表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

Phantom Pain

作者: 服部空慈

幻肢痛(英: Phantom Pain)とは、


 怪我や病気によって身体の一部を切断した後、今はもう存在しない肉体に痛みを感じる症状である。例えば足を切断したにも関わらず、つま先に痛みを感じるといった状態を指す。あるはずのない手の先端があるように感じる、すなわち幻肢の派生症状であり、詳しい原因は判っていない。また、痛み止めの薬や麻酔は効果がなく、決定的な治療法は見つかっていない。


 愛する者を失う痛みは、幻肢痛とよく似ている。それは失った事の痛みではなく、未来への絶望でもなく、どれほど切望しようとも、愛する者を守ることは許されず、その痛みだけを感じ続ける。その思い、尽きぬ限り、永遠と続く(あい)螺旋(らせん)


 今も残る

 君の哀しみ


 届きはしない

 その哀しみに

 僕は今でも

 この手を伸ばす


 存在しない君を

 守りたいと思う心が

 いつか見た

 君のいた景色を

 今もこの目に映してしまう


 Phantom pain


 僕を形造る君という存在

 永遠と続く痛みの螺旋

 僕を包みこむ哀の羊水


 空白の未来

 空になった心

 失ったものなど

 無い


 Phantom pain


 僕を形造る君という存在

 戻ることのない片翼

 永遠と続く愛の螺旋


 君と言う名の

 もう一人の

 僕



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 多くは語られていませんが、深い深い森へと静かに誘われたような気持ちになりました。 刻み込まれた痛みや悲しみを掻き抱くような痛切さと、寂寞とした世界にあってなお、熱く息衝く思いが胸に刺さりま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ