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譲渡の旅

作者: 音澤 煙管




吹いて静み明るく荒れて、

春一番も朝一番に

今日は別れの時を迎える。



数年連れ添った相棒に、

縁があって共に過ごすも

違う縁で友人の元へ、

送り出す今日の時。


通いはしない違う道、

特別で最後の日だと

遠回りを案内すると、

荒れた風止み静まる海辺。


水平線近くの海より高く、

絶壁の有る通り道

返事はしないがご機嫌伺え、

急がば回れ風共に。


違う道は気のせいか、

衝撃感じず滑らかに

今この時の互いの心、

鼓動が初めて一つになる。


場所も過ぎ時間も過ぎて、

その時迎えて最後の地へ

なん十年ぶりかの景色も変わり、

懐古の想い過る風。


約束と時間を守り、

遥々ここまで辿り着き

今日は愛車の引き渡し

さよなら愛車のマイバイク…





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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読させていただきました。 最後に何と別れるのか分かるところが良かったです。 リズム感があるところも素敵ですね。
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