っ赤にして照れ笑いを浮かべる白銀の髪の少年。


「うんん、嬉しいよ。ありがとエル、だいすき」


白銀の髪の少年の唇に、少女の桃色の唇が重なった。


柔らかい感触に時間が停止する。



「ぼ、ぼ、僕ずっとずっと一緒にいたいから、もう誰ともお別れしたくないから」


「うん。ボクはどこにも行かないよ。ずっとずっとエルの側にいるよ。だから一緒にエルの夢、叶えようね!」





少女の中のエルという、白銀の髪の少年と過ごした記憶はどれも鮮やかで、思い出すたびに絵本をめくるような気分になった。


甘酸っぱくて、淡い少女の恋心をくすぐるそんな時間だった。





エル・・・ボクは今でも君が好きだよ。

新章突入です。ブクマ、感想等頂けますと作者のモチベーションに繋がります。応援宜しくお願いします。

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