5.ジェット商会
やっとギルくん登場…!
店を構える許可は貰えたが、ここでまた問題が発生した。
どうやら、というか当然私の年齢で店を持つことは普通ではなく、また仮にも公爵令嬢が直々に店に出るというのもあまりよしとされないらしい。
つまり私の代わりに店を管理する人物、店長や店員が必要な訳だ。
そこで父様から提案されたのが、商会と提携を結んで普段は商会側に管理を任せる方法だ。
これなら私は商会の支援者という立場になるので世間体も問題ないし、四大公爵家の支援とあれば名乗りをあげる商会も少なくないだろうとのことだった。
売り上げについては商会が決まってから相手方と相談すればいいだろうとのこと。
…接客はしたかったけど、それをすることによって私はともかく家族まで変な目で見られるのは避けたかったので、早速協力してくれる商会を探すことに…しようとしたら父様がすでにめぼしい商会を選んで面会まで取り付けてくれていた。
流石父様、仕事ができる男!…っていや流石にそれは仕事が早すぎますって……。
今日は父様が取り付けてくれた商会との面会日。
相手の商会はジェット商会といい、この国でも一二を争う大きさの商会なんだとか。
……ただこの名前を聞いた兄様達のなんとも言えない顔がとても気になる、あとで情報屋な母様に聞こう…。
商会からは女性ながら会長としてバリバリ働いているマーガレット・ジェットさんとその息子、ギルバートくんが来た。
ギルくん(ギルバートくんだと長かったのでこの呼び方になった。さん付けはむず痒いからやめて欲しいらしい)は兄様達と同い年で学校では同じクラスらしい。
兄様達のあの微妙な表情はこの辺が関係しているのかも…。
マーガレットさんことメグさん(と呼ぶように強く言われた)はどうやら主にギルくんに私の店を任せるつもりのようで、それでギルくんもうちに連れて来たらしい。
「こんな子供に任せるのは不安かもしれないけど、よろしく。」
「そんなことないよ!それにそんなこと言ったら私の方が子供だし」
「…そう言えばそうだったな」
「うん、だからこちらこそよろしく!」
ちなみに協力関係になるということで、お互いに敬語は無くした。
私の前世の記憶が影響して敬語に違和感があったのもあるけどね…。
「ステラちゃん、ギルはこう見えてうちの商会で色々数こなしてるから頼りにして大丈夫だからね!じゃんじゃん使ってやって!」
「母さんうるさい」
「なによ!私とステラちゃんの交流を邪魔する気!?」
「まあまあ……」
メグさんは娘が欲しかったらしく、初対面から圧がすごかった。
いきなりハグとかされた。……大変けしからんおっπでした………。
この後、ちゃんと店についても話し合いました。
私のめくるめく和菓子屋ライフまであと少し…!